木村
木村相談者
すみません、ちょっと聞きたいんですけど。うちのマンション、墨田区にあるんですが、築7年くらいなんです。今売ったらどのくらいになるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
墨田区のマンションですね。国交省の不動産情報ライブラリに登録されている実際の成約価格を見ると、2024年の中古マンションの中央値は3,700万円でした。築7年くらいということは、〜築10年の帯に入りますので、そちらも合わせて見ていきましょう。
木村
木村相談者
成約価格ってことは、実際に売れた値段ってことですよね?よく見る不動産サイトの価格とは違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。ポータルサイトに出ている価格の多くは「今売り出し中の希望価格」で、実際にいくらで売買が成立したかとは別物です。今回お見せする数字は実際に取引が成立した価格を国交省が集計したものなので、相場感としての精度は高いと考えています。

墨田区の中古マンション価格はどう動いてきた?

墨田区 中古マンション 中央値の推移(万円)
墨田区 中古マンション 中央値の推移(万円)
木村
木村相談者
グラフを見ると、なんとなく右肩上がりに見えますけど、実際どうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい、2017年から2024年までの年ごとの中央値を並べるとこうなります。
中央値取引件数価格帯(p25〜p75)
2017年2,700万円444件2,000万円〜3,800万円
2018年2,700万円529件2,100万円〜3,700万円
2019年2,600万円633件2,200万円〜3,500万円
2020年2,700万円674件2,200万円〜3,800万円
2021年3,300万円1,255件2,300万円〜4,500万円
2022年3,600万円1,176件2,400万円〜5,000万円
2023年3,200万円1,152件2,400万円〜4,825万円
2024年3,700万円1,185件2,600万円〜5,000万円
山川
山川不動産の専門家
2017年の中央値は2,700万円、2024年は3,700万円ですので、8年間で約37%の上昇です。特に2020年から2021年にかけて件数・価格ともに大きく動いていて、以降は3,200万円〜3,700万円のレンジで推移しています。直近1年(2023年→2024年)だけ見ると、3,200万円から3,700万円で約15.6%の上昇でした。
木村
木村相談者
結構上がってるんですね。2023年だけちょっと下がってるのが気になりますけど。
山川
山川不動産の専門家
そうですね、2022年の3,600万円から2023年は3,200万円に下がっています。件数自体は1,000件を超えていて取引量が少ないわけではないので、「その年に成約した物件の顔ぶれ」による変動と見るのが自然です。1年単位の増減に一喜一憂するより、複数年のレンジで見たほうが実態に近いです。
木村
木村相談者
表に「価格帯(p25〜p75)」って書いてありますけど、これは何ですか?
山川
山川不動産の専門家
その年に成約した物件を安い順に並べたとき、下から25%の位置にある価格がp25、下から75%の位置にある価格がp75です。たとえば2024年なら2,600万円〜5,000万円で、これは「その年に売れた物件のうち真ん中あたり半分は、だいたいこの価格帯に収まっていた」という意味になります。中央値だけだと1点の情報しかありませんが、この幅を見ることで「同じ築年・エリアでもどのくらい価格に開きがあるか」が分かります。
木村
木村相談者
なるほど、中央値だけ見るより実感が湧きますね。

取引件数の推移 — 実際どれくらい売れているのか

木村
木村相談者
件数も見といたほうがいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい。価格だけでなく「その年に何件成約したか」も見ておくと、市場の活発さが分かります。上の表の取引件数の列がそれにあたりますが、2017年の444件から2024年は1,185件と、8年で2倍以上に増えています。特に2021年に674件から1,255件へ急増していて、この年を境に取引の規模自体が一段階変わった印象です。
木村
木村相談者
件数が増えたから価格も上がった、みたいな関係ってあるんですか?
山川
山川不動産の専門家
相関はありそうですが、それだけで断定はできません。件数増加の背景には、新築マンションの供給や周辺エリアの再開発、金利環境などいろいろな要因が絡んでいます。ここでは「件数・価格ともに増加傾向にある」という事実の提示にとどめておきますね。
木村
木村相談者
この1,185件っていうのは、売り出し中の物件の数ってことですか?
山川
山川不動産の専門家
いえ、そこが大事なところで、これは実際に売買が成立した件数です。売り出し中の物件数(在庫数)とは別の数字で、成約ベースの件数のほうが「その年に本当にどれだけ市場が動いたか」を表しています。
木村
木村相談者
1,185件って、他の区と比べて多いんですか?
山川
山川不動産の専門家
近隣区の取引件数と相対信頼区間幅を並べてみましょう。
市区町村2024年取引件数相対信頼区間幅
江東区2,687件6.7%
中央区1,840件4.8%
台東区1,101件11.4%
墨田区1,185件13.5%
江戸川区896件7.3%
荒川区597件9.3%
山川
山川不動産の専門家
墨田区の1,185件は江東区や中央区ほどではないですが、台東区とほぼ同水準です。面白いのは、荒川区は597件と半分程度の件数なのに、相対信頼区間幅は9.3%と墨田区の13.5%より低いことです。
木村
木村相談者
件数が少ないのに精度は荒川区の方が高いんですか?
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。相対信頼区間幅は件数だけでなく、物件どうしの価格のばらつき方にも左右されます。荒川区は価格帯が比較的そろっているのに対し、墨田区は築年数や立地による価格差がやや大きいため、件数の割にばらつきが出やすいと読み取れます。とはいえ13.5%も25%の目安は十分下回っています。次は木村さんの物件に近い、築年帯別の相場を見てみましょう。

築年数別に見る相場 — あなたの物件はどのあたり?

墨田区 中古マンション 築年帯別の中央値(万円・直近3年)
墨田区 中古マンション 築年帯別の中央値(万円・直近3年)
山川
山川不動産の専門家
築7年の木村さんの物件に近いところで見てみましょう。2022〜2024年の直近3年をまとめて、築年帯ごとの中央値を出すとこうなります。
築年帯中央値取引件数価格帯(p25〜p75)相対信頼区間幅
〜築10年3,500万円1,135件2,700万円〜4,800万円11.4%
築11-20年3,500万円1,047件2,300万円〜5,300万円22.9%
築21-30年5,000万円566件3,925万円〜6,000万円10.0%
築31年〜2,500万円682件1,400万円〜3,700万円16.0%
木村
木村相談者
あれ、築7年のうちの帯だと3,500万円なんですね。さっきの2024年単体の中央値3,700万円より低いような。
山川
山川不動産の専門家
いい着眼点です。この築年帯別の数字は2022〜2024年の3年分をまとめた中央値で、2024年単体の数字とは期間が違います。件数を確保して数値の精度を上げるために、築年帯別だけ複数年をプールしているんです。〜築10年の帯は件数1,135件、相対信頼区間幅は11.4%なので、こちらもトレンド材料として十分使える数字です。
木村
木村相談者
築21-30年の帯だけ5,000万円って結構高いですけど、これはなんでですか?
山川
山川不動産の専門家
データからは理由まで断定できません。この集計は面積や間取りを区別していないので、その帯にたまたま広めの物件が多く含まれている可能性もあります。「築21-30年の帯は中央値が高い」という事実だけお伝えして、原因の推測は控えておきますね。木村さんの帯(〜築10年)は件数も多く、比較的読みやすい数字だと思います。
木村
木村相談者
築11-20年の22.9%って、他の帯より高いですね。
山川
山川不動産の専門家
よく気づきましたね。築11-20年の帯は件数こそ1,047件とそこそこありますが、価格帯(p25〜p75)が2,300万円〜5,300万円と開きがあり、物件によって価格差が大きいことが分かります。25%の目安は下回っているので使えますが、他の帯より「ブレが出やすい帯」と考えておくといいでしょう。木村さんの〜築10年帯は11.4%と安定しており、相場観としては読みやすい部類です。

将来人口については、正直まだ材料がありません

木村
木村相談者
人口が減ると値段も下がるって聞きますけど、墨田区はどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、墨田区については将来人口の推計データをまだ収集できていません。国交省の将来推計人口(250mメッシュ)を今後整備していく予定ですが、現時点で確認できる一次データが無い項目については、憶測で数字を出さない方針にしています。人口動向は今後データが揃い次第、この記事にも反映します。
木村
木村相談者
なるほど、無理に数字を出さないんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい。仮に人口が増えるとしても減るとしても、それだけで「価格が上がる・下がる」と直結させるのは早計です。人口は需給を考えるうえでの材料の一つにすぎないので、今回は価格・取引データという確認できる事実だけでお話ししますね。

近隣区・全国と比べるとどうか

木村
木村相談者
墨田区の3,700万円って、高いんですか安いんですか?
山川
山川不動産の専門家
いくつかの物差しで見てみましょう。まず全国です。同じように取引データが十分にある464市区町村の中で、墨田区は価格水準が全国51位です。東京都内47市区町村の中では26位にあたります。
木村
木村相談者
都内だと真ん中より下くらいなんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。全国で価格水準が判定できる区市の平均は約2,885万円なので、墨田区の3,700万円はその約1.28倍です。全国的には高めのグループに入りますが、都内では中位という位置づけです。上昇率でみると、8年で+37.0%という数字は、上昇率を判定できる全国217市区町村の中で104位、都内40区市の中では29位です。価格水準ほど上位ではなく、値上がり幅は都内の中では緩やかなほうと言えます。
墨田区と近隣区の中古マンション中央値比較(万円)
墨田区と近隣区の中古マンション中央値比較(万円)
山川
山川不動産の専門家
近隣区とも比べてみます。
市区町村2024年中央値8年間の変化率
中央区8,300万円+118.4%
江東区6,000万円+71.4%
台東区4,400万円+54.4%
荒川区4,300万円+48.3%
墨田区3,700万円+37.0%
江戸川区4,100万円+32.3%
木村
木村相談者
こう見ると、墨田区は隣の区より安いんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい、都心側の中央区・江東区と比べると価格水準も上昇率も控えめです。一方で江戸川区よりは上昇率が高い、という位置づけです。都心に近いほど値上がりが大きい、という傾向自体は読み取れますが、これも「だから今後も同じペースで上がる」という保証にはなりません。あくまで過去8年の実績です。

「売り時」をどう考えればいいか

木村
木村相談者
それで結局、今は売り時なんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは私からは断定できません。事実として言えるのは、墨田区の中古マンション価格は2017年から2024年にかけて上昇傾向にあり、直近1年でも上がっている、ということです。ただ、それが「今すぐ売るべき」を意味するわけではありません。
山川
山川不動産の専門家
これらはあくまで市場全体の傾向です。実際に売るかどうかは、住み替えのタイミングや資金計画、ご家族の事情など、木村さん自身の状況次第です。価格が上がっているから今すぐ売るべき、という単純な話ではありません
木村
木村相談者
分かりました。じゃあ、実際の査定額を知りたくなったらどうすればいいんですか?

査定額を確認する流れ

山川
山川不動産の専門家
相場感がつかめたら、次は実際の査定額を確認するのがおすすめです。ざっくりした流れをお伝えしますね。
  1. 1相場を把握する — ここまで見てきたような公的データで、自分の物件が属する築年帯・エリアのおおよその水準をつかむ
  2. 2複数社に査定を依頼する — 1社だけだと相場から外れた金額が出ても気づきにくいので、複数の不動産会社に査定を依頼して比較する
  3. 3査定額と根拠を確認する — 提示された金額がどんな取引事例や築年数を根拠にしているか、担当者に確認する
  4. 4売却するかどうかを判断する — 査定額と自分の事情(住み替え時期・資金計画など)を照らし合わせて、売るかどうかを決める
山川
山川不動産の専門家
査定を受けたからといって、必ず売らなければいけないわけではありません。相場と実際の査定額のズレを確認するだけでも、判断材料として役に立ちます。

墨田区 中古マンション 基本情報まとめ

項目内容
対象エリア東京都墨田区
物件種別中古マンション
データ対象期間2017年〜2024年(年次)
2024年中央値3,700万円
8年間の変化率+37.0%
直近1年の変化率+15.6%
2024年取引件数1,185件
相対信頼区間幅13.5%
価格水準(全国)51位/464市区町村
価格水準(都内)26位/47市区町村
出典国交省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか確認していいですか?
山川
山川不動産の専門家
どうぞ。
木村
木村相談者
この価格って、マンション全体の平均ってことですよね?間取りとか広さで全然違うと思うんですけど。
山川
山川不動産の専門家
おっしゃる通りです。今回の中央値は間取り・広さを区別せずに集計した全体の数字です。同じ築年帯でも広さによって価格は変わるので、あくまで「エリア全体の目安」として使ってください。より正確な金額を知りたい場合は、実際の査定を受けるのが確実です。
木村
木村相談者
人口データはいつ頃わかるようになりますか?
山川
山川不動産の専門家
現時点では公表時期をお約束できません。データが整い次第、この記事にも反映していきます。今は無理に数字を出さず、価格・取引データという確認できる事実だけをお伝えしています。
木村
木村相談者
うちのマンションは築7年ですけど、もっと古い、築30年超えの物件でも売れるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい、売れています。築31年〜の帯でも2022〜2024年で682件の成約があり、中央値は2,500万円です。〜築10年の帯(3,500万円)と比べると水準は下がりますが、件数自体はしっかりあるので、古い物件だから売れない、ということはありません。
木村
木村相談者
築11-20年の帯は価格の幅が大きいって話でしたけど、売るとき何に気をつければいいですか?
山川
山川不動産の専門家
中央値の3,500万円をそのまま自分の物件の価格と考えず、幅の中の目安として捉えるのがおすすめです。実際の価格は階数・向き・リフォーム履歴などで変わるため、査定を受けて自分の物件がどのあたりに位置するか確認すると安心です。
木村
木村相談者
墨田区のデータは近隣区と比べて信頼できるほうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
墨田区の13.5%は中央区(4.8%)や江東区(6.7%)よりは高いですが、25%の目安は十分下回っています。件数も1,185件とまとまっており、判断材料としては十分です。ただ荒川区(9.3%)のように件数が少なくても安定している区もあり、「件数が多いほうが正確」とは限りません。
木村
木村相談者
隣の区の記事も見てみたいんですけど。
山川
山川不動産の専門家
中央区の中古マンション相場江東区の中古マンション相場台東区の中古マンション相場の記事も公開しています。都心側の相場感と比べてみると、墨田区の位置づけがより分かりやすいと思います。

査定額を確認してみる

山川
山川不動産の専門家
相場観がつかめたら、実際の査定額を複数の不動産会社に依頼して比較してみましょう。以下のような一括査定サービスから、複数社にまとめて査定を依頼できます。