木村
木村相談者
福山市で戸建てに住んでるんですが、そろそろ売却も選択肢に入れてまして。このあたりの中古戸建ての相場ってどれくらいなんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
こんにちは。福山市の中古戸建てですね。先にお伝えしておきたいのですが、福山市は年間300件前後の成約があるエリアで、件数自体は十分にあります。ただ、土地の広さや建物の状態にかなり幅がある街でもあって、年によって中央値の動き方が読みにくいという特徴があります。そのあたりを正直にお話ししながら進めますね。
木村
木村相談者
件数はあるのに、動きが読みにくいってどういうことですか?
山川
山川不動産の専門家
そこがこの記事のポイントです。国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)が公表している実際の成約データをもとに、分かっていることとそうでないことをはっきり分けてお伝えしていきます。

福山市 中古戸建ての直近の相場水準

山川
山川不動産の専門家
まず直近の相場水準からです。2022年〜2024年の3年間をまとめたデータでは、福山市の中古戸建ての中央値は1,800万円です。これは920件という、かなりまとまった件数をもとにした数字です。
福山市 中古戸建て 年別中央価格の推移
福山市 中古戸建て 年別中央価格の推移
木村
木村相談者
920件ってけっこう多いですね。それなら毎年の動きもはっきり分かりそうですけど。
山川
山川不動産の専門家
普通はそうなんですが、福山市には少し特有の事情があります。年別の中央値を並べると、2017年1,600万円、2018年1,600万円、2019年1,700万円、2020年1,900万円、2021年2,050万円、2022年1,900万円、2023年1,700万円、2024年1,700万円、という並びです。
木村
木村相談者
2021年に一度上がって、その後また下がってるんですね。これは市場が下がってきてるってことですか?
山川
山川不動産の専門家
そう単純には言えないんです。福山市の中古戸建ては、成約件数自体は毎年300件前後としっかりありますが、1件ごとの価格帯の幅がとても広いエリアです。2024年の実際のデータで見ると、下位25%の物件はおよそ730万円、上位25%の物件はおよそ3,100万円と、同じ年の成約でも4倍以上の開きがあります。土地の広さや建物の状態がバラバラな戸建てならではの特徴で、その年にどのくらいの規模・状態の物件が多く成約したかによって、中央値自体が上下に振れやすくなります。
木村
木村相談者
なるほど、件数の多さと、動きの読みやすさは別問題なんですね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。件数が少ないから読みにくい街もあれば、福山市のように件数はあっても物件の幅が広いから読みにくい街もあります。原因が違うので、扱い方も変える必要があるんです。
木村
木村相談者
中央値っていうのは、平均とは違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
良い質問ですね。平均値は極端に高い物件や安い物件が1件混ざるだけで大きく引っ張られますが、中央値は成約データを価格順に並べたちょうど真ん中の値なので、一部の高額物件・激安物件に引きずられにくいという特徴があります。福山市のように土地の広さの差が大きい街では、平均よりも中央値のほうが実態に近い相場感を示しやすいので、この記事では一貫して中央値を使っています。
木村
木村相談者
じゃあ結局、いくらくらいで考えればいいんでしょう。
山川
山川不動産の専門家
そこで登場するのが、さっきの直近3年間・920件をまとめた数字です。2022年〜2024年の中央値は1,800万円。単年の数字より、こちらのほうが福山市の相場感として信頼できます。まとまった件数で均していくと、その年ごとの物件の偏りが薄まるからです。
木村
木村相談者
さっき他のサイトも見たんですが、「直近半年で価格が上がっているので、売り出すなら早いほうがいい」と書いてあるサイトもありました。あれはどう見ればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、半年という短い期間だけを切り取ると、福山市のようにばらつきの大きい街ではその期間にたまたま広い土地の物件が多く売れただけでも、平均や中央値が大きく動いて見えます。件数が少ない期間で判断を急ぐと、実態以上に「上がっている」「売り時だ」という印象になりやすいので、この記事では8年分のデータと直近3年の合算値の両方を見比べて、慎重に扱うようにしています。
木村
木村相談者
短い期間の数字だけを鵜呑みにしないほうがいいってことですね。
山川
山川不動産の専門家
そう思います。次は、この中央値の裏にある取引件数そのものについて見ていきましょう。

取引状況(成約件数)

山川
山川不動産の専門家
続いて件数そのものについてです。2024年の1年間の成約件数は303件でした。過去8年で見ても200件台後半から350件台の範囲で推移していて、大きく枯れているわけではありません。
成約件数中央値価格帯(下位25%〜上位25%)
2017年269件1,600万円800万円〜2,600万円
2018年209件1,600万円700万円〜2,600万円
2019年267件1,700万円830万円〜2,600万円
2020年356件1,900万円850万円〜2,800万円
2021年324件2,050万円988万円〜2,800万円
2022年307件1,900万円850万円〜3,000万円
2023年310件1,700万円750万円〜3,000万円
2024年303件1,700万円730万円〜3,100万円
木村
木村相談者
2018年だけ209件と少し少ないですね。他の年は250件〜350件くらいなのに。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。年によって多少の増減はありますが、それでも200件を割り込むことはなく、相場を語れるだけの件数は毎年確保できています。2018年についても、件数がやや少なめだった分、翌2019年にかけて価格帯の上限が2,600万円のまま横ばいで推移していることから、極端に偏った物件だけが成約した年ではなさそうだと読み取れます。
木村
木村相談者
こう見ると、件数自体はあまり変わってないんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。「取引が少なくなってきている」わけではなく、もともと母数が確保できているエリアです。むしろ表の右端、価格帯の幅を見てもらうとわかるとおり、年を追うごとに下位25%と上位25%の差がじわじわ広がっています。これは、築古で価格の低い物件と、比較的新しく価格の高い物件の両方が同時に成約する街になってきている、という見方ができます。
木村
木村相談者
幅が広がってるのも、さっきの「読みにくさ」と関係してるんですね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。件数は十分でも、物件の性質の幅が広がるほど中央値だけを見ていても実態がつかみにくくなります。次は、福山市がどのくらいの相場水準の街なのか、近隣の市と比べてみましょう。

近隣・県内との比較

山川
山川不動産の専門家
福山市の中古戸建ての価格帯を広島県内の順位で見ると、県内16市区中12位です。全国では691市区町村中439位という位置づけになります。
中古戸建て 福山市・尾道市・三原市・呉市・東広島市・廿日市市の相場水準比較
中古戸建て 福山市・尾道市・三原市・呉市・東広島市・廿日市市の相場水準比較
木村
木村相談者
隣の尾道市とか三原市と比べるとどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
尾道市の中古戸建ての参考値は600万円、三原市は650万円と、どちらも福山市の1,800万円よりかなり抑えめの水準です。同じ備後エリアでも、福山市は市街地の規模が大きく建物・土地とも比較的しっかりした物件が成約しやすいぶん、価格帯が高めに出ていると考えられます。呉市も参考値1,000万円で、福山市よりは低めの水準です。
木村
木村相談者
逆に高いところはありますか?
山川
山川不動産の専門家
東広島市は参考値2,300万円、廿日市市は参考値2,200万円と、福山市よりやや高い水準にあります。どちらも広島市への通勤圏という性格が強いエリアで、そのぶん価格帯が押し上げられている可能性があります。福山市の1,800万円は、備後エリアの中心都市としては手が届きやすい部類に入りつつ、広島市寄りの都市よりは抑えめ、という中間的な位置づけです。
木村
木村相談者
福山市はマンションの記事もあるんでしたっけ。
山川
山川不動産の専門家
はい、福山市の中古マンションは取引データが十分にそろっているエリアで、直近の中央値は2,000万円です。戸建ての1,800万円と近い水準にあるので、戸建てとマンションのどちらで探すか迷っている場合の参考にもなると思います。マンションのほうは単年でもトレンドを語れるだけのデータの揃い方をしているので、興味があれば合わせて見てみてください。
木村
木村相談者
位置づけは分かりました。この数字を踏まえて、売り時ってどう考えればいいんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
そこが一番気になるところですよね。次はその話をしましょう。

「売り時」をどう考えるか

山川
山川不動産の専門家
ここまでの数字をまとめると、福山市の中古戸建ては、件数は十分にあるものの、物件ごとの価格差が大きいため、単年での明確な上昇・下降トレンドを断定できるデータではない、というのが正直なところです。ただ、直近3年の相場水準(1,800万円)、県内・全国での位置づけ、近隣市との価格差は、事実として押さえておける材料です。
木村
木村相談者
これだけ見て、今売った方がいいとかって言えるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
それは言えません、というのが正直な答えです。福山市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは、街全体の相場だけでタイミングの良し悪しを判断するのは無理があります。ご自宅の土地の広さ・築年数・状態・立地のほうが、この街では価格への影響が大きいからです。
木村
木村相談者
個別の事情って、具体的にはどういうことを考えればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
いくつか例を挙げますね。住宅ローンが残っている場合は、残債と査定額の見込みを比べて、売却後に手元にいくら残るかを先に確認しておくことが大切です。相続で取得した家であれば、相続税の申告期限や、空き家のまま持ち続けると固定資産税の負担が続くことも判断材料になります。住み替えが目的なら、次の住まいの購入・引き渡しのタイミングと、今の家の売却タイミングをどう合わせるかも重要です。福山市のように土地の広さや建物の状態で価格差が大きく出るエリアでは、同じ「1,800万円」という相場水準でも、実際の物件によって数百万円から千万円単位で評価が変わることも珍しくありません。
木村
木村相談者
相場の数字だけだと、自分の家がどうなのかは分からないってことですね。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの家がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。市況のデータは判断材料の一つとして持っておいて、最終的な判断はご自身の状況に照らして決めていただくのがいいと思います。
木村
木村相談者
なるほど。じゃあ実際に自分の家がいくらになるのか知りたい時は、どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは相場を調べるのとは別の一歩になるので、査定の流れを整理しますね。

相場を調べたら次にやること

山川
山川不動産の専門家
ここまでの相場感を踏まえて、実際の査定額を知りたくなったら、次のようなステップで進めるのが一般的です。
  1. 1相場水準を把握する — ここまで見てきた1,800万円という相場水準を、まず自分の中の目安として持っておきます。
  2. 2不動産一括査定サービスに申し込む — 記事末尾で紹介する複数の査定サービスから、気になるものを選んで申し込みます。査定は義務ではないので、気になった時点で試すくらいで問題ありません。
  3. 3複数社の査定額を比較する — 一社だけでなく複数社の査定額を見比べることで、相場からの乖離や、査定額の根拠を確認しやすくなります。
  4. 4タイミングは個別事情に合わせて決める — 査定額と市況を踏まえつつ、住み替えや資金計画など、ご自身のスケジュールに合わせて売却時期を決めます。
木村
木村相談者
分かりました。査定を受けるのは義務じゃなくて、まず知る手段って感じなんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。最後に、この記事で使ったデータの出どころをまとめておきます。

基本情報まとめ

項目内容
対象エリア広島県福山市
対象種別中古戸建て(宅地・住宅用)
データ期間2017年〜2024年(直近相場は2022〜2024年の3年間集計)
データ件数直近3年で920件(2024年単年は303件)
統計的なばらつきの幅約35%(目安の25%を超えるため単年トレンドは断定しない)
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報
木村
木村相談者
ありがとうございます。件数があっても断定しない理由がよく分かりました。
山川
山川不動産の専門家
こちらこそ、実際に売却を検討される際は、今日お話しした相場水準を目安にしつつ、査定サービスで実勢価格も確認してみてください。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか気になったことを聞いてもいいですか?
山川
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村
木村相談者
福山市の中古戸建ては、上がってるんですか下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
8年間のデータを見る限り、一貫して上がっている、あるいは下がっているとは言えません。物件ごとの価格差が大きく、単年の数字は振れやすいためです。直近3年をまとめた相場水準としては1,800万円前後、というのが今言える範囲です。
木村
木村相談者
件数が300件もあるのに、なんで断定できないんですか?
山川
山川不動産の専門家
件数の多さと、価格のばらつきの小ささは別の話だからです。福山市は年間の成約件数自体はしっかりありますが、土地の広さや建物の状態が物件ごとに大きく異なるため、その年にどんな規模・状態の物件が多く成約したかによって中央値が上下しやすくなります。統計的なばらつきの幅がおよそ35%あり、目安の25%を超えているため、この記事では単年の増減をそのままトレンドとして扱わない方針にしています。
木村
木村相談者
半年間のデータだけで「売り出すなら早いほうがいい」と書いているサイトも見たんですが、信用していいんですか?
山川
山川不動産の専門家
短い期間のデータは、その期間にたまたま成約した物件の性質に結果が左右されやすくなります。福山市のように価格帯の幅が大きい街では特にその影響が出やすいので、この記事では8年分の年別データと直近3年の合算値を並べて見比べたうえで、慎重に判断材料を示すようにしています。
木村
木村相談者
査定って本当に無料なんですか?
山川
山川不動産の専門家
記事末尾で紹介する一括査定サービスは、利用者側の費用負担なく利用できるのが一般的です。ただし各サービスの詳細な利用条件は、申し込み前にそれぞれの公式サイトで確認してください。

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木村
木村相談者
ありがとうございました。相場観を持った上で、査定も試してみます。
山川
山川不動産の専門家
はい、それが一番良い進め方だと思います。