木村相談者
うちのマンション、大阪市旭区にあるんですけど、そろそろ売ろうか迷ってて。築40年くらいなんですが、こういう古い物件でも今の相場ってちゃんと見られるんでしょうか。
山川不動産の専門家
もちろんです。旭区の中古マンションは2017年から2024年にかけて取引が積み重なっていて、築年数ごとの傾向もある程度見えています。まずは区全体の価格がどう動いてきたかを一緒に見ていきましょう。
木村相談者
お願いします。正直、上がってるのか下がってるのか、感覚的には全然分からなくて。
旭区の中古マンション価格はどう動いてきたか
山川不動産の専門家
国交省の不動産情報ライブラリに登録されている実際の成約価格から集計すると、旭区の中古マンションの中央値は2017年が1,500万円、2024年は2,000万円でした。8年間で約33.3%上昇しています。
木村相談者
へえ、思ったより上がってるんですね。ずっと右肩上がりだったんですか?
山川不動産の専門家
ちなみに旭区は大阪市の中でも北東寄りにあり、都島区・城東区・鶴見区・東淀川区と隣接するエリアです。区内には古くからの住宅地とマンションが混在しているので、築年数の幅が広いのも特徴です。その点も踏まえて価格の推移を見ていきましょう。
山川不動産の専門家
そこは大事なところで、一直線ではありません。表で見てみましょう。
| 年 | 中央値 | 取引件数 |
|---|---|---|
| 2017年 | 1,500万円 | 54件 |
| 2018年 | 1,600万円 | 47件 |
| 2019年 | 1,400万円 | 62件 |
| 2020年 | 1,400万円 | 53件 |
| 2021年 | 1,700万円 | 137件 |
| 2022年 | 1,900万円 | 141件 |
| 2023年 | 2,100万円 | 134件 |
| 2024年 | 2,000万円 | 148件 |
山川不動産の専門家
2019年〜2020年はいったん1,400万円まで下がり、2021年以降に取引件数が大きく増えながら上昇しています。ただ直近の2024年は前年の2,100万円から2,000万円へ約4.8%下がっています。8年単位では上昇、直近1年では小幅な下落という、両方の事実を押さえておく必要があります。
木村相談者
なるほど、「ずっと上がり続けてる」わけじゃないんですね。じゃあ今の2,000万円っていう数字、どこまで信用していいものなんですか?
山川不動産の専門家
いい質問です。2024年は148件の成約データがあって、価格のばらつきを示す指標(相対的な信頼区間の幅)も25%以内に収まっています。件数が十分にあるので、この2,000万円という中央値はそれなりに安定した数字だと言えます。
木村相談者
件数が少ないと、その分ブレやすいってことですよね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。2018年の47件のように件数が少ない年は、たまたま高い(安い)物件が多く売れただけでも中央値が動きやすくなります。2021年以降は年137〜148件と安定して多いので、その分カーブの信頼度も上がっています。
木村相談者
中央値だけじゃなくて、値段の幅みたいなものも分かるんですか?
山川不動産の専門家
はい。2024年の148件で見ると、価格の低い方から4分の1にあたる水準(p25)が1,400万円、高い方から4分の1にあたる水準(p75)が3,225万円でした。つまり同じ旭区・同じ年の取引でも1,400万円台から3,000万円超まで幅があるということです。中央値の2,000万円はあくまで真ん中の目安であって、木村さんの物件がどのあたりに位置するかは、この後の築年帯別の相場でもう少し絞り込んでいきましょう。
木村相談者
この幅って、昔からこんな感じだったんですか?
山川不動産の専門家
実は2017年の時点でも、p25が1,200万円・p75が2,075万円という幅がありました。2024年のp25(1,400万円)と比べると下限側は200万円ほどの上昇にとどまっている一方、p75は2,075万円から3,225万円まで1,000万円以上伸びています。つまりこの8年は、価格帯全体が一律に底上げされたというより、上位側の価格がより伸びたことで幅が広がったという動き方をしています。取引件数の推移も見てみましょうか。
取引件数の推移から分かること
山川不動産の専門家
先ほどの表の件数だけを見ると、2017〜2020年は年間47〜62件だったのが、2021年以降は137件以上に増えています。取引の母数が増えたこと自体が、相場を語りやすくなった理由でもあります。
木村相談者
取引が増えたのは何でなんでしょう。
山川不動産の専門家
そこは公的データからは断定できません。取引件数の増減にはいろんな要因が絡むので、ここでは「件数が増えて相場の精度が上がった」という事実だけお伝えしておきます。木村さんのマンションは築40年くらいとのことでしたが、築年数によって相場感はけっこう変わってきますよ。
木村相談者
そうなんですか。うちみたいな古い物件だと、やっぱり安くなっちゃうものなんですか?
築年帯別に見る相場 — 築40年ならどのくらいか
山川不動産の専門家
区全体の中央値だけでなく、築年帯ごとに分けて見ると木村さんの物件によりぴったりの相場が分かります。直近3年(2022〜2024年)のデータで、件数が十分にあって信頼できる帯だけをお伝えしますね。
| 築年帯 | 中央値 | 件数 |
|---|---|---|
| 〜築10年 | 3,500万円 | 66件 |
| 築21-30年 | 2,800万円 | 71件 |
| 築31年〜 | 1,500万円 | 235件 |
山川不動産の専門家
中央値だけでなく、それぞれの帯の価格の幅も見ておきましょう。〜築10年の帯は下位25%(p25)が2,900万円・上位25%(p75)が4,200万円で、価格のばらつきを示す相対CI幅は17.1%です。築21-30年の帯はp25が2,450万円・p75が3,000万円で相対CI幅10.7%、築31年〜の帯はp25が1,200万円・p75が1,900万円で相対CI幅6.7%でした。
木村相談者
相対CI幅っていうのが小さいほど、信頼できる数字ってことですか?
山川不動産の専門家
そのとおりです。相対CI幅が小さいほど、同じ帯の中でも価格のばらつきが小さく、中央値が代表値として当てになりやすいということを表しています。木村さんのように築31年以上の帯だと中央値は1,500万円で、この帯は235件と旭区の中では最も取引が多く、相対CI幅も3つの帯の中で最も小さい6.7%なので、数字としての安定感があります。区全体の中央値2,000万円だけを見て「うちも2,000万円くらいかな」と考えると、実際より高めに見積もってしまう可能性があるということです。
木村相談者
え、そうなんですね。区全体の数字だけ見てたら勘違いするところでした。築11〜20年の帯は表に無いんですね。
山川不動産の専門家
そこは件数はあるものの物件ごとの価格差が大きく、代表的な1つの数字として出すには根拠が弱いので、今回はあえて載せていません。データが語れる範囲だけを正確にお伝えする、というのがこのサイトの方針です。
木村相談者
誠実でありがたいです。じゃあうちの場合、まずは築年帯の相場を目安にすればいいんですね。
山川不動産の専門家
はい、そこがベースになります。次は旭区が大阪市内や大阪府内でどのくらいの位置にあるのか、比較して見てみましょう。
大阪府内・全国での旭区の位置づけ
山川不動産の専門家
旭区の中古マンション中央値2,000万円は、大阪府内で価格データが十分ある61市区中25番目、全国464市区中では217番目の水準です。ちょうど中位あたりですね。
木村相談者
平均と比べるとどうなんですか?
山川不動産の専門家
全国でデータが十分な市区の平均は約2,885万円、大阪府内の平均は約2,416万円なので、旭区の2,000万円は全国平均の約7割、府内平均の約8割強という水準です。府内でも比較的手が届きやすい価格帯と言えます。
木村相談者
上昇率の方はどうなんでしょう。さっき8年で33.3%って聞きましたけど。
山川不動産の専門家
上昇率でみると、データが十分な大阪府内34市区中14番目、全国217市区中115番目です。近隣区と比べてみましょう。
| エリア | 中央値 | 8年前比 |
|---|---|---|
| 鶴見区 | 3,000万円 | +50.0% |
| 城東区 | 2,800万円 | +40.0% |
| 都島区 | 2,600万円 | +18.2% |
| 旭区(この記事) | 2,000万円 | +33.3% |
| 東淀川区 | 1,700万円 | +0.0% |
木村相談者
隣の都島区より旭区の方が上昇率は高いのに、価格自体は旭区の方が安いんですね。
木村相談者
そう聞くと、今売った方がいいのかなって思っちゃいますね。
「売り時」をどう考えるか
山川不動産の専門家
ここまでのデータが示しているのは「上がってきた」という事実であって、「だから今すぐ売るべき」ということではありません。直近1年は下落もしていますし、木村さんの物件がちょうど築31年以上の帯にあるなら、区全体の数字よりもう少し落ち着いた水準が現実的な目安になります。
木村相談者
じゃあ、結局いつ売ればいいんでしょう?
山川不動産の専門家
それは木村さんの事情次第としか言えないんです。住み替えのタイミング、資金計画、他に検討していることがあるかどうか。価格データはあくまで「今の相場を知るための材料」であって、売却を後押しするための道具ではありません。データを知った上で、ご自身のタイミングで判断していただくのが一番です。
木村相談者
なるほど、分かりました。じゃあ実際に自分の物件がいくらになりそうか知りたい時はどうすればいいんでしょう?
相場を調べたら次にやること
山川不動産の専門家
ここまでの相場観を踏まえて、実際の査定額を見てみたいという場合の一般的な流れをお伝えしますね。
- 1相場を把握する — ここまで見てきた区全体・築年帯別の中央値を目安として押さえておく
- 2一括査定サイトで複数社に査定依頼 — 物件情報を入力すると複数の不動産会社から査定額の連絡が来る。1社だけだと相場から外れた金額を提示されても気づきにくい
- 3査定額を比較する — 提示された金額と、この記事で見た相場データを照らし合わせて妥当性を確認する
- 4必要であれば売却を進める — 査定額に納得できれば媒介契約へ。納得できなければ今回は見送るのも選択肢
木村相談者
査定を頼んだら、絶対売らないといけないってわけじゃないんですよね?
山川不動産の専門家
その通りです、査定は義務ではありません。相場を知る目的だけで利用しても問題ありませんし、査定額を見た上で「今回は見送る」という判断も十分にありです。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 大阪府大阪市旭区 |
| 対象種別 | 中古マンション |
| 対象データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース) |
| 直近中央値 | 2,000万円(2024年、148件) |
| 8年間の変化率 | +33.3% |
| 直近1年の変化率 | -4.8% |
| 出典 | 国交省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) 不動産取引価格情報 |
木村相談者
数字の出どころがはっきりしてるのは安心しますね。最後にいくつか気になることを聞いてもいいですか?
よくある質問
木村相談者
旭区の中古マンションって、これからも値上がりしていくんでしょうか?
山川不動産の専門家
それは公的データだけでは断定できません。過去8年は上昇してきましたが、直近1年は下落もしています。将来の価格を予測する材料としてではなく、あくまで過去の実績として受け止めていただくのが正確な使い方です。
木村相談者
築11〜20年のマンションを持ってるんですが、相場はどのくらいですか?
山川不動産の専門家
申し訳ないのですが、その帯は物件ごとの価格差が大きく、この記事では代表的な1つの数字としてお伝えできるだけのデータの安定感がありませんでした。区全体の中央値2,000万円や、前後の帯(〜築10年3,500万円、築21-30年2,800万円)を参考程度の目安として捉えていただくのが実態に近いと思います。
木村相談者
一括査定サイトに頼むと、しつこく営業されたりしませんか?
山川不動産の専門家
サイトによって対応は異なりますが、依頼後に複数社から連絡が来ること自体は一般的です。査定だけ利用して売却しない選択も可能ですし、気になる場合は連絡方法の希望を伝えられるサイトを選ぶといいでしょう。
木村相談者
査定額が、この記事で見た相場データとかなり違ったらどうすればいいですか?
山川不動産の専門家
よくあることなので焦らなくて大丈夫です。この記事の中央値は区全体・築年帯全体の集計なので、階数・向き・管理状態・リフォーム履歴といった個別要因までは反映していません。査定額とのズレが大きい場合は、複数社に査定理由を聞いてみると、どの要因が効いているか分かりやすくなります。
山川不動産の専門家
相場と実際の査定額を照らし合わせながら、木村さんのペースで検討を進めていただければと思います。
木村相談者
いろいろ分かってよかったです、ありがとうございました。