木村相談者
松阪市で戸建てを持ってるんですけど、そろそろ売却を考えてまして。この辺りの相場ってどんな感じなんでしょうか。
山川不動産の専門家
こんにちは。松阪市の中古戸建てですね。先にお伝えしておきたいのですが、松阪市は年間の成約件数自体は140件前後としっかりあるエリアです。ただ、その年ごとの中央値を見ると、かなり上下に振れます。これは件数が少ないからではなく、その年に成約した物件のタイプ(土地の広さや建物の状態など)がバラつくためです。なので、単年の増減を「上昇トレンド」「下降トレンド」と読むのは避けて、直近数年をまとめた相場水準として見ていくのが実態に合っています。
木村相談者
なるほど、件数はあるのに単年では読めないってことなんですね。
山川不動産の専門家
はい。国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)が公表している実際の成約データをもとに、分かっていることと分かっていないことをはっきり分けてお話ししますね。
松阪市 中古戸建ての直近の相場水準
山川不動産の専門家
まず直近の相場水準からです。2022年〜2024年の3年間をまとめたデータでは、松阪市の中古戸建ての中央値は790万円です。これは426件の成約実績をもとにした数字です。

木村相談者
790万円かあ。年ごとに見るとどう動いてるんですか?
山川不動産の専門家
そこが今回一番お伝えしたいポイントです。年別の中央値を並べると、2017年1,000万円、2018年825万円、2019年840万円、2020年1,100万円、2021年900万円、2022年700万円、2023年865万円、2024年650万円、という並びになります。数字だけだと分かりにくいので、成約件数と価格帯(下位25%〜上位25%)も合わせた表にしますね。
| 年 | 成約件数 | 下位25% | 中央値 | 上位25% |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | 142件 | 500万円 | 1,000万円 | 2,200万円 |
| 2018年 | 140件 | 400万円 | 825万円 | 1,800万円 |
| 2019年 | 121件 | 450万円 | 840万円 | 2,100万円 |
| 2020年 | 107件 | 395万円 | 1,100万円 | 2,200万円 |
| 2021年 | 126件 | 372.5万円 | 900万円 | 2,000万円 |
| 2022年 | 141件 | 350万円 | 700万円 | 1,600万円 |
| 2023年 | 138件 | 452.5万円 | 865万円 | 2,000万円 |
| 2024年 | 147件 | 245万円 | 650万円 | 1,550万円 |
木村相談者
えっ、2019年から2020年で結構上がって、2022年から2023年でまた上がって、2024年でまた下がってますね。何かあったんですか?
山川不動産の専門家
そこが件数ではなく物件ごとの価格の幅の大きさの影響です。松阪市は年間107〜147件と、単年トレンドを語るには十分な件数が成約していますが、成約した戸建ての土地面積や建物の状態が年によって大きく異なるため、中央値だけを追うと実態以上に上下しているように見えてしまいます。実際、2022年の下位25%と上位25%の価格帯を見ると350万円から1,600万円、2024年は245万円から1,550万円と、同じ年の中でも物件によって数倍の開きがあります。
木村相談者
そもそも、なんで戸建てだけこんなに幅が大きくなるんですか?マンションだとそこまで振れないイメージなんですが。
山川不動産の専門家
いい着眼点です。中古マンションは専有面積・築年・間取りがある程度規格化されているので、同じ年に成約した物件同士でも比較的近い水準に収まりやすいんです。一方で戸建て(宅地)は、土地の面積や形状、建物の構造(木造・鉄骨など)、建て替え前提で土地値だけで取引される老朽化した物件から、状態の良い築浅の物件まで、成約する物件そのものの個体差がもともと大きいカテゴリです。松阪市の2024年の実績で言うと、下位25%が245万円、上位25%が1,550万円という開きは、「建物の価値がほぼなく土地の価格が中心の物件」と「まだ十分に使える状態の物件」が同じ年に混在して成約している、ということを表しています。147件という件数自体は十分でも、この個体差が中央値の上下動として現れます。
木村相談者
分かりました。じゃあ結局、いくらくらいで考えればいいんでしょう。
山川不動産の専門家
そういう時こそ、単年ではなく複数年をまとめた数字を見るのがおすすめです。2022年〜2024年の3年間・426件をまとめると中央値790万円になります。年ごとの価格帯(下位25%〜上位25%)を並べると、2022年は350万〜1,600万円、2023年は約453万〜2,000万円、2024年は245万〜1,550万円というレンジで、いずれも上下の幅が広いのが松阪市の特徴です。
木村相談者
そのレンジって、どのくらい信用していい幅なんですか?
山川不動産の専門家
いい質問ですね。この3年間・426件の中央値については、統計的なばらつきの幅がおよそ72.3%あります。取引件数がしっかり揃っている市区町村でも、物件の個別差が大きいとこの幅は広がります。松阪市の場合は件数自体は十分あるのですが、成約した戸建てのタイプ(古い平屋から比較的新しい建物まで)の幅が広いために、この数字になっています。件数が少ないから読めないのではなく、物件の個性が強く出る街、というのが松阪市の実態に近い言い方です。
木村相談者
この72.3%っていう数字は、具体的にはどうやって出してるんですか?
山川不動産の専門家
直近3年・426件の中央値のまわりに、統計的にどれくらいの幅(信頼区間)があるかを相対的な割合として計算したものです。この幅が大きいほど、「今回たまたま集計された中央値が、次に成約する物件の顔ぶれ次第で上下にぶれやすい」ということを意味します。目安として、この幅が十分小さい市区町村であれば、単年の増減を「上昇傾向」「下降傾向」と言ってもある程度信頼できます。ただ松阪市のように72.3%まで広がっていると、年ごとの中央値の増減を方向性として扱うのは統計的に無理があります。だからこそ、この記事では単年の増減ではなく、直近3年をまとめた相場水準を軸にしています。
木村相談者
あと、別のサイトで「10年後にはこれくらいの価格になる」ってAIが予測してるページも見たんですが、それはどう考えればいいんですか?
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では将来の価格を予測することはしていません。将来推計モデルは、人口や地価がどう推移するかという想定シナリオの置き方次第で結果が変わりますし、松阪市のように物件ごとの価格差がもともと大きいエリアでは、前提条件が少し変わるだけで予測結果も大きく振れやすい性質があります。この記事でお伝えしているのは、国土交通省が公表している実際に成約した過去の取引データだけです。将来がどうなるかを言い当てることではなく、「これまで何が起きてきたか」を正確にお伝えすることに役割を絞っています。
木村相談者
なるほど、予測をしないっていうのも、この記事の方針なんですね。
山川不動産の専門家
そうです。将来を見通しにいくと、当たるかどうか分からない仮定がどうしても混ざります。事実として分かっていること(過去の取引実績)と、判断はご自身の事情次第であるという整理を、はっきり分けてお伝えするのがこの記事のスタンスです。
木村相談者
さっき別のサイトも見たんですが、「今が売り時です」ってはっきり書いてあるところもあったんです。この記事はそこまで言い切らないんですね。
山川不動産の専門家
そこは意図的にそうしています。松阪市のように物件ごとの価格差が大きいエリアで、半年や1年の短い期間の増減だけを見て「今が売り時」と言い切るのは、実態よりも踏み込みすぎだと考えています。この記事では、事実として分かっている数字(相場水準・件数・ばらつきの大きさ)をそのままお伝えして、売るかどうかの判断はご自身の状況に照らして決めていただく方針にしています。
取引状況(成約件数)
山川不動産の専門家
続いて、件数そのものについてです。2024年の1年間の成約件数は147件でした。過去8年の年間件数を見ても107〜147件の範囲で推移していて、大きく増えたり減ったりはしていません。
| 年 | 成約件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 2022年 | 141件 | 700万円 |
| 2023年 | 138件 | 865万円 |
| 2024年 | 147件 | 650万円 |
木村相談者
件数自体は安定してるんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。「取引が枯れている」わけでも「急に増えている」わけでもなく、年140件前後の成約が継続的にある街、という理解が正確です。件数の面では相場を語るのに十分なボリュームがあります。次は、松阪市がどのくらいの相場水準の街なのか、近隣と比べてみましょう。
近隣・県内との比較
山川不動産の専門家
松阪市の中古戸建ての価格帯を、三重県内の順位で見ると、県内10市区中6位です。全国では691市区町村中629位という位置づけになります。

木村相談者
隣の津市とかと比べるとどうなんですか?
山川不動産の専門家
県庁所在地の津市は直近の相場水準が1,100万円で、松阪市の790万円より300万円ほど高い水準です。もう少し北にある四日市市は三重県最大の都市で1,900万円、松阪市よりだいぶ高めです。
木村相談者
逆に松阪市より低いところもあるんですか?
木村相談者
せっかくなので、三重県内の他の市も全部並べてもらえますか?
山川不動産の専門家
もちろんです。松阪市を含めて、三重県内で相場が分かっている10市区を安い順に並べるとこうなります。
| 市区町村 | 直近相場水準 | 松阪市との差 |
|---|---|---|
| 志摩市 | 300万円 | -490万円 |
| 名張市 | 500万円 | -290万円 |
| 伊賀市 | 500万円 | -290万円 |
| 伊勢市 | 700万円 | -90万円 |
| 松阪市 | 790万円 | (基準) |
| 津市 | 1,100万円 | +310万円 |
| 亀山市 | 1,500万円 | +710万円 |
| 鈴鹿市 | 1,600万円 | +810万円 |
| 四日市市 | 1,900万円 | +1,110万円 |
| 桑名市 | 2,000万円 | +1,210万円 |
木村相談者
松阪市はちょうど真ん中よりやや下、くらいの位置なんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。三重県は北勢エリア(桑名市・四日市市・鈴鹿市・亀山市)が高めで、中南勢エリア(松阪市・伊勢市・名張市)は抑えめ、という地域差がはっきり出ています。松阪市は中南勢エリアの中では真ん中くらいの水準です。
木村相談者
位置づけは分かりました。うちの実際の物件だと、どのくらいの幅で考えればいいんでしょうか。
山川不動産の専門家
そこはもう少し細かい話になります。次は、この相場水準をどう受け止めて、売却のタイミングを考えるかという話をしましょう。
「売り時」をどう考えるか
山川不動産の専門家
ここまでお話しした数字をまとめると、松阪市の中古戸建ては、物件ごとの価格差が大きいため、単年での明確な上昇/下降トレンドを語れる状態ではない、というのが正直なところです。ただ、直近3年の相場水準(790万円)や、県内・全国での位置づけ、隣接する津市・伊勢市との価格差は、事実として押さえておける材料です。
木村相談者
これだけ見て、今売った方がいいとかって言えるものなんですか?
山川不動産の専門家
それは言えません、というのが正直な答えです。松阪市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは、市況の数字だけで売却のタイミングを判断するのは無理があります。ご自宅の築年数・状態・土地の形状、それに住み替えや資金計画といった個別の事情のほうが、この街では影響が大きいです。
木村相談者
個別の事情って、具体的にはどういうことを考えればいいんですか?
山川不動産の専門家
いくつか例を挙げますね。住宅ローンが残っている場合は、残債と査定額の見込みを比べて売却後に手元にいくら残るかを先に確認しておくことが大切です。相続で取得した家であれば、相続税の申告期限や、空き家のまま持ち続けると固定資産税の負担が続くことも判断材料になります。住み替えが目的なら、次の住まいの購入・引き渡しのタイミングと、今の家の売却タイミングをどう合わせるかも重要です。それから、松阪市のように土地の広さや建物の状態が物件ごとに大きく異なるエリアでは、同じ「790万円」という相場水準でも、実際の物件によって数百万円単位で評価が変わることも珍しくありません。
木村相談者
相場の数字だけだと、自分の家がどうなのかは分からないってことですね。
山川不動産の専門家
その通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの家がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。市況のデータは判断材料の一つとして持っておいて、最終的な判断はご自身の状況に照らして決めていただくのがいいと思います。
木村相談者
なるほど。じゃあ実際に自分の家がいくらになるのか知りたい時は、どうすればいいですか?
山川不動産の専門家
そこは相場を調べるのとは別の一歩になるので、査定の流れを整理しますね。
相場を調べたら次にやること
山川不動産の専門家
ここまでの相場感を踏まえて、実際の査定額を知りたくなったら、次のようなステップで進めるのが一般的です。
- 1相場水準を把握する — ここまで見てきた790万円という相場水準を、まず自分の中の目安として持っておきます。
- 2不動産一括査定サービスに申し込む — 記事末尾で紹介する複数の査定サービスから、気になるものを選んで申し込みます。査定は義務ではないので、気になった時点で試すくらいで問題ありません。
- 3複数社の査定額を比較する — 一社だけでなく複数社の査定額を見比べることで、相場からの乖離や、査定額の根拠を確認しやすくなります。
- 4タイミングは個別事情に合わせて決める — 査定額と市況を踏まえつつ、住み替えや資金計画など、ご自身のスケジュールに合わせて売却時期を決めます。
木村相談者
分かりました。査定を受けるのは義務じゃなくて、まず知る手段って感じなんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。最後に、この記事で使ったデータの出どころをまとめておきます。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 三重県松阪市 |
| 対象種別 | 中古戸建て(宅地・住宅用) |
| データ期間 | 2017年〜2024年(直近相場は2022〜2024年の3年間集計) |
| データ件数 | 直近3年で426件 |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報 |
木村相談者
ありがとうございます。数字の見方が分かってよかったです。
山川不動産の専門家
こちらこそ、実際に売却を検討される際は、今日お話しした相場水準を目安にしつつ、査定サービスで実勢価格も確認してみてください。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか気になったことを聞いてもいいですか?
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村相談者
松阪市の中古戸建ては、上がってるんですか下がってるんですか?
山川不動産の専門家
8年間のデータを見る限り、一貫して上がっている、あるいは下がっているとは言えません。年ごとの振れ幅が大きく、直近3年をまとめた相場水準としては790万円前後、というのが今言える範囲です。
木村相談者
なんで松阪市はこんなに年ごとの数字が上下するんですか?
山川不動産の専門家
件数が少ないからではなく、成約した戸建ての土地面積や建物の状態が年によって大きく異なるためです。年間107〜147件と件数自体はしっかりありますが、物件の個性が強く出るぶん、中央値だけを見ると上下に振れて見えます。
木村相談者
他のサイトに書いてあった「今が売り時」って本当なんですか?
山川不動産の専門家
それは分かりません、というのが正直な答えです。松阪市のように物件ごとの価格差が大きいエリアで、短い期間の増減だけを根拠に売り時を断定するのは実態よりも踏み込みすぎだと考えています。この記事では事実として分かっている数字だけをお伝えして、判断はご自身の状況に照らして決めていただく方針にしています。
木村相談者
査定って本当に無料なんですか?
山川不動産の専門家
記事末尾で紹介する一括査定サービスは、利用者側の費用負担なく利用できるのが一般的です。ただし各サービスの詳細な利用条件は、申し込み前にそれぞれの公式サイトで確認してください。
木村相談者
他のサイトにあった「10年後の価格予測」みたいなのは、この記事には出てこないんですね。
山川不動産の専門家
はい、意図的に出していません。将来推計は前提条件次第で結果が変わりやすく、特に松阪市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは振れ幅も大きくなりがちです。この記事では国土交通省が公表している実際の過去の取引データだけをお伝えし、将来の価格を言い当てることはしない方針にしています。
査定額を確認する
木村相談者
ありがとうございました。相場観を持った上で、査定も試してみます。
山川不動産の専門家
はい、それが一番良い進め方だと思います。