木村
木村相談者
犬山市で戸建てを持ってるんですけど、そろそろ売却も考えていて。このあたりの中古戸建てって、今どのくらいの相場なんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
こんにちは。犬山市の中古戸建てですね。先にお伝えしておきたいのですが、犬山市は年間の取引件数自体はしっかりある一方で、戸建て1件ごとの価格の幅がかなり広いエリアです。なので「今年は前の年より○%上がった/下がった」と単年で言い切るのは避けて、複数年をまとめた相場水準としてお伝えするのが実態に合っています。
木村
木村相談者
件数はあるのに、断定はしないってどういうことですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが今日いちばんお伝えしたいところです。国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)が公表している実際の成約データをもとに、分かっていることと、単年では言い切れないことをはっきり分けてお話ししますね。
木村
木村相談者
相場観って、一括査定サイトとかにもよく載ってる気がするんですけど、あれと何が違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは大事な違いです。不動産サイトの多くが載せている「相場」は、今まさに売りに出されている物件の掲載価格(売り出し価格)を集計したものだったり、直近半年程度の短い期間だけを比較しているケースが目立ちます。売り出し価格は交渉が始まる前の希望額なので、実際に売買が成立した金額とは違うことが少なくありません。今日お話しするのは、実際に契約が成立した成約価格を国が集計したデータです。過去8年分をまとめて見られるので、一時点の売り出し価格だけでは分からない値動きの実態がつかめます。
木村
木村相談者
同じ「相場」でも、見ているものが違うんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい。だからこそ「直近半年で下がっているから今のうちに」といった短期の値動きだけでの判断はおすすめしません。実際に売れた価格を複数年でまとめて見た方が、実態に近い相場観が持てます。

犬山市 中古戸建ての直近の相場水準

山川
山川不動産の専門家
まず相場水準からです。2022年〜2024年の3年間をまとめたデータでは、犬山市の中古戸建ての中央値は2,600万円です。これは181件の成約実績をもとにした数字です。
犬山市 中古戸建て 年別中央値の推移
犬山市 中古戸建て 年別中央値の推移
木村
木村相談者
2,600万円かあ。年ごとに見るとどう動いてるんですか?
山川
山川不動産の専門家
年別の中央値を並べると、2017年1,900万円、2018年2,000万円、2019年2,500万円、2020年2,350万円、2021年2,500万円、2022年2,700万円、2023年2,250万円、2024年2,700万円、という並びになります。
木村
木村相談者
上がったり下がったりで、あんまり一直線じゃないですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。ここが犬山市の特徴です。この動きは、件数が少なくてたまたま偏ったわけではありません。犬山市の年間成約件数は45件〜72件と、しっかり確保できています。戸建ては同じ市内でも土地の広さや築年数の幅がマンションより大きく、同じ1年の中で安い物件と高い物件の差がかなり開きます。実際、2024年の1年間だけを見ても、成約価格の下位25%は1,300万円、上位25%は3,200万円と、2倍以上の幅に収まっています。
木村
木村相談者
それだけ幅があると、年の中央値だけ見ても意味がないってことですか?
山川
山川不動産の専門家
「意味がない」とまでは言いませんが、単年の増減を市場のトレンドとして読むのは誤りです。たとえば2022年の2,700万円から2023年の2,250万円は下落に見えますが、翌2024年は2,700万円に戻っています。これは犬山市の相場が1年で下がってまた上がった、というより、その年にどんな広さ・築年数の物件が成約したかによって中央値が振れているという方が実態に近いです。
木村
木村相談者
じゃあ結局、いくらくらいで考えればいいんでしょう。
山川
山川不動産の専門家
そういう時こそ、単年ではなく複数年をまとめた数字を見るのがおすすめです。2022年〜2024年の3年間・181件をまとめると中央値2,600万円です。価格帯の目安としては、直近1年(2024年)の実績で見ると、成約価格の下位25%が1,300万円、上位25%が3,200万円というレンジに収まっています。ここまでを「犬山市の中古戸建ての相場感」としてお伝えするのが誠実だと思っています。
木村
木村相談者
そのレンジって、どのくらい信用していい幅なんですか?
山川
山川不動産の専門家
いい質問ですね。2024年単年の中央値については、統計的なばらつきの幅がおよそ33.3%あります。取引件数がしっかり揃っていても、戸建てのように1件ごとの個性(土地の形・広さ・築年数)が大きい種別では、この幅が広がりやすい傾向があります。これが、犬山市の数字を「はっきりしたトレンド」ではなく「参考値」として扱っている理由です。件数が少ないから、ではなく、物件ごとの価格差が大きいから、という点が犬山市の場合のポイントです。
木村
木村相談者
なるほど、件数不足とは違う理由なんですね。次は、それがどれくらいの水準なのか、周りの市と比べてみたいです。

取引状況(成約件数)

山川
山川不動産の専門家
続いて、件数そのものについてです。2024年の1年間の成約件数は50件でした。過去8年の年間件数を見ても45件〜72件の範囲で推移していて、大きく減ってはいません。
成約件数中央値
2022年65件2,700万円
2023年66件2,250万円
2024年50件2,700万円
木村
木村相談者
件数自体は安定してるんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい。犬山市の年45件〜72件というのは、単年でも一定のボリュームがある水準です。それでも中央値がぶれるのは、件数の問題ではなく、戸建てという種別そのものが持つ価格の幅の広さが理由です。次は、この相場水準が県内でどのくらいの位置づけなのか見てみましょう。

県内との比較

山川
山川不動産の専門家
犬山市の中古戸建ての価格帯を、愛知県内の順位で見ると県内55市区町村中39位です。全国では691市区町村中282位という位置づけになります。
愛知県内 中古戸建て価格の比較(犬山市・春日井市・安城市・刈谷市)
愛知県内 中古戸建て価格の比較(犬山市・春日井市・安城市・刈谷市)
木村
木村相談者
同じくらいの順位の市もあるんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい、興味深いところです。犬山市と同じ中央値2,600万円の順位帯には一宮市(データの揃ったエリアで過去8年約3.7%下落)、瀬戸市(データの揃ったエリアで過去8年約4.0%上昇)、半田市(犬山市と同じく参考値扱い)が並んでいます。同じ価格水準でも、一宮市と瀬戸市は取引データが十分でトレンドを語れる一方、犬山市と半田市は物件ごとの価格差が大きく参考値扱いという違いがあります。
木村
木村相談者
価格は同じくらいでも、扱いが違うんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。次に、価格帯が上のエリアも見てみましょう。隣接する春日井市は中央値3,300万円・過去8年で約10.0%上昇、安城市は中央値3,850万円・過去8年で約3.8%下落、刈谷市は中央値4,200万円・過去8年で約5.0%上昇と、犬山市より1,000万円前後高い水準です。犬山市の2,600万円は、これらの都市部寄りのエリアと比べると抑えめの水準と言えます。
木村
木村相談者
意外と幅がありますね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。同じ愛知県内でも、2,600万円から4,200万円まで開きがあります。これは、名古屋都心へのアクセスや、駅からの距離、宅地の広さの傾向など、市町村ごとの個別事情が大きいからです。なので「県内39位」という順位だけを見て一喜一憂するより、実際に近い水準の市町村と並べて眺めるほうが実態がつかみやすいと思います。
木村
木村相談者
位置づけは分かりました。次は、この水準をどう受け止めて売却のタイミングを考えるか、聞いてもいいですか。
山川
山川不動産の専門家
もちろんです。次の章でお話ししましょう。

「売り時」をどう考えるか

山川
山川不動産の専門家
ここまでお話しした数字をまとめると、犬山市の中古戸建ては、単年での明確な上昇/下降トレンドを語れるほど価格のばらつきが小さくない、というのが正直なところです。ただ、直近3年の相場水準(2,600万円)や、県内・全国での位置づけ、隣接する春日井市・安城市・刈谷市との価格差は、事実として押さえておける材料です。
木村
木村相談者
これだけ見て、今売った方がいいとかって言えるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
それは言えません、というのが正直な答えです。犬山市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは、市況の中央値だけを見て売却のタイミングを判断するのは無理があります。ご自宅の土地の広さ・築年数・立地、それに住み替えや資金計画といった個別の事情のほうが、この価格の幅が大きい市場では影響が大きいです。
木村
木村相談者
個別の事情って、具体的にはどういうことを考えればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
いくつか例を挙げますね。住宅ローンが残っている場合は、残債と査定額の見込みを比べて、売却後に手元にいくら残るかを先に確認しておくことが大切です。相続で取得した家であれば、相続税の申告期限や、空き家のまま持ち続けると固定資産税の負担が続くことも判断材料になります。住み替えが目的なら、次の住まいの購入・引き渡しのタイミングと、今の家の売却タイミングをどう合わせるかも重要です。それから、犬山市のように土地の広さや形状、駅からの距離が物件ごとに大きく異なるエリアでは、同じ「2,600万円」という相場水準でも、実際の物件によって数百万円単位で評価が変わることも珍しくありません。
木村
木村相談者
相場の数字だけだと、自分の家がどうなのかは分からないってことですね。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの家がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。市況のデータは判断材料の一つとして持っておいて、最終的な判断はご自身の状況に照らして決めていただくのがいいと思います。
木村
木村相談者
なるほど。じゃあ実際に自分の家がいくらになるのか知りたい時は、どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは相場を調べるのとは別の一歩になるので、査定の流れを整理しますね。

相場を調べたら次にやること

山川
山川不動産の専門家
ここまでの相場感を踏まえて、実際の査定額を知りたくなったら、次のようなステップで進めるのが一般的です。
  1. 1相場水準を把握する — ここまで見てきた2,600万円という直近3年の相場水準と、1,300万円〜3,200万円という価格帯のレンジを頭に入れておきます。
  2. 2一括査定サービスに申し込む — 複数社に一度で査定を依頼できるサービスを使うと、1社だけに聞くより価格の幅を把握しやすくなります。
  3. 3複数社の査定額を比べる — 提示された金額の根拠(周辺の成約事例・土地の評価方法など)を確認しながら比較します。
  4. 4納得できたら仲介を依頼する、できなければ様子を見る — 査定を受けたからといって、必ず売る必要はありません。
木村
木村相談者
査定を受けても、売らなくていいんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい、そこは強調しておきたい点です。査定はあくまで今の実勢価格を知るための情報収集で、契約でも義務でもありません。以下のようなサービスで、まずは相場と実額を確かめたうえでご自身のペースで判断すれば大丈夫です。
山川
山川不動産の専門家
最後に、今回の記事で使った数字の出典と集計方法を一覧にまとめておきますね。

この記事のデータについて

項目内容
対象エリア愛知県犬山市
対象種別中古戸建て(宅地・土地と建物、用途は住宅)
データ期間2017年〜2024年(成約価格ベース)
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)
集計方法年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール
データの十分性参考値扱い(単年の相対信頼区間幅33.3%、物件ごとの価格差が大きいため)
2024年取引件数50件(3年プールでは181件)
将来人口データ現時点で未収集(データ整備後に追記予定)
木村
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は数字で整理できてスッキリしました。
山川
山川不動産の専門家
犬山市の相場は直近3年で2,600万円前後、物件ごとの価格の幅が大きいため単年のトレンドは断定しないという状況です。県内では39位/55、隣接する春日井市・安城市・刈谷市よりは抑えめの水準です。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。より広いエリアの相場は愛知県の売り時判定記事一覧でも比較できます。最後によくある質問もまとめておきますね。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川
山川不動産の専門家
どうぞ。犬山市の戸建て売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や現在売り出し中の物件から推定した価格ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村
木村相談者
犬山市の戸建て相場はいくらくらいですか?
山川
山川不動産の専門家
2022年〜2024年の3年間をまとめた中央値は2,600万円です。ただし戸建ては土地の広さ・築年数・延床面積で価格差が大きく、2024年のデータでは1,300万円〜3,200万円まで幅があります。
木村
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは正直にお伝えすると、単年では方向を断定できません。2017年1,900万円→2024年2,700万円という並びだけ見ると上昇に見えますが、2022年2,700万円→2023年2,250万円→2024年2,700万円と上下していて、物件ごとの価格差の影響が大きいため、8年間で一貫した上昇/下降トレンドとは言えない状態です。
木村
木村相談者
このデータはどれくらい信頼できるんですか?
山川
山川不動産の専門家
2024年単年の相対信頼区間幅は33.3%で、取引データが十分とみなす基準(25%以下)を上回っています。年間50件という取引件数自体はしっかりありますが、戸建ては1件ごとの個性(土地の形・広さ・築年数)が大きいため、単年の中央値だけでは方向を語りにくい種別です。だからこそ2022〜2024年の3年プールでの相場水準としてお伝えしています。
木村
木村相談者
他の不動産系のサイトだと、犬山市の相場がもっと違う金額で出てくることがあるんですが、なぜですか?
山川
山川不動産の専門家
サイトによって何を集計しているかが違うからです。現在売り出し中の物件情報から推定価格を独自に算出しているサイトや、直近1年など短い期間だけを切り取って動向を紹介しているサイトもあります。本記事は国交省の成約価格を8年分並べ、単年の信頼度(相対信頼区間幅)まで確認したうえで中央値を集計しているので、短期的な動きだけに左右されにくい数字だと考えてください。
木村
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川
山川不動産の専門家
現時点で犬山市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
査定は無料ですか?
山川
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。