木村相談者
すみません、大府市で戸建てに住んでるんですけど、売ろうかどうか迷ってて。今ってどうなんでしょう、高く売れそうな感じですか?
山川不動産の専門家
はい、大府市の中古戸建てのデータを一緒に見ていきましょう。先に言っておくと、大府市は1年ごとの価格の振れ幅が大きいエリアなので、「今年はいくら」と単純には言い切れないんです。まずはその理由からお話ししますね。
大府市の中古戸建て、価格の動きを数字で見る
木村相談者
振れ幅が大きいって、どういうことですか?
山川不動産の専門家
大府市はJR東海道本線の大府駅周辺のような駅に近い住宅地と、少し離れた地域とで土地の条件がかなり違うんです。そのぶん、同じ年に取引された戸建てでも価格の散らばりが大きくなります。まずは実際の数字を見てもらったほうが早いですね。

山川不動産の専門家
これは国交省の不動産情報ライブラリに登録されている、実際に成約した戸建ての取引データを年ごとにまとめたものです。棒の真ん中の線が中央値、棒の上下が価格帯(下位25%〜上位75%の範囲)を表しています。
| 年 | 取引件数 | 中央値 | 価格帯(25%〜75%) |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 51件 | 3,600万円 | 3,000万円〜3,950万円 |
| 2018年 | 63件 | 4,000万円 | 3,000万円〜4,750万円 |
| 2019年 | 57件 | 4,000万円 | 3,500万円〜4,800万円 |
| 2020年 | 61件 | 3,600万円 | 3,100万円〜4,500万円 |
| 2021年 | 70件 | 4,000万円 | 2,825万円〜4,775万円 |
| 2022年 | 39件 | 4,000万円 | 3,450万円〜4,900万円 |
| 2023年 | 46件 | 3,950万円 | 3,300万円〜4,700万円 |
| 2024年 | 56件 | 4,600万円 | 3,400万円〜5,500万円 |
木村相談者
へえ、2024年は4,600万円まで上がってるんですね。じゃあ順調に値上がりしてるってことですか?
山川不動産の専門家
そう単純には言えないんです。2017年の中央値3,600万円と2024年の4,600万円を比べると約27.8%の差にはなるんですが、表をよく見てください。たとえば2021年は価格帯が2,825万円〜4,775万円、2024年は3,400万円〜5,500万円と、どちらの年も価格帯がかなり重なっています。つまり「毎年きれいに右肩上がり」というより、もともと価格のばらつきが大きいエリアで、年ごとの中央値も上下している、という見え方が正確です。
木村相談者
なるほど、1年だけ見て一喜一憂しちゃダメってことなんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。直近3年、2022年から2024年をまとめると、取引件数は141件、中央値は4,100万円です。この「直近3年まとめ」の数字のほうが、単年の数字より参考にしやすいと思います。ただ、なぜ単年の数字だとここまで振れてしまうのか、もう少し詳しく見ておくと後々の判断に役立つので、次にその理由を掘り下げてみましょう。
なぜ単年の数字だけで判断できないのか
木村相談者
さっきの「価格帯が重なってるから、上昇・下降を断定できない」っていうところ、もう少し詳しく知りたいです。
山川不動産の専門家
いいですよ。まず大前提として、表の中央値は「その年にたまたま取引された物件」から出た数字です。大府市は駅に近い土地と少し離れた土地で条件差が大きいので、その年にどちらのタイプの物件が多く取引されたかによって、中央値そのものが動いてしまうんです。表の年ごとの価格帯を、いくつか具体的に比べてみましょう。
木村相談者
具体的にっていうと?
山川不動産の専門家
たとえば2018年は63件で中央値4,000万円、価格帯は3,000万円〜4,750万円でした。2020年は61件で中央値3,600万円、価格帯は3,100万円〜4,500万円です。件数はほぼ同じなのに中央値は400万円違いますが、2020年の価格帯は2018年の価格帯にほぼすっぽり収まっています。つまり「2020年に相場が下がった」というより、その年にたまたま価格帯の下寄りの物件が多く取引された、という見方のほうが実態に近いんです。
木村相談者
へえ、下がったというより、混ざり方が違っただけってことなんですね。
山川不動産の専門家
そうです。もう一つ、2019年と2023年も比べてみましょう。2019年は57件で価格帯3,500万円〜4,800万円、2023年は46件で価格帯3,300万円〜4,700万円と、4年離れているのにほとんど同じ範囲に収まっています。一方で、8年間で最も件数が多い2021年(70件)は価格帯が2,825万円〜4,775万円と、8年間で最も幅の広い年でもあります。件数が多いからといって価格帯が狭まるわけではない、というのも大府市の特徴です。
木村相談者
件数が多くても、ばらつきは減らないんですね。じゃあ、一番中央値が高かった2024年も、実は特別なことじゃないんですか?
山川不動産の専門家
そのとおりです。2024年は価格帯が3,400万円〜5,500万円で、8年間で最も幅の広い年でした。ただこの価格帯の下のほうは、2019年の価格帯の中にすっぽり収まる水準なんです。つまり2024年も「相場全体が底上げされた」というより、高めの物件と低めの物件が両方とも混ざって取引され、たまたま中央値を押し上げた可能性を否定できません。ここが、大府市の中古戸建てについて単年の「上昇」「下降」を言い切らない理由です。
木村相談者
なるほど、じゃあ結局、自分の家がいくらで売れそうかは、この年次の数字だけじゃ分からないってことですよね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。年次の数字は「このエリア全体としてどのくらいの価格帯で取引されているか」の目安であって、個別の物件がその中のどのあたりに位置するかは、駅からの距離や土地の形、築年数によって変わります。この特徴を踏まえたうえで、次は取引件数そのものの中身を見ていきましょう。
取引件数から見た大府市のデータの性質
木村相談者
件数って、そんなに大事なんですか?
山川不動産の専門家
はい。件数が少ない年ほど、たまたま高い物件・安い物件が混ざっただけで中央値がぶれやすくなります。大府市の場合、2017年〜2024年の8年間で合計443件の戸建て取引があり、件数自体は年39〜70件とそれなりにあります。ただ、大府市は土地条件の差が大きいぶん、件数があっても価格のばらつきは残る、というタイプのエリアなんです。
木村相談者
件数は少なくないのに、ばらつきは大きいってことなんですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。だから大府市は「取引が少なくて相場が読めない」のではなく、「取引はそこそこあるけど、物件ごとの個性が強くて単年の平均に振り回されやすい」エリア、という整理になります。
木村相談者
ちなみに、この「中古戸建て」ってどこまで含まれるんですか?土地だけの取引とかも入ってるんでしょうか。
山川不動産の専門家
いえ、このページで扱っているのは土地と建物がセットになった住宅・共同住宅用途の取引だけです。農地や林地、建物のない土地単体の取引は含めていません。集計の対象をそろえないと、他の市区町村と比べたときに数字の意味がずれてしまうので、そこは統一しています。この性質を踏まえたうえで、次は大府市が愛知県の中でどのくらいの位置にあるかを見てみましょう。
大府市は愛知県の中でどのくらいの水準か
木村相談者
大府市の4,100万円って、高いんですか安いんですか?
山川不動産の専門家
数字で比べてみましょう。大府市の中古戸建ての中央値(直近3年)は、記事化している愛知県内55市区町村の中古戸建てのうち10位、記事化対象の全国691市区町村の中では90位という水準です。

| エリア | 中古戸建て中央値 | 備考 |
|---|---|---|
| 大府市 | 4,100万円 | 直近3年(2022〜2024年)の参考値 |
| 半田市 | 2,600万円 | 直近の相場を参考値として掲載 |
| 名古屋市緑区 | 4,100万円 | 過去8年で約7.9%の上昇(取引が十分ある区分) |
木村相談者
大府市と緑区、同じくらいの水準なんですね。
山川不動産の専門家
はい、金額としては近い水準です。ただし性質は違っていて、緑区は取引が十分にあって年単位のトレンドを提示できる区分になっていますが、大府市は今お話ししたとおり物件ごとの価格差が大きいため、緑区のように「8年でどのくらい上がった」という言い切り方はしていません。同じ4,100万円でも、その数字の背景にある確からしさが違う、という点は覚えておいてもらえるといいですね。
山川不動産の専門家
ここまでで大府市の価格水準がどのあたりに位置するかは分かったので、次はこの数字をどう売り時の判断に活かせるか考えてみましょう。
売り時をどう考えるか
木村相談者
結局、大府市の戸建てって、今売るのが得なんですか?
山川不動産の専門家
そこは私からは断定できないんです。大府市の中古戸建ては、ここまで見てきたとおり価格の水準自体は県内でも中位より上ですが、単年の数字がぶれやすいエリアなので、「今が一番高いタイミング」と言い切れるだけの安定したデータではありません。
木村相談者
じゃあ何を基準に考えればいいんでしょう?
山川不動産の専門家
私がいつもお伝えしているのは、価格の水準はあくまで判断材料のひとつで、いつ売るかを決めるのはご自身の事情だということです。住み替えのタイミング、次の住まいの資金計画、お子さんの学校の区切りなど、価格以外の要素のほうが大きいことも多いんです。
木村相談者
なるほど、価格だけじゃなくて自分の事情とセットで考えるんですね。
山川不動産の専門家
そうです。価格の水準を知ったうえで、実際にご自宅がいくらで売れそうかを確認するには、次にお話しする査定という手順が参考になります。
相場を調べたら次にやること
木村相談者
相場感はなんとなく掴めました。次は何をすればいいんでしょう?
山川不動産の専門家
大まかな相場をつかんだら、次はご自宅そのものの査定額を確認する段階です。同じ大府市内でも、駅からの距離や土地の形、築年数によって査定額はかなり変わってきます。
- 1相場を確認する — ここまで見てきたような市区町村単位の中央値や価格帯で、大まかな水準をつかみます。
- 2一括査定サイトに申し込む — 記事末尾のようなサービスで、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。
- 3複数社の査定額を比較する — 会社によって査定額や得意なエリアが異なるため、1社だけで判断しないことが大切です。
- 4気になる会社と訪問査定・面談を行う — オンライン査定はあくまで概算なので、実際に見てもらう段階で金額が変わることもあります。
- 5媒介契約を結ぶかどうか検討する — 査定を受けたからといって、その場で契約や売却を決める必要はありません。
木村相談者
義務じゃないなら、とりあえず相場を知る目的で使ってみてもいいんですね。
山川不動産の専門家
はい、それで十分だと思います。最後に、このページで使ったデータの出典をまとめておきますね。
データの出典・対象期間まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 大府市(愛知県) |
| 対象物件種別 | 中古戸建て(宅地・土地と建物、住宅・共同住宅用途) |
| 対象データ期間 | 2017年〜2024年(年次)、直近3年まとめは2022年〜2024年 |
| データ出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報 XIT001) |
| データの性質 | 物件ごとの価格差が大きいため、単年トレンドは断定していません |
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか聞いてもいいですか?
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村相談者
大府市の戸建てって、なんで年によって価格帯がこんなに広いんですか?
山川不動産の専門家
大府市は駅に近いエリアと少し離れたエリアで土地の条件差が大きく、同じ年でも物件ごとの価格の開きが出やすいためです。件数自体は年39〜70件とそれなりにありますが、それでも価格帯は広くなります。
木村相談者
2024年の4,600万円って、来年もこのくらいで売れるってことですか?
山川不動産の専門家
それは分かりません。2024年は56件の取引の中央値が4,600万円だった、という事実であって、来年の水準を予測するものではありません。過去の年でも3,600万円〜4,000万円台と動いているので、まずはご自宅の査定額で確認するのが確実です。
木村相談者
半田市より大府市のほうが高いのはなぜですか?
山川不動産の専門家
明確な理由を一つに絞ることはできませんが、駅からのアクセスや土地の価格水準など、エリアごとの条件の違いが積み重なった結果と考えられます。個別の理由まで踏み込むには、それぞれの地域の物件を具体的に見る必要があります。
木村相談者
他の不動産サイトで大府市の相場を見ると、ここに書いてある数字と違うことがあるんですが、なぜですか?
山川不動産の専門家
サイトによって何を集計しているかが違うからです。多くの不動産サイトは、今売り出し中の物件の希望価格から相場を推定しています。売り出し価格は交渉前の希望額なので、実際に売れた金額より高めに出やすい傾向があります。このページで使っているのは、国交省が把握している実際に成約した価格なので、希望価格ベースの相場とは前提が違う数字だと考えてください。
木村相談者
大府市の戸建てで、一番安く売れた年と一番高く売れた年って、どのくらい差があるんですか?
山川不動産の専門家
単年の中央値で見ると、一番低いのは2017年と2020年の3,600万円、一番高いのは2024年の4,600万円で、差は1,000万円です。ただしこれも中央値だけの比較で、実際にはどの年も3,000万円台から4,000万円台後半、年によっては5,000万円台まで物件の価格帯が広く分布しています。「その年に高く売れた」というより、たまたまその年に高めの物件が多く取引されたと捉えるほうが実態に近いです。
木村相談者
直近3年でまとめた141件・4,100万円っていうのは、2024年単独の数字とは違うんですか?
山川不動産の専門家
はい、違います。4,100万円は2022年〜2024年の3年分・141件をまとめた中央値で、2024年単独の中央値は56件で4,600万円です。1年だけだと物件の組み合わせで数字が動きやすいので、当サイトでは3年分をまとめた数字のほうを相場の参考値として使っています。ご自宅の査定を依頼するときも、この2つの数字がそれぞれ何を指しているか、頭の片隅に置いておいてもらえるといいと思います。
木村相談者
ありがとうございます。まずは相場を知れただけでもよかったです。
山川不動産の専門家
相場の水準はここまでお話しした内容がベースになります。実際にご自宅がいくらになるかは、この下の一括査定サービスから複数社に依頼して確かめてみてください。査定はあくまで任意なので、相場を知ったうえで、ご自身のタイミングでゆっくり検討してもらえればと思います。