木村相談者
あの、うちのマンション、そろそろ売ろうか迷ってるんですけど。鶴見区って今、マンションの相場ってどうなんでしょうか。
山川不動産の専門家
はい、鶴見区のマンションを見ていきましょう。鶴見区は横浜市の北東部にあって、川崎市に隣接する、住宅地と工業地帯がまじった街ですね。マンションも駅周辺を中心に数多く供給されてきたエリアです。
木村相談者
そうそう、うちも駅からそんなに遠くないところなんですけど。それで、相場ってどう調べればいいんですか? ネットで検索するといろんなサイトが出てきて、数字もバラバラで正直よく分からなくて。
山川不動産の専門家
よくある悩みですね。不動産の相場情報サイトの多くは、今売り出し中の物件の「希望価格」や、AIによる予測値をもとにしています。ここでは違う切り口で、国交省の不動産情報ライブラリに登録されている、実際に成約した取引データをもとにお話しします。「売れそうな金額」ではなく「実際に売れた金額」なので、より実態に近い数字が見られるのが特徴です。
木村相談者
「希望価格」と「実際に売れた金額」って、そんなに違うものなんですか?
山川不動産の専門家
違うことが多いです。売り出し中の物件の価格(希望価格・掲載価格)は、あくまで売主が「この金額で売れたらいいな」と設定した数字で、実際にその金額で売れるとは限りません。値引き交渉が入ることも珍しくないです。それに対してこの記事の数字は、国交省が不動産取引の当事者へのアンケートをもとに集計した、実際に決済まで終わった取引の記録です。今この瞬間の相場観としては、成約ベースの方が実態に近いと考えています。
木村相談者
へえ、それは安心感ありますね。それで、実際どうなんですか、上がってるんですか下がってるんですか。
山川不動産の専門家
結論からいうと、2017年から2024年にかけて中古マンションの価格は上昇傾向にあります。
木村相談者
へえ、そうなんですね。どれくらい上がってるんですか?
鶴見区の中古マンション価格推移

山川不動産の専門家
2017年の成約価格の中央値は2,500万円でした。2024年時点では3,200万円です。8年間で約28%の上昇になります。
木村相談者
3,200万円が今の相場ってことですか?
山川不動産の専門家
そうですね、2024年の1年間に成約した物件の中央値がその金額です。ただ年ごとの推移を見ると、ずっと右肩上がりだったわけではありません。詳しく見てみましょう。
| 年 | 中央値 | 25パーセンタイル | 75パーセンタイル | 成約件数 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年 | 2,500万円 | 1,400万円 | 3,300万円 | 283件 |
| 2018年 | 2,600万円 | 1,400万円 | 3,400万円 | 264件 |
| 2019年 | 2,800万円 | 1,800万円 | 3,500万円 | 286件 |
| 2020年 | 2,800万円 | 1,800万円 | 3,600万円 | 302件 |
| 2021年 | 3,000万円 | 1,800万円 | 3,800万円 | 797件 |
| 2022年 | 3,400万円 | 2,000万円 | 4,200万円 | 700件 |
| 2023年 | 3,200万円 | 1,800万円 | 4,300万円 | 685件 |
| 2024年 | 3,200万円 | 1,800万円 | 4,300万円 | 734件 |
木村相談者
あれ、2022年は3,400万円で、そこから2023年、2024年は3,200万円ですね。下がってるんですか?
山川不動産の専門家
直近2年で見ると2022年をピークにやや落ち着いた形です。ただ2023年から2024年の1年間の変化はほぼ横ばい(前年比0%)で、2017年からの8年間で見れば依然として28%の上昇という位置づけです。短期の上下だけでなく、数年単位の流れで見ることが大事です。
木村相談者
なるほど、単年だけ見て一喜一憂しない方がいいってことですね。件数もけっこう増えてません? 2021年に797件ってすごい数ですね。
山川不動産の専門家
そうですね、その点は次でお話しします。
取引件数の推移
山川不動産の専門家
成約件数は2017年の283件から、2021年には797件まで増えました。その後は700件前後で推移していて、2024年は734件です。この件数の多さが、鶴見区の価格データの信頼性の高さにもつながっています。
木村相談者
件数が多いとどう違うんですか?
山川不動産の専門家
取引が少ない市区町村だと、中央値がその年にたまたま成約した数件の物件の影響を強く受けてしまいます。鶴見区は年間700件前後の成約があるので、統計的なブレの幅(信頼区間)が全国的に見ても狭く、価格の推移を安心して読み取れる市区町村のひとつです。実際、鶴見区の直近データの相対的な信頼区間の幅は約9.4%と、全国的に見ても狭い部類に入ります。
木村相談者
9.4%っていうのは、どれくらいだと安心できるラインなんですか?
山川不動産の専門家
このサイトでは目安として、信頼区間の幅がおおむね25%以内であれば、価格の上昇・下降といったトレンドを提示できる十分なデータ量とみなしています。鶴見区の9.4%はその基準を大きく下回っているので、トレンドを安心して読み取れる市区町村のひとつと言えます。
木村相談者
なるほど、じゃあ2021年に件数が急に増えたのは何か理由があるんですか?
山川不動産の専門家
そこまでの因果関係は、このデータだけからは断定できません。国交省の取引価格情報は四半期ごとに集計されていて、ここでは読みやすさのために年単位でまとめていますが、年によって件数が増減すること自体は珍しくありません。大事なのは、件数が減った年があってもそれだけで相場が崩れたと判断しないことです。
木村相談者
この記事、けっこう細かく件数を出してくれますね。他のサイトだとそこまで書いてないような。
山川不動産の専門家
そうなんです。相場情報サイトの中には、中央値や坪単価だけを出して、その数字が何件の取引から算出されたのかを示していないところも少なくありません。仮に5件だけの成約から出た中央値と、700件から出た中央値が同じ「3,200万円」という顔をして並んでいたら、信頼度がまったく違うのに見分けがつきません。この記事では中央値・パーセンタイルとあわせて必ず件数(n)を示すようにしています。数字の裏側にある母数を見えるようにすることが、正確な相場感につながると考えているからです。
木村相談者
じゃあ、うちのマンションみたいな古い物件だとどうなんでしょう。うちけっこう年数経ってるので。
山川不動産の専門家
それでは築年数別に見てみましょう。
築年帯別の相場

山川不動産の専門家
鶴見区の成約データを築年数の帯で分けると、こうなります。
| 築年帯 | 中央値 | 25パーセンタイル | 75パーセンタイル | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 〜築10年 | 4,500万円 | 3,700万円 | 5,500万円 | 369件 |
| 築11-20年 | 4,200万円 | 3,600万円 | 4,800万円 | 535件 |
| 築21-30年 | 3,400万円 | 2,800万円 | 4,000万円 | 407件 |
| 築31年〜 | 1,500万円 | 900万円 | 2,400万円 | 784件 |
木村相談者
うちはちょうど築40年くらいなので、築31年〜の帯ですね。1,500万円が目安なんですか?
山川不動産の専門家
はい、この帯の成約件数は784件と鶴見区の中では最も多く、中央値は1,500万円です。全体の中央値3,200万円だけを見ると「うちはそんなに高くないのか」と思ってしまいますが、築年数が近い物件同士で比べる方が、実態に近い相場感がつかめます。
木村相談者
そっか、全体の中央値だけ見ても意味ないんですね。築31年〜の帯って結構価格の幅もありますね。900万円から2,400万円まで。
山川不動産の専門家
そうですね、この帯は立地や管理状態、リノベーションの有無で差が出やすい傾向があります。あくまで目安として捉えて、実際の金額は個別の査定で確認するのがおすすめです。
木村相談者
ほかの3つの帯も、それぞれ結構件数がありますね。〜築10年で369件、築11-20年で535件、築21-30年で407件。
山川不動産の専門家
そうですね、どの帯も一定数の成約があるので、どの築年数の物件を検討する場合でも、それなりに信頼できる中央値が見られます。逆に言うと、鶴見区は築浅から築古まで幅広い年代のマンションが取引されている街だとも言えます。
木村相談者
築年数別の相場を出してるサイト、他にもあった気がするんですけど。
山川不動産の専門家
ありますね。ただ、そういったサイトの多くはAIによる将来価格の予測と築年数別の相場をセットで出していて、その予測がどれくらいの件数の実データにもとづいているのか分からないことが多いです。この記事の4つの帯は、いずれも300件以上の実際の成約実績にもとづいていて件数が十分にあると判定した帯だけを掲載しています。件数が少なすぎて信頼できない帯があれば、その帯は載せずに「参考にできない」ときちんと示す方針です。
木村相談者
分かりました。ところで、鶴見区って神奈川県の中とか全国で見るとどのくらいの位置なんですか?
県内・全国での位置づけ
山川不動産の専門家
良い質問ですね。鶴見区の2024年中央値3,200万円は、価格水準について全国464市区町村中76位、神奈川県内46市区町村中18位という位置づけです。
木村相談者
高い方ってことですか?
山川不動産の専門家
全国的に見ると上位1〜2割程度の水準です。中古マンションが記事化できる市区町村の全国平均中央値は約2,885万円なので、鶴見区はそれよりおよそ1割ほど高い水準にあります。ただし上昇率(8年間+28%)で見ると、全国217市区町村中147位、神奈川県内25市区町村中19位で、こちらは中位よりやや下です。
木村相談者
あれ、価格は高いのに上昇率はそんなでもないんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。価格の「水準」が高いことと、価格の「伸び」が大きいことは、必ずしも一致しません。すでに水準が高いエリアは、そこからさらに大きく伸びるとは限らない、というのはよくあるパターンです。
木村相談者
76位とか18位とか言われても、正直ピンと来ないんですけど、上位何パーセントとかで言うとどれくらいなんですか?
山川不動産の専門家
価格水準でいうと、全国464市区町村中76位なので、上位から数えるとおよそ16%の位置です。神奈川県内では46市区町村中18位なので、県内では上位から4割弱というところですね。一方、上昇率の順位は全国217市区町村中147位なので、こちらは下から数えて3割強、順位としては中位よりやや下です。同じ鶴見区の数字でも「価格の高さ」と「伸びの大きさ」で見ると立ち位置が変わる、という点は覚えておくといいと思います。近くの区と比べるとイメージしやすいと思います。
山川不動産の専門家
隣接する神奈川区・港北区と比べると、鶴見区は水準としてはやや控えめですが、8年間の上昇率では神奈川区が突出しています。同じ横浜市内でも区によって値動きの傾向は違うので、近隣区の記事も参考にしてみてください。
木村相談者
そういえば、他のサイトだと将来の人口予測から「だから価格はこうなる」みたいな書き方をしてるのも見た気がするんですけど、この記事にはそれ、出てこないですね。
山川不動産の専門家
良いところに気づかれました。正直にお伝えすると、鶴見区については将来推計人口(国交省の人口メッシュデータ)の集計がこのサイトでまだ整っていません。人口の将来推計と価格予測を安易に結びつけるサイトも見かけますが、人口が減るから価格が下がる、増えるから上がる、と単純に直結できるものではなく、金利や再開発、地域ごとの事情でいくらでも変わります。手元に確認できていないデータで断定するくらいなら、書かない方が誠実だと考えています。将来この地域の人口推計データが整い次第、需給を考えるうえでの参考材料として追記する予定です。
木村相談者
なるほど、無理に数字を埋めないってことですね。じゃあ結局、うちは今売った方がいいんでしょうか?
売り時をどう考えるか
山川不動産の専門家
そこは私からは断定できません。鶴見区の中古マンションは2017年からの8年間で28%上昇していて、これは事実として言えます。ただ、価格が上がっているからといって「今すぐ売るべき」とは言えません。
木村相談者
そうなんですか? 上がってるなら売った方が得な気もしますけど。
山川不動産の専門家
上がっているのは市場全体の傾向であって、個々のご事情とは別の話です。住み替えの計画があるか、他に売る理由があるか、逆に住み続けたい理由があるか、そうした個別の事情の方が優先されるべきだと考えています。
木村相談者
なるほど、事実と判断は分けて考えるってことですね。じゃあ実際に売るかどうか決める前に、何をすればいいんでしょう?
山川不動産の専門家
相場感がつかめたら、次は実際にご自身の物件でいくらになるか、査定額を確認する流れになります。
相場を調べたら次にやること
- 1相場感の把握 — ここまでの中央値・築年帯別の相場で、大まかな価格帯をイメージする
- 2一括査定サービスに申し込む — 複数の不動産会社に同時に査定を依頼し、金額と提案を比較する
- 3査定額と提案内容を比較する — 金額だけでなく、販売戦略や担当者の説明も含めて比較する
- 4売却するかどうかを判断する — 査定を受けたからといって、売却の義務は一切ない
木村相談者
義務じゃないなら、とりあえず相場を知る目的で申し込んでみてもいいかもしれないですね。
山川不動産の専門家
そうですね、査定額を見てから考えても遅くありません。それでは最後に、今回使ったデータの基本情報をまとめておきます。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象市区町村 | 横浜市鶴見区(神奈川県) |
| 対象種別 | 中古マンション |
| 対象データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格の年別集計) |
| 2024年中央値 | 3,200万円 |
| 8年間の変化率 | +28% |
| 直近1年の変化率 | 0% |
| 2024年成約件数 | 734件 |
| 出典 | 国交省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格情報 XIT001) |
木村相談者
データの出どころがはっきりしてると安心ですね。
山川不動産の専門家
そうですね、実際の成約価格ベースなので、掲載中の売出価格(まだ売れていない希望価格)とは性質が異なる点も押さえておくといいと思います。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか聞いてもいいですか? 近くの区の相場も気になります。
山川不動産の専門家
もちろんです。横浜市神奈川区の中古マンション相場や横浜市港北区の中古マンション相場もあわせてご覧いただくと、横浜市内での位置づけがより分かりやすくなると思います。
木村相談者
マンションと戸建てだと、見るべきデータって違うんですか?
山川不動産の専門家
はい、鶴見区の中古戸建て・土地についても別に判定していて、マンションとは取引動向が異なる可能性があります。物件種別ごとに確認することをおすすめします。
木村相談者
ネットの他のサイトだと、10年前と比べて何%上がったとか、AIが予測した将来の価格みたいなのも出てくるんですけど、それとどう違うんですか?
山川不動産の専門家
良いところに気づかれましたね。将来予測を出しているサイトは、あくまで統計モデルによる推計値です。それに対してこの記事の数字は、すべて実際に成約した取引の記録(過去のデータ)にもとづいています。将来を予測するものではなく、過去にどう動いたかを正確に伝えることを目的にしています。どちらが良い悪いということではなく、性質が違うと捉えていただくのがいいと思います。
木村相談者
なるほど、過去の事実と将来の予測は別物として見た方がいいんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。将来がどうなるかは誰にも断定できませんが、過去にどう動いたかは事実として確認できます。その事実を土台にして、あとはご自身の状況と照らし合わせて判断していただくのが一番だと思います。
木村相談者
ありがとうございます、まずは自分の物件の築年数に近いデータをもう一度見返してみます。
山川不動産の専門家
それがいいと思います。相場が分かった上で、実際の金額が気になったら査定を試してみてください。