木村相談者
山川さん、うちは北区のマンションなんですけど、そろそろ売ろうか迷ってて。中央区とかは値上がりしてるってよく聞くんですけど、北区ってどうなんでしょう。
山川不動産の専門家
良いところに気づかれました。北区も取引自体はかなり活発なエリアです。国土交通省が公開している実際の成約価格を並べれば、感覚ではなく数字で現在地が見えます。ただ、先に一つだけお伝えしておきたいことがあります。
木村相談者
なんですか?
山川不動産の専門家
北区の中古マンションは、「はっきり上がっている・下がっている」と言い切れないタイプのデータなんです。理由も含めて、順番に見ていきましょう。
北区の中古マンション、実際の成約価格はいくらか
山川不動産の専門家
これは不動産情報ライブラリという国交省のデータベースから、北区で実際に成約した中古マンションの中央値(真ん中の価格)を年ごとに並べたものです。
| 年 | 中古マンション中央値 | 取引件数 |
|---|---|---|
| 2017年 | 1,100万円 | 162件 |
| 2018年 | 950万円 | 136件 |
| 2019年 | 1,100万円 | 183件 |
| 2020年 | 975万円 | 178件 |
| 2021年 | 1,400万円 | 338件 |
| 2022年 | 1,400万円 | 375件 |
| 2023年 | 1,300万円 | 338件 |
| 2024年 | 1,450万円 | 384件 |
木村相談者
950万から1,450万まで、年によってけっこう動いてますね。2021年に一段上がって、2023年にまた下がって……これって上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
そこが今日いちばんお伝えしたいところです。北区のマンションは、この動きだけで方向を断定しないほうが正確なんです。
マンションは「はっきりした方向」を出しにくい
山川不動産の専門家
北区の中古マンションは「明確に上がっている/下がっている」とは言い切れません。取引件数が少ないからではなく、同じ北区のマンションでも中身がまるで違うからです。
木村相談者
2024年は384件も取引があるんですよね? それって十分な数じゃないんですか?
山川不動産の専門家
おっしゃる通りです。件数はむしろ十分すぎるくらいあります。それでも方向を断定できないのは、築年数・広さ・駅からの距離・棟のグレードで価格が大きく変わる商品だからです。その年にたまたまどんな部屋が多く売れたかで、中央値が上下にブレやすいんです。
木村相談者
なるほど、「1,400万くらいが真ん中で、あとは物件次第」くらいの受け止めでいいんですね。
山川不動産の専門家
その温度感が正確です。方向を無理に読むより、自分の部屋がその幅のどのあたりかを知るほうが、ずっと役に立ちます。その「幅」を、次に具体的に見てみましょう。
「真ん中」だけでなく「幅」で見る
木村相談者
その「幅」って、具体的にはどのくらいあるんですか?
山川不動産の専門家
数字で見てみましょう。北区の中古マンションを安い順に並べたときの下から4分の1・真ん中・上から4分の1の価格を、直近3年で出すとこうなります。
| 年 | 安いほう(下位25%) | 真ん中(中央値) | 高いほう(上位25%) |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 700万円 | 1,400万円 | 2,300万円 |
| 2023年 | 572.5万円 | 1,300万円 | 2,475万円 |
| 2024年 | 750万円 | 1,450万円 | 2,700万円 |
木村相談者
下は750万円で、上は2,700万円。同じ北区のマンションで3倍以上開くんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。真ん中は1,400万円前後でも、実際の成約は700万円台からから2,700万円まで広く分布しています。駅から離れたコンパクトな部屋もあれば、駅近で広めの部屋もある。「北区のマンション相場=1,400万」と一律には言えないのが実態です。
木村相談者
じゃあ「相場いくら」より「自分の部屋がいくらか」で考えたほうがいいってことですね。
山川不動産の専門家
まさにそこです。相場(真ん中)は出発点として押さえつつ、最後は自分の部屋がこの幅のどこに入るかを実際の査定で確かめる。北区ではこの幅の広さが特に効いてきます。
この数字は「実際に売れた金額」です
木村相談者
ちなみにこの1,400万や1,450万っていうのは、売り出しの希望価格じゃなくて本当に売れた金額なんですか?
山川不動産の専門家
そこが大事なところです。この記事の数字はすべて「成約価格」、つまり実際に取引が成立した金額です。国交省が取引当事者に調査した公的データを使っています。
木村相談者
ネットの相場サイトで見る価格とは違うんですか?
山川不動産の専門家
ええ。相場サイトの中には広告に出ている売り出し価格(希望額)から相場を算出しているところもあります。実際の成約より高めに出やすい傾向がある数字です。また、築年数や広さの条件を一つだけ決め打ちして「9年で〇%上昇」と一点推定を出しているサイトもありますが、それは特定の条件の部屋だけの話で、北区全体の値幅を反映したものではありません。
木村相談者
条件を一つ決めて計算した数字なんですね。
山川不動産の専門家
そうです。当サイトは特定の条件に絞り込まず、実際に成約したすべての価格の中央値と価格帯の幅をそのまま示す立場を取っています。方向を断定できない年は、正直に「断定しない」とお伝えします。
木村相談者
予測や決め打ちより、実際の数字と正直な立場のほうが信頼できますね。
全国・道内のなかで北区はどのくらいの水準か
山川不動産の専門家
次に、北区の価格が周りと比べてどのくらいの水準なのかを見ましょう。相場は「その街だけ」では判断しにくく、近隣や全国と比べて初めて意味を持ちます。
| 比較軸 | 北区の位置 |
|---|---|
| 北海道内の中古マンション中央値 | 8位/17市区町村 |
| 全国の中古マンション中央値 | 365位/464市区町村 |
| 全国平均(取引が十分な区分219市区町村の単純平均・約2,885万円)との比較 | およそ半分の水準 |
木村相談者
道内では8位なんですね。でも全国だと365位で、しかも全国平均の半分くらいなんですか。
山川不動産の専門家
そこは整理が必要な点です。全国365位というのは取引が薄い市区町村まで含めた全464市区町村の中の順位です。全国平均の約2,885万円は取引が十分な219市区町村だけで単純平均したもので、東京都心部など高水準な区が多く含まれます。北区の直近3年の相場(1,400万円前後)はその平均のおよそ半分の水準で、決して高い水準ではないというのが実際のところです。周辺の区とも並べてみましょう。
| 区 | 中古マンション中央値 | 8年上昇率 |
|---|---|---|
| 中央区 | 2,700万円 | +50.0% |
| 厚別区 | 2,250万円 | +50.0% |
| 東区 | 2,200万円 | +22.2% |
| 白石区 | 2,100万円 | +61.5% |
| 西区 | 2,000万円 | +42.9% |
| 豊平区 | 1,800万円 | +38.5% |
| 手稲区 | 1,500万円 | 参考値(物件の価格の幅が大きい) |
| 北区 | 1,400万円(直近3年) | 断定せず(物件の価格の幅が大きい) |
| 清田区 | 1,400万円 | +41.4% |
| 南区 | 980万円 | 参考値(物件の価格の幅が大きい) |
木村相談者
北区と清田区がちょうど同じ水準なんですね。でも清田区は上昇率41.4%って出てますけど、北区は出てないんですか?
山川不動産の専門家
そうなんです。清田区は取引が十分な区分なので8年上昇率を語れますが、北区・手稲区・南区は取引が少なめか物件ごとの価格の幅が大きく、単年の上げ下げを断定しにくい区分です。水準(真ん中の価格)は比べられますが、伸び率の単純比較はできません。参考程度にとどめてください。札幌市の区一覧でも、まとめて比較できます。
木村相談者
同じ物差しで比べられるのはありがたいです。
北区の中古マンションは「売り時」なのか、どう考えるか
木村相談者
水準は全国平均の半分くらい、方向は断定できない。……これって、うちはどう考えたらいいんでしょう。
山川不動産の専門家
北区のマンションで、考える材料を並べるとこうなります。
北区のマンション・売り時を考える3つの材料
- 1相場は全国平均のおよそ半分の水準 — 直近3年の成約中央値は1,400万円前後。ただし単年の方向は断定できない(物件ごとの価格の幅が大きいため)。
- 2価格の幅がかなり大きい — 2024年は下位25%が750万円、上位25%が2,700万円。同じ北区でも物件次第で1,000万円単位で変わる。
- 3マンションは条件差が大きい — 築年数・広さ・駅距離・棟のグレードで価格が大きく変わる。相場よりも自分の部屋そのものの査定額が決め手になる。
木村相談者
「水準が低いから急いで売らなきゃ」でも「断定できないから様子見」でもなくて、自分の部屋がその幅のどこにいるかを知るのが先、ってことですね。
山川不動産の専門家
「水準が控えめだから急いで」でも「断定できないから待て」でもありません。ご自身の事情と、自分の部屋の実際の査定額。この2つが揃って初めて、納得のいく判断ができます。
木村相談者
実際に査定を受けるとして、すぐ売れるものなんですか?
山川不動産の専門家
マンションの売却は、売り出しから買い手が決まるまで数か月かかるのが一般的です。北区のように物件ごとの価格差が大きいエリアは、条件に合う買い手を探すのに時間がかかることもあります。だからこそ、相場観がつかめた今のうちに情報を揃えておく意味があります。
相場が分かったら、次にやること
木村相談者
じゃあ、実際にうちの部屋がいくらで売れそうか知りたくなってきました。
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
- 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・専有面積・築年数・階数など)を入力する
- 2各社から提示される査定額を比べて、成約相場(1,400万円前後)と照らし合わせる
- 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。
この記事のデータについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 札幌市北区 |
| 対象種別 | 中古マンション等 |
| データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報) |
| 集計方法 | 年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール |
| データの十分性 | 参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きく、単年の相対信頼区間幅27.6%、25%超のため方向は断定せず) |
| 2024年取引件数 | 384件 |
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は数字で整理できてスッキリしました。
山川不動産の専門家
北区のマンション相場は全国平均と比べると控えめな水準にあるのは確かなので、気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川不動産の専門家
どうぞ。北区のマンション売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や特定条件での一点推定ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村相談者
北区のマンションは上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
単年の数字だけでは方向を断定していません。物件ごとの価格の幅が大きいため、直近3年(2022〜2024年)でならした1,400万円前後を相場観としてお伝えしています。
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川不動産の専門家
現時点で北区の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
中央値と平均は何が違うんですか?
山川不動産の専門家
平均は極端に高い物件に引っ張られやすいのに対し、中央値は真ん中の実感に近い指標です。この記事では中央値を使っています。
木村相談者
査定は無料ですか?
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。