木村相談者
うちは広島市中区でマンションに住んでるんですけど、築40年くらいになってきて、そろそろ売却も考えていて。中区のマンションって、今どのくらいの値段で売れるものなんですか?
山川不動産の専門家
いいタイミングでご相談いただきました。中区は広島市の中心部にあたるエリアで、マンションの取引価格は広島県内でもかなり高い水準にあります。国交省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)に登録されている実際の取引データを見ながら、順番に見ていきましょう。
木村相談者
お願いします。まずはざっくり、今いくらくらいなんですか?
山川不動産の専門家
2024年に中区で取引された中古マンションの中央値は2,800万円です。取引件数も323件と十分にあり、価格の動きを追いやすいエリアです。
木村相談者
2,800万円かあ。ただ、うちは築40年なので、そのままの金額とは違いそうですね。
山川不動産の専門家
鋭いですね。実はそのとおりで、築年数によって相場はかなり変わります。この後、築年帯ごとの相場も詳しく見ていきますね。まずは全体の価格推移から確認しましょう。
木村相談者
そもそもなんですけど、この「中古マンション」ってどこまでの物件が入ってるんですか?
山川不動産の専門家
reinfolibの取引データのうち、区分所有のマンション(共同住宅)として取引されたものが対象です。一戸建てや土地の取引は別集計にしていて、そちらは中区の中古戸建て記事にまとめています。木村さんのように築40年のマンションにお住まいの場合、このデータがそのまま参考になります。
木村相談者
なるほど、ちゃんと分かれてるんですね。それなら安心して見られます。
中古マンションの価格推移(2017年〜2024年)
山川不動産の専門家
reinfolibの取引データから、2017年から2024年までの年ごとの中央値をまとめました。
| 年 | 中央値 | 取引件数 | 価格帯(25%〜75%) |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 1,150万円 | 60件 | 575万円〜1,900万円 |
| 2018年 | 1,850万円 | 56件 | 993万円〜2,600万円 |
| 2019年 | 2,300万円 | 63件 | 1,300万円〜3,150万円 |
| 2020年 | 2,300万円 | 69件 | 1,300万円〜3,500万円 |
| 2021年 | 2,550万円 | 256件 | 1,400万円〜3,600万円 |
| 2022年 | 2,800万円 | 283件 | 1,700万円〜3,700万円 |
| 2023年 | 2,800万円 | 249件 | 1,700万円〜4,000万円 |
| 2024年 | 2,800万円 | 323件 | 1,500万円〜4,300万円 |
木村相談者
2017年が1,150万円で2024年が2,800万円って、倍以上じゃないですか。
山川不動産の専門家
そうなんです。8年間で約143.5%の上昇になっていて、これは全国の中古マンション市場の中でもかなり大きな上がり方です。中区は取引件数も十分にあるエリアなので、この数字は実際のトレンドとしてお伝えできます。
木村相談者
え、そんなに上がってるんですね。でも表をよく見ると、2022年から2024年はずっと2,800万円で同じ数字ですね。
山川不動産の専門家
いいところに気づきましたね。2017年から2022年にかけて急に上がって、2022年以降の3年間は2,800万円で横ばいになっています。直近1年(2023年→2024年)の変化率も0.0%で、価格は落ち着いてきていると言えます。
木村相談者
じゃあ、これからまた上がっていくかもしれないし、このままかもしれない、ってことですか?
山川不動産の専門家
そこは私からは断定できません。データから確実に言えるのは、過去8年で大きく上昇したあと、直近3年は同じ水準で推移しているという事実までです。将来の値動きを予測するものではありません。
取引件数の推移
山川不動産の専門家
続いて取引件数です。中区の中古マンション取引は2020年までは年60〜70件程度でしたが、2021年以降は250件を超える水準に増えています。
| 期間 | 取引件数 |
|---|---|
| 2017年 | 60件 |
| 2018年 | 56件 |
| 2019年 | 63件 |
| 2020年 | 69件 |
| 2021年 | 256件 |
| 2022年 | 283件 |
| 2023年 | 249件 |
| 2024年 | 323件 |
| 8年間合計 | 1,359件 |
木村相談者
2020年までとそれ以降で、件数がだいぶ違いますね。何かあったんですか?
山川不動産の専門家
理由まではこのデータからは分かりません。ここでお伝えできるのは、2021年以降は年間250件を超える取引が続いていて、直近の2024年は323件と、価格の傾向を読み取るのに十分な件数があるという事実です。取引件数が十分にあるからこそ、先ほどの8年間の上昇傾向を実際のトレンドとしてお伝えしています。
木村相談者
件数がしっかりあるから、さっきの「上がってる」って話も信頼できる、ってことですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。次は木村さんの築40年というお住まいに近い、築年帯別の相場を見てみましょう。
築年帯別の相場
山川不動産の専門家
先ほどの2,800万円という中央値は、新築に近い物件から築50年を超える物件まで全部まとめた「真ん中」の値です。木村さんのように築40年のマンションだと、実際の相場はもう少し違ってきます。直近3年(2022年〜2024年)のデータを築年帯別にまとめました。
| 築年帯 | 中央値 | 価格帯(25%〜75%) | 件数 |
|---|---|---|---|
| 〜築10年 | 4,300万円 | 3,800万円〜5,400万円 | 176件 |
| 築11〜20年 | 3,700万円 | 2,900万円〜4,500万円 | 196件 |
| 築21〜30年 | 2,800万円 | 2,200万円〜3,300万円 | 124件 |
| 築31年〜 | 1,500万円 | 600万円〜2,100万円 | 297件 |
木村相談者
あ、築31年〜の帯が1,500万円ってなってますね。うちは築40年だから、この帯に近いってことですか?
山川不動産の専門家
はい、木村さんのお住まいの築年数だと、この「築31年〜」の帯に入ります。この帯の中央値は1,500万円で、全体の中央値2,800万円よりだいぶ低くなります。ただ、実はこの帯が4つの帯の中で最も取引件数が多い297件でもあります。中区では築の古いマンションの取引が一番活発だということです。
木村相談者
一番安いけど、一番よく取引されてる帯なんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。件数が多い分、査定を受けたときも比較材料が集めやすいエリアだと言えます。ただし価格帯(25%〜75%)を見ると600万円〜2,100万円とかなり幅があるので、木村さんのお部屋がその中のどのあたりに位置するかは、階数や向き、リフォームの有無といった個別の条件次第です。
木村相談者
全体の数字だけ見てたら、うちの相場を勘違いするところでした。
山川不動産の専門家
そうなんです。中央値はあくまで全体の目安なので、築年帯まで見て初めて自分の物件に近い相場感がつかめます。次は、この中区の水準を広島県内・全国と比べてみましょう。
広島県内・全国と比べると
山川不動産の専門家
中区の水準感をつかむために、広島市内の他の区や全国平均とも比べてみましょう。
| エリア | 中古マンション中央値 |
|---|---|
| 広島市南区 | 3,400万円 |
| 広島市中区 | 2,800万円 |
| 広島市安佐南区 | 2,400万円 |
| 広島市西区(参考値) | 2,200万円 |
| 広島市東区(参考値) | 2,000万円 |
| 広島市佐伯区 | 2,000万円 |
| 広島市安芸区(参考値) | 1,750万円 |
| 広島市安佐北区(参考値) | 1,500万円 |
| 全国平均(464市区町村) | 2,287万円 |
木村相談者
中区、全国平均よりは高いんですね。ただ南区のほうがもっと高いんですか。
山川不動産の専門家
はい。広島県内14市区町村の中で、中区は中古マンションの中央値が2番目に高いエリアです。全国464市区町村の中では103位で、全国平均の2,287万円と比べても高い水準にあります。南区(3,400万円)が県内トップで、中区はそれに次ぐ位置づけです。
木村相談者
「参考値」って書いてある区がありますけど、これは何ですか?
山川不動産の専門家
東区・西区・安芸区・安佐北区は、中区や南区に比べると取引件数がまだ少なめのエリアです。そのため中央値そのものは出せるものの、年ごとの上がり下がりまでは断定できていません。グラフではハッチ柄で区別して、参考程度の水準として示しています。
木村相談者
上昇率で見るとどうなんですか?さっき中区は8年で143.5%上がったって話でしたけど。
山川不動産の専門家
いい質問です。上昇率で見ると、中区は全国217市区町村の中で2位、広島県内6市区町村の中では1位という結果になっています。価格水準も上昇率も、どちらも県内トップクラスということですね。
木村相談者
数字だけ見ると、すごく良いエリアに住んでるんですね。
山川不動産の専門家
客観的なデータではそう言えます。ただ、これは「今すぐ売るべき」という意味ではありません。次は、このデータをどう受け止めて売り時を考えるかという話をしますね。
売り時をどう考えるか
木村相談者
結局のところ、うちのマンションは今売るべきなんでしょうか?
山川不動産の専門家
そこは私からは「今が売り時です」とは言えません。データから言えるのは、中区の中古マンション相場が8年間で143.5%上昇し、直近3年は2,800万円で横ばいが続いているという事実、そして木村さんの築40年という条件だと、築31年〜の帯の中央値1,500万円が実態に近い目安になるという事実までです。
木村相談者
上がってきたのは事実だから、売るなら今、みたいな話にはならないんですか?
山川不動産の専門家
そう単純には言えません。過去8年間の上昇は事実ですが、それが今後も続くことを保証するものではありません。また、直近3年は横ばいが続いているので、「今まさに勢いよく上がっている局面」というわけでもないんです。価格の動きは判断材料の一つではありますが、それだけで売り時を決めるものではないと考えています。
木村相談者
じゃあ何を基準に考えたらいいんですか?
山川不動産の専門家
ご自身の住み替えの都合や資金計画、今のお住まいの状態のほうが、実際には大きな判断材料になります。中区の相場が県内でも高い水準にあり、なおかつ8年間で大きく上昇してきたという事実は知っておいて損はありません。そのうえで、いつ売るかはご自身のタイミングで決めていただくのがいいと思います。
木村相談者
相場を知ったうえで、自分のタイミングで考える、ということですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。相場観がつかめたら、次は実際の査定額を確認する流れをご案内しますね。
相場を調べたら次にやること
山川不動産の専門家
相場感がつかめたら、次は実際の査定額を確認する流れになります。木村さんの場合、築31年〜の帯だけでも600万円〜2,100万円と幅があるエリアなので、中央値だけでなく実物を見た査定額を知ることが特に大事です。
- 1相場を把握する — この記事の中央値・築年帯別の水準・近隣区との比較で、大まかな水準を確認する
- 2一括査定サービスに申し込む — 複数の不動産会社から査定額を取り寄せ、幅を確認する
- 3査定額を比較する — 会社によって査定額に差が出ることが多いので、複数社を比べる
- 4売却するかどうかを判断する — 査定額と自分の事情を照らし合わせて、売るかどうか・いつ売るかを決める
木村相談者
査定って1社だけじゃダメなんですか?
山川不動産の専門家
築年数が古い帯ほど価格帯の幅が大きいエリアなので、会社によって査定額の見方が変わりやすいんです。複数社に依頼して幅を見ることをおすすめします。この記事の最後にいくつかサービスのリンクを載せておきますね。
木村相談者
査定を頼んだら、必ずその会社にお願いしないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定額を聞いてみるだけでも大丈夫です。査定を受けることも、そのまま売却を依頼することも義務ではありません。まずは相場感と実際の査定額を照らし合わせて、ご自身のタイミングを考える材料にしていただければと思います。
木村相談者
それなら気軽に試せそうです。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 広島県広島市中区 |
| 対象種別 | 中古マンション(区分所有・共同住宅) |
| 対象データ期間 | 2017年〜2024年 |
| 直近の中央値 | 2,800万円(2024年、323件) |
| 8年間の変化率 | 約143.5%上昇(2017年→2024年) |
| 築31年〜の中央値(木村さんの帯) | 1,500万円(直近3年、297件) |
| 出典 | 国交省 不動産情報ライブラリ XIT001(不動産取引価格情報) |
近隣区・同県市区町村との比較
木村相談者
他の区や近くの市はどうなんですか?ついでに見てみたいです。
山川不動産の専門家
先ほどの比較表のとおり、南区が3,400万円で県内トップ、中区が2,800万円で2位です。安佐南区・西区・東区・佐伯区・安芸区・安佐北区は中区よりも落ち着いた水準になっています。
山川不動産の専門家
中区で戸建てへの住み替えや、戸建ての売却もあわせて検討されている場合は、広島市中区の中古戸建て相場もあわせてチェックしてみてください。
木村相談者
戸建てのほうも記事があるんですね、あとで見てみます。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか気になることを聞いていいですか?
山川不動産の専門家
もちろんです、どうぞ。
木村相談者
中区のマンションって、これからも上がり続けるんでしょうか?
山川不動産の専門家
将来の価格を予測することはできません。この記事でお伝えしているのは、あくまで2017年〜2024年という過去の実際の取引データです。過去8年で大きく上昇し、直近3年は横ばいという事実まではお伝えできますが、この先どうなるかはこのデータだけでは分かりません。
木村相談者
中央値の2,800万円って、うちの築40年のマンションにもそのまま当てはまるんですか?
山川不動産の専門家
そのまま当てはまるわけではありません。2,800万円は全築年帯を合わせた中央値です。木村さんのように築31年以上の場合は、その帯の中央値1,500万円のほうが実態に近い目安になります。それでも階数や向き、リフォームの有無で価格帯の幅の中のどこに位置するかは変わるので、正確な金額を知るには個別の査定が確実です。
木村相談者
中区は取引件数が2021年から急に増えてますけど、これって信頼していい数字なんですか?
山川不動産の専門家
はい。件数が少ないエリアだと年ごとの増減が偶然に左右されやすいのですが、中区は2021年以降、年間250件を超える取引が続いています。件数が十分にあるからこそ、8年間の上昇傾向を実際のトレンドとしてお伝えしています。
木村相談者
南区のほうが高いみたいですけど、南区で売ったほうがいいってことですか?
山川不動産の専門家
そういうことではありません。価格水準は南区のほうが高いですが、これは南区と中区でそれぞれ取引されている物件の傾向が違うためです。木村さんのお住まいがあるのは中区なので、この記事の中区のデータを基準に考えていただくのがいいと思います。気になる場合は南区の記事もあわせてご覧いただくのがおすすめです。
山川不動産の専門家
相場観はつかめたと思います。実際にいくらで売れそうか気になったら、査定額を確認してみましょう。査定を受けること自体は義務ではないので、気になったタイミングで大丈夫です。
木村相談者
ありがとうございます、参考になりました。