木村相談者
うちは京都府向日市で戸建てに住んでるんですけど、そろそろ売却も考えていて。このあたりの中古戸建てって、今どのくらいの値段で売れるものなんですか?
山川不動産の専門家
向日市の不動産相場に詳しい山川です。ご相談ですね。先にお伝えしておくと、この記事の数字は国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)に登録された実際の取引データがもとになっています。噂や体感ではなく、実際に成約した価格の集計です。
木村相談者
それは安心です。じゃあまず、向日市の中古戸建てって全体的にいくらくらいなんですか?
山川不動産の専門家
直近3年間(2022年〜2024年)に成約した合計155件のデータで見ると、中央値は2,900万円です。ただ、この数字だけを見て「向日市はこの値段」と決めつけないでほしいんです。理由はこのあと詳しく説明しますね。
過去8年間の価格推移(2017年〜2024年)

木村相談者
グラフを見ると、けっこう上下してますね。2024年だけ急に高くなってるような。
山川不動産の専門家
そうなんです。2017年から2024年までの年別中央値を並べると、次のようになります。
| 年 | 中央値 | 価格帯(下位25%〜上位25%) | 取引件数 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 2,850万円 | 1,575万円〜3,500万円 | 80件 |
| 2018年 | 3,150万円 | 1,950万円〜3,675万円 | 70件 |
| 2019年 | 2,800万円 | 1,400万円〜3,600万円 | 71件 |
| 2020年 | 3,000万円 | 1,775万円〜3,700万円 | 76件 |
| 2021年 | 3,350万円 | 1,750万円〜4,000万円 | 74件 |
| 2022年 | 2,800万円 | 1,200万円〜4,300万円 | 45件 |
| 2023年 | 2,600万円 | 1,200万円〜3,850万円 | 54件 |
| 2024年 | 3,550万円 | 1,675万円〜4,725万円 | 56件 |
木村相談者
2017年は2,850万円で、2024年は3,550万円。単純に比べると増えてますよね。これって値上がりしてるってことですか?
山川不動産の専門家
2つの年だけを比べて「値上がりした」と結論づけるのは早いんです。表をよく見てください。2018年から2019年にかけては3,150万円から2,800万円に下がり、2021年から2022年、2022年から2023年も続けて下がっています。そのあと2024年に大きく跳ね上がっている、というのが実際の動きです。一本調子で右肩上がりだったわけではありません。
木村相談者
たしかに、上がったり下がったりを繰り返してますね。取引件数のほうは毎年45件〜80件くらいで、そこまで少ないわけでもなさそうですけど。
山川不動産の専門家
そこがポイントです。件数自体は年間45件〜80件と、判断材料として十分にそろっている水準です。ではなぜ「上がっている」「下がっている」とはっきり言い切れないのか、次で説明しますね。
なぜ「今年は上がった」と言い切れないのか
山川不動産の専門家
表の「価格帯」の列を見てください。たとえば2024年は下位25%が1,675万円、上位25%が4,725万円と、同じ年の中でも価格の幅がかなり広いんです。
木村相談者
同じ向日市の戸建てなのに、そんなに差が出るんですか?
山川不動産の専門家
土地の広さや駅からの距離、建物の古さ、リフォームの有無など、物件ごとの個性が価格に大きく影響するからです。件数が少ないわけではないのに、1件1件の価格差が大きいために、中央値が年によって2,600万円〜3,550万円の間でぶれてしまう。これが向日市の中古戸建て市場の特徴です。
木村相談者
価格帯の幅が特に広かった年、狭かった年ってあるんですか?
山川不動産の専門家
あります。8年間で価格帯の幅が最も広かったのは2022年です。下位25%が1,200万円、上位25%が4,300万円で、幅は3,100万円にもなります。2024年も1,675万円〜4,725万円で幅3,050万円と、僅差で続きます。逆に一番幅が狭かったのは2018年で、1,950万円〜3,675万円、幅1,725万円でした。
木村相談者
同じ市の同じ年の取引なのに、そんなに幅が変わるものなんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。幅が広い年もあれば狭い年もあって、この幅の大きさ自体が毎年一定ではありません。だからこそ、ある1年だけを取り出して「今年は高い、安い」と一喜一憂するより、複数年を通して眺めたほうが実態に近づけると考えています。
木村相談者
じゃあ直近3年でまとめて見るとどうなんですか?
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年間をまとめると、取引件数は合計155件、中央値は2,900万円です。単年の増減より、この3年分をまとめた水準のほうが、ばらつきの影響を受けにくく参考にしやすい数字だと考えてください。実はこの記事の冒頭でお伝えした「2,900万円」も、この3年分の中央値のことなんです。
木村相談者
なるほど、2024年単年の3,550万円とは違う数字だったんですね。てっきり同じものかと。
山川不動産の専門家
良い気づきです。2024年単年の3,550万円と、直近3年の2,900万円は別の数字です。単年は56件だけのデータなので振れ幅が大きく、3年分の155件でならしたほうが、たまたま高い(または安い)物件が集中した年の影響を受けにくくなります。相場感をつかむなら、まずは3年分の2,900万円を目安にするのがおすすめです。
京都府内・全国で見るとどのくらいの水準か

木村相談者
向日市の2,900万円って、京都府の中では高いんですか、安いんですか?
山川不動産の専門家
京都府内で中古戸建ての取引データが十分にそろっている22市区町村の中で、向日市は中央値の高いほうから8番目です。全国では691市区町村の中で235番目にあたります。
| 市区町村 | 中央値 |
|---|---|
| 京都市西京区 | 3,100万円 |
| 向日市(この市) | 2,900万円 |
| 京都市南区 | 2,300万円 |
| 宇治市 | 1,800万円 |
| 城陽市 | 1,500万円 |
| 亀岡市 | 1,300万円 |
木村相談者
全国で見るとどうなんですか?
山川不動産の専門家
全国で中古戸建ての取引データが十分にそろっている691市区町村の中央値を単純平均すると、およそ2,590万円です。向日市の2,900万円は、この全国平均より1割強高い水準にあります。京都府内22市区町村の平均(およそ2,246万円)と比べても、向日市は高めのグループに入ります。
木村相談者
高めなのは分かりましたけど、それが「売り時」かどうかとはまた別ですよね。
山川不動産の専門家
そこは重要な点です。次でお話ししますね。
「売り時」をどう考えればいいか
木村相談者
これを見て、私はどう判断すればいいんでしょう。
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、今の数字だけから「今すぐ売るべき」「もう少し待つべき」と言い切ることはできません。価格が明確な上昇トレンドにあるわけでも、下降トレンドにあるわけでもなく、年ごとの振れ幅も大きいからです。住み替えのタイミングや資金の必要性など、ご自身の事情のほうが判断材料としては大きいはずです。
他サイトのAI予測との違い
木村相談者
他の不動産系サイトだと、将来の人口推計を使って「10年後の価格はいくら」みたいなAI予測を出しているところもありますよね。ここではやらないんですか?
山川不動産の専門家
あえてやりません。理由は2つあります。まず、実は向日市については、将来の人口推計データが現時点でこのサイトの元データにまだそろっていません。無いデータを他から借りてきて埋め合わせることはしない方針なので、この記事では人口の将来見通しには触れていません。
木村相談者
データが無いなら無いと、正直に言ってくれるんですね。
山川不動産の専門家
もう1つの理由がむしろ本質的です。仮に人口推計データがあったとしても、それを使って「人口が減るから価格が下がる」「人口が増えるから価格が上がる」と単純に結びつけるのは危険だと考えています。不確実な将来予測を断定的な数字として見せてしまうと、売り時の判断を誤らせるリスクがあるんです。金利や再開発、エリアごとの人気の変化など、価格には人口以外にも多くの要因が影響します。
木村相談者
なるほど。過去の事実と、未来の予測を混ぜないってことですね。
山川不動産の専門家
そうです。この記事で扱うのは、あくまで実際に成約した過去の取引データだけです。過去の傾向は傾向として正確にお伝えしますが、それが将来どうなるかまでは誰にも断定できません。だからこそ、最終的な判断はご自身の事情に委ねるべきだと考えています。
木村相談者
分かりました。じゃあ相場感をつかんだうえで、実際どうすればいいんでしょう?
山川不動産の専門家
相場のレンジが分かったら、次は実際の物件で査定額を確認する段階です。流れを簡単にまとめますね。
相場を調べたら次にやること
- 1相場のレンジを把握する — この記事の直近3年の中央値(2,900万円)と価格帯を、自分の物件のおおよその目安として頭に入れておきます。
- 2一括査定サービスで複数社に査定を依頼する — 土地の広さ・駅距離・築年数などの個別条件は、実際に不動産会社に見てもらわないと反映されません。
- 3複数の査定額を比較する — 1社だけでなく複数社の査定額を見比べることで、相場から大きく外れた金額を提示されていないか確認できます。
- 4売却するかどうかを検討する — 査定額が出た段階で、実際に売却を進めるかどうかをご自身のペースで判断します。
木村相談者
査定を頼んだら、必ず売らないといけないわけじゃないですよね?
山川不動産の専門家
その通りです。査定はあくまで価格を知るための手段で、売却の義務は一切ありません。まずは金額を知ることから始めて大丈夫です。
木村相談者
査定を頼む前に、何か準備しておいたほうがいいものってありますか?
山川不動産の専門家
必須ではありませんが、手元にあると話がスムーズに進みやすい書類はあります。
木村相談者
これって全部揃えないと査定してもらえないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、まずは概算の査定だけなら住所と物件の情報だけで受け付けてもらえることがほとんどです。手元にあると話が早いという程度に考えておいてください。
木村相談者
なるほど、分かりました。ここまでの情報を一度まとめてもらえますか?
山川不動産の専門家
もちろんです。ここまでお伝えした内容を表にまとめますね。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象市区町村 | 京都府向日市 |
| 対象物件種別 | 中古戸建て(土地付き) |
| 対象データ期間 | 2017年〜2024年 |
| 直近3年の合計取引件数 | 155件(2022年〜2024年) |
| 直近3年の中央値 | 2,900万円 |
| 2024年単年の中央値(参考値) | 3,550万円(56件) |
| データ出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 |
| 府内順位(中古戸建て) | 22市区町村中8番目 |
| 全国順位(中古戸建て) | 691市区町村中235番目 |
木村相談者
ありがとうございます。あと、最後に気になっていたことをいくつか聞いてもいいですか?
山川不動産の専門家
もちろんです。よくある質問としてまとめておきますね。
よくある質問
木村相談者
向日市の中古戸建てって、なんで年によってこんなに価格の幅が大きいんですか?
山川不動産の専門家
向日市は面積が小さくコンパクトな市で、駅からの距離や土地の広さ、建物の築年数によって価格帯が大きく変わる物件が混在しているためです。件数自体は年間45件〜80件と少なくないのですが、1件ごとの個性が強く出やすい市場だと言えます。
木村相談者
取引件数自体は減ってきてるんですか?
山川不動産の専門家
2017年〜2021年は年間70件台〜80件で推移していましたが、2022年に45件まで減り、2023年は54件、2024年は56件と、直近はやや持ち直しています。大きく減り続けているという状況ではありません。
木村相談者
向日市は今後人口が減る見込みなんですか?
山川不動産の専門家
実は向日市については、将来の人口推計データが現時点でこのサイトの元データにまだそろっていません。憶測でお答えすることは避けたいので、この記事では人口の将来見通しには触れていません。データがそろい次第、改めてこの記事を更新する予定です。
木村相談者
査定額と、この記事の中央値が大きく違ったらどうすればいいですか?
山川不動産の専門家
珍しいことではありません。この記事の数字は市全体の集計値なので、駅からの距離や土地の形、リフォーム状況といった個別要因までは反映されていません。査定額のほうが、あなたの物件そのものを見た数字なので、差があること自体は自然です。気になる場合は、複数社に査定を依頼して差の理由を聞いてみるとよいでしょう。
木村相談者
よく分かりました。じゃあ次は実際に査定を頼んでみようと思います。
山川不動産の専門家
相場が分かったら、次は実際の査定額を確認する段階です。査定は義務ではありませんし、費用もかかりません。複数の一括査定サービスに登録しておくと、条件の違う会社の見積もりを比較しやすくなります。