木村
木村相談者
軽井沢町で戸建てを持ってるんですけど、そろそろ売却を考えてまして。このあたりの相場ってどんな感じなんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
こんにちは。軽井沢町の中古戸建てですね。まず先にお伝えしておきたいのですが、軽井沢町は成約件数自体は年間130件前後としっかりあるエリアです。ただ、価格のばらつきがとても大きいのが特徴で、他の街のように「毎年きっちり上がっている/下がっている」と単純に言えない事情があります。
木村
木村相談者
件数はあるのに、なぜトレンドが言えないんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが今回いちばんお伝えしたいポイントです。国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)が公表している実際の成約データを見ながら、分かっていることと分かっていないことをはっきり分けてお話ししますね。

軽井沢町 中古戸建ての直近の相場水準

軽井沢町 中古一戸建て 年別中央価格の推移
軽井沢町 中古一戸建て 年別中央価格の推移
山川
山川不動産の専門家
まず直近の相場水準からです。2022年〜2024年の3年間をまとめたデータでは、軽井沢町の中古戸建ての中央値は3,900万円です。これは368件の成約実績をもとにした数字です。
木村
木村相談者
3,900万円かあ、けっこう高いですね。年ごとに見るとどう動いてるんですか?
山川
山川不動産の専門家
年別の中央値を並べると、2017年2,500万円、2018年2,700万円、2019年2,300万円、2020年3,100万円、2021年3,100万円、2022年2,900万円、2023年4,500万円、2024年4,150万円、という並びになります。
木村
木村相談者
2023年で急に上がって、2024年は少し下がってますね。これって下降トレンドに入ったってことですか?
山川
山川不動産の専門家
そう単純には言えません。ここが軽井沢町の一番の特徴なんですが、年ごとの中央値の増減は、市場全体の方向性というより、その年にどんな規模・仕様の物件が成約したかによる振れ幅の影響が大きいんです。
木村
木村相談者
60%って、ずいぶん幅が広いですね。なんでそんなにばらつくんですか?
山川
山川不動産の専門家
軽井沢町は明治時代から避暑地・別荘地として発展してきた歴史のある街で、広い敷地に建つ規模の大きな住宅と、比較的コンパクトな住宅とが同じ「中古戸建て」として同じ市場の中で取引されています。物件ごとの規模や仕様の差が非常に大きいため、価格帯の幅そのものが広いんです。実際、2024年の実績では、下位25%が1,600万円、上位25%が7,900万円と、同じ年の中でも5倍近い開きがあります。
木村
木村相談者
なるほど、他の街と比べて特殊な市場なんですね。
山川
山川不動産の専門家
そういうことです。なので軽井沢町の場合は、単年の中央値の上下を追いかけるより、複数年をまとめた相場水準として見ていくのが実態に合っています。2022年〜2024年の3年間・368件をまとめると中央値3,900万円、これを「軽井沢町の中古戸建ての相場感」としてお伝えするのが誠実だと思っています。
木村
木村相談者
3年でまとめても、やっぱり幅は広いままなんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい、そこは変わりません。ただ、単年よりは物件の入れ替わりがならされるぶん、街全体の水準としては安定して見えてきます。
木村
木村相談者
さっき「8年間で一貫して上がった/下がったと言える状態ではない」って言ってましたけど、2017年の2,500万円と2024年の4,150万円を単純に比べたら、結構上がってるように見えませんか?
山川
山川不動産の専門家
そこは正確にお伝えしておきたいところです。おっしゃるとおり、2017年の中央値2,500万円と2024年の中央値4,150万円を単純に計算すると、約66%の上昇という数字になります。ただ、これも「軽井沢町の市場が着実に66%値上がりした」という意味には取れません。
木村
木村相談者
数字は本当なのに、そう言えないんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい。理由はさっきの60.2%のばらつきと同じです。ばらつきの幅がこれだけ大きい市場では、たまたま2017年に規模の小さい物件が多く成約し、2024年に規模の大きい物件が多く成約した、というだけで66%という数字が出てしまうんです。実際、2019年は2,300万円まで下がっていますし、2022年も2,900万円に落ち込んでいます。一直線に上がり続けてきたわけではなく、年によって大きく上下しながら、たまたま起点と終点を比べると66%という数字になった、というのが実態に近い理解です。
木村
木村相談者
なるほど。66%は嘘じゃないけど、それを「軽井沢町は年率で見ても着実に上がっている」って解釈しちゃうと違う、ってことですね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。ここが軽井沢町の記事で一番誤解されやすいポイントなので、あえて数字を出したうえで説明しました。次は、この振れ幅が8年間を通じてどう出ているか、実際の年別データで確認してみましょう。

取引件数と物件の幅の大きさ

山川
山川不動産の専門家
続いて、件数そのものについてです。2024年の1年間の成約件数は132件でした。過去8年の年間件数を見ても92〜132件の範囲で推移していて、大きく増えたり減ったりはしていません。2017年から2024年までの8年分を、価格帯(下位25%〜上位25%)まで含めて並べてみますね。
成約件数中央値価格帯(下位25%〜上位25%)
2017年96件2,500万円1,300万円〜4,425万円
2018年109件2,700万円1,200万円〜4,000万円
2019年92件2,300万円1,275万円〜4,025万円
2020年115件3,100万円1,400万円〜5,200万円
2021年124件3,100万円1,650万円〜5,425万円
2022年108件2,900万円1,400万円〜5,875万円
2023年128件4,500万円2,175万円〜7,500万円
2024年132件4,150万円1,600万円〜7,900万円
木村
木村相談者
件数自体は減ってないんですね。むしろ増えてる感じもします。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。「取引が枯れている」わけではなく、むしろ活発に取引されている街と言えます。ただ、表を見てもらうと分かるとおり、価格帯の幅(下位25%〜上位25%)は2017年の3.4倍、2019年の3.2倍、2024年の4.9倍というように、どの年を見ても常に3倍以上の開きがあるんです。年によって多少の広がり方の違いはあっても、この幅そのものが特定の年だけの一時的な現象ではなく、軽井沢町の市場に恒常的に存在する性質だと分かります。件数が多いこと自体は相場を語る材料としてはプラスですが、その中身の物件差が大きいために、中央値だけを見ても実態がつかみにくい、というのが軽井沢町の市場の性質です。
木村
木村相談者
じゃあ、うちの家がその中でどのあたりの価格帯になるかは、この数字だけじゃ分からないってことですね。
山川
山川不動産の専門家
おっしゃる通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの家がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。特に軽井沢町のようにばらつきが大きい街では、その傾向がより強く出ます。次は、軽井沢町がどのくらいの相場水準の街なのか、県内・全国と比べてみましょう。

近隣・県内との比較

長野県内 中古一戸建て 中央価格の比較
長野県内 中古一戸建て 中央価格の比較
山川
山川不動産の専門家
軽井沢町の中古戸建ての価格帯を、長野県内の順位で見ると、相場を語れるだけのデータが揃っている県内9市町村の中で1位です。全国では691市区町村中114位という位置づけになります。
木村
木村相談者
県内1位ってかなり高いですね。長野市とか松本市と比べるとどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
県庁所在地の長野市は直近の中央値が2,300万円、県内第2の都市である松本市が2,100万円です。軽井沢町の3,900万円は、長野市の1.7倍ほどの水準にあります。同じく塩尻市は2,000万円、安曇野市は1,400万円と、県内主要都市と比べても軽井沢町がかなり高い水準にあることが分かります。
木村
木村相談者
他の市町村もついでに教えてもらえますか。
山川
山川不動産の専門家
もちろんです。長野県内で相場を語れるだけのデータが揃っている9市町村を並べると、軽井沢町3,900万円、長野市2,300万円、松本市2,100万円、塩尻市2,000万円、千曲市1,600万円、安曇野市1,400万円、上田市1,100万円、茅野市1,000万円、飯田市750万円、という順になります。軽井沢町だけが突出して高く、2位の長野市とも1,600万円ほどの差があります。
木村
木村相談者
なんでそんなに突出してるんですか?
山川
山川不動産の専門家
明確な因果関係を示すデータは今回扱っていませんが、軽井沢町は新幹線で東京方面からアクセスしやすい避暑地・別荘地として長年知られてきた街で、県内の他の市町村とは異なる需要層(別荘としての利用や移住目的の購入など)がある点が、価格水準の違いに表れていると考えられます。ただしこれは背景の一般的な説明であって、価格の先行きを保証するものではありません。
木村
木村相談者
全国で見てもやっぱり高い方なんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい。記事化できるだけのデータが揃っている全国691市区町村の中古戸建ての中央値を単純平均すると、およそ2,590万円です。軽井沢町の3,900万円は、その約1.5倍の水準にあります。長野県内で見ると、軽井沢町を除く8市町村の中央値を平均した場合はおよそ1,531万円で、軽井沢町はその約2.5倍という水準になります。
木村
木村相談者
県内平均の2.5倍か、思ったよりずっと高いですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。ここまでの数字を合わせると、軽井沢町は「価格水準としては全国的にも県内的にも高い部類に入るが、その中身は物件ごとの差が大きく、年単位の上昇/下降を断定できるほど均質な市場ではない」というのが、データから言える正確な位置づけです。
木村
木村相談者
位置づけは分かりました。うちの実際の物件だと、どのくらいの幅で考えればいいんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
そこはもう少し細かい話になります。次は、この相場水準をどう受け止めて、売却のタイミングを考えるかという話をしましょう。

「売り時」をどう考えるか

山川
山川不動産の専門家
ここまでお話しした数字をまとめると、軽井沢町の中古戸建ては、件数は十分にあるものの、物件ごとの規模・仕様の差が大きいために、単年での明確な上昇/下降トレンドを語れるほどの安定した数字は出ていない、というのが正直なところです。ただ、直近3年の相場水準(3,900万円)や、県内・全国での位置づけは、事実として押さえておける材料です。
木村
木村相談者
これだけ見て、今売った方がいいとかって言えるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
それは言えません、というのが正直な答えです。軽井沢町のように物件ごとの個別差が大きい街では、市況の数字だけで売却タイミングの良し悪しを判断するのは無理があります。ご自宅の敷地の広さ、建物の規模や築年数、立地(旧軽井沢・中軽井沢・南軽井沢などエリアによる違い)といった個別の事情のほうが、この街の市場では価格への影響が大きいです。
木村
木村相談者
個別の事情って、具体的にはどういうことを考えればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
いくつか例を挙げますね。住宅ローンが残っている場合は、残債と査定額の見込みを比べて、売却後に手元にいくら残るかを先に確認しておくことが大切です。相続で取得した別荘や住宅であれば、相続税の申告期限や、空き家のまま持ち続けると固定資産税・別荘地の管理費の負担が続くことも判断材料になります。住み替えが目的なら、次の住まいの購入・引き渡しのタイミングと、今の家の売却タイミングをどう合わせるかも重要です。
木村
木村相談者
相場の数字だけだと、自分の家がどうなのかは分からないってことですね。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの家がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。市況のデータは判断材料の一つとして持っておいて、最終的な判断はご自身の状況に照らして決めていただくのがいいと思います。
木村
木村相談者
なるほど。じゃあ実際に自分の家がいくらになるのか知りたい時は、どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは相場を調べるのとは別の一歩になるので、査定の流れを整理しますね。

相場を調べたら次にやること

山川
山川不動産の専門家
ここまでの相場感を踏まえて、実際の査定額を知りたくなったら、次のようなステップで進めるのが一般的です。
  1. 1相場水準を把握する — ここまで見てきた3,900万円という相場水準を、まず自分の中の目安として持っておきます。ただし軽井沢町は物件差が大きいので、幅を持って捉えておくのがおすすめです。
  2. 2不動産一括査定サービスに申し込む — 記事末尾で紹介する複数の査定サービスから、気になるものを選んで申し込みます。査定は義務ではないので、気になった時点で試すくらいで問題ありません。
  3. 3複数社の査定額を比較する — 一社だけでなく複数社の査定額を見比べることで、相場からの乖離や、査定額の根拠を確認しやすくなります。特に別荘としての需要がある軽井沢町では、地元の実情に詳しい会社かどうかも比較のポイントになります。
  4. 4タイミングは個別事情に合わせて決める — 査定額と市況を踏まえつつ、住み替えや資金計画など、ご自身のスケジュールに合わせて売却時期を決めます。
木村
木村相談者
分かりました。査定を受けるのは義務じゃなくて、まず知る手段って感じなんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。最後に、この記事で使ったデータの出どころをまとめておきます。

基本情報まとめ

項目内容
対象エリア長野県北佐久郡軽井沢町
対象種別中古戸建て(宅地・住宅用)
データ期間2017年〜2024年(直近相場は2022〜2024年の3年間集計)
データ件数直近3年で368件
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報
木村
木村相談者
ありがとうございます。ばらつきの大きい街なりの見方が分かってよかったです。
山川
山川不動産の専門家
こちらこそ、実際に売却を検討される際は、今日お話しした相場水準を目安にしつつ、査定サービスで実勢価格も確認してみてください。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか気になったことを聞いてもいいですか?
山川
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村
木村相談者
軽井沢町の中古戸建ては、上がってるんですか下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
8年間のデータを見る限り、一貫して上がっている、あるいは下がっているとは言えません。物件ごとの規模・仕様の差がとても大きく、年ごとの中央値の振れ幅も大きいため、直近3年をまとめた相場水準としては3,900万円前後、というのが今言える範囲です。
木村
木村相談者
なんで軽井沢町はこんなに価格のばらつきが大きいんですか?
山川
山川不動産の専門家
軽井沢町は避暑地・別荘地として発展してきた歴史があり、広い敷地に建つ規模の大きな住宅から比較的コンパクトな住宅まで、幅広いタイプの物件が同じ「中古戸建て」として取引されています。統計的なばらつきの幅は約60.2%あり、これは目安の25%を大きく上回る水準です。
木村
木村相談者
軽井沢町は本当に他の街より高いんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい。長野県内で相場を語れるだけのデータが揃っている9市町村の中で、軽井沢町の中央値(3,900万円)は1位です。2位の長野市(2,300万円)と比べても1.7倍ほどの水準で、全国691市区町村の中でも114位という位置づけです。
木村
木村相談者
2017年から2024年で66%も上がったってさっき聞きましたけど、これは信じていい数字なんですか?
山川
山川不動産の専門家
数字自体は正確です。ただ「66%値上がりした」とそのまま受け取るのは正確ではありません。軽井沢町は物件ごとの価格の幅がとても大きい市場なので、たまたまその年に成約した物件の規模や仕様によって中央値が大きく振れます。2017年から2024年の間も、2019年に2,300万円まで下がった年があるなど、一直線に上がり続けてきたわけではありません。66%という数字は事実として押さえつつ、それを将来の値上がりの根拠にはしない、という受け止め方が実態に合っています。
木村
木村相談者
査定って本当に無料なんですか?
山川
山川不動産の専門家
記事末尾で紹介する一括査定サービスは、利用者側の費用負担なく利用できるのが一般的です。ただし各サービスの詳細な利用条件は、申し込み前にそれぞれの公式サイトで確認してください。

査定額を確認する

木村
木村相談者
ありがとうございました。相場観を持った上で、査定も試してみます。
山川
山川不動産の専門家
はい、それが一番良い進め方だと思います。