木村相談者
松本市でマンションを持ってるんですけど、そろそろ売却も考えてまして。このあたりの中古マンションの相場ってどうなってるんでしょうか。
山川不動産の専門家
こんにちは。松本市の中古マンションですね。先にお伝えしておくと、松本市は年間の取引件数自体は決して少なくないエリアです。ただ、物件ごとの価格の幅がかなり広いので、「毎年きっちり上がっている/下がっている」とは言い切れない街でもあります。
木村相談者
件数はあるのに、はっきりしたトレンドとは言えないんですか。ちょっと意外です。
山川不動産の専門家
そうなんです。「データが少ないから断定できない」というよくあるパターンとは事情が違っていて、松本市の場合は8年間で466件という、まとまった取引実績があります。それでも駅に近いコンパクトなマンションから、郊外の広めの部屋まで性格が幅広いために、年ごとの中央値が振れやすいんです。この違いも含めて、国土交通省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)の実際の成約データを見ながらお話ししますね。
松本市 中古マンションの直近の相場水準
山川不動産の専門家
まず直近の相場水準です。2022年〜2024年の3年間をまとめたデータでは、松本市の中古マンションの中央値は2,300万円です。これは242件という、まとまった件数の成約実績にもとづく数字です。
木村相談者
8年間で466件ってけっこう多いですね。年ごとに見るとどう動いてるんですか?
山川不動産の専門家
2017年から2024年までの年別中央値を並べると、2017年2,300万円、2018年2,000万円、2019年1,900万円、2020年2,350万円、2021年2,500万円、2022年2,200万円、2023年2,400万円、2024年2,300万円、という並びです。それぞれの年の成約件数は29件から89件の間で、どの年も相場を語れるだけの母数があります。
木村相談者
あれ、2019年の1,900万円から2020年の2,350万円って、1年でけっこう上がってますね。件数もそこそこあるのに、こんなに動くものなんですか?
山川不動産の専門家
そこが松本市の特徴です。2019年から2020年にかけては約23.7%の上昇、逆に2021年から2022年にかけては約12.0%の下落と、1年でこれだけ振れています。件数が少ないから起きているのではなく、その年にどんな広さ・築年数のマンションが多く成約したかによって、中央値そのものが動きやすいためです。松本市は駅近のコンパクトな部屋から、郊外の広めのファミリー向けマンションまで、成約する物件の性格に幅があります。
木村相談者
じゃあ、結局どのくらいの金額で考えればいいんでしょう。
山川不動産の専門家
そういう時は、単年ではなく複数年をまとめた数字を見るのがおすすめです。2022年〜2024年の3年間・242件をまとめると中央値2,300万円、直近の2024年1年だけで見ても、価格帯の目安としては下位25%でおよそ1,275万円、上位25%でおよそ3,125万円というレンジに収まっています。
木村相談者
1,275万円から3,125万円って、かなり幅がありますね。
山川不動産の専門家
そうなんです。この幅の広さこそが、松本市の中古マンションをひとつの数字だけで語れない理由です。単年でみると、統計的なばらつきの幅はおよそ52%あります。取引件数がしっかり揃っていても、単年で見た時のばらつきの幅が目安の25%を大きく超えているため、この記事では「はっきりしたトレンド」ではなく「相場の目安」として扱っています。
木村相談者
件数があるのにばらつきが大きいって、ちょっと不思議な感じもします。
山川不動産の専門家
感覚的にはそうですよね。でも実際のところ、同じ松本市内でも駅周辺の築浅コンパクトマンションと、郊外の築年数が経ったファミリー向けマンションとでは、そもそも価格帯がまったく違います。件数を増やしても、性格の違う物件が混ざったままだと中央値の振れは残ります。逆に言えば、これだけの件数(8年間で466件)が継続的に成約している街だということ自体は、確かな事実としてお伝えできます。次は、件数そのものの推移を見てみましょう。
取引状況(成約件数)
山川不動産の専門家
続いて、件数についてです。2024年の1年間の成約件数は68件でした。過去8年間で見ても29件から89件の範囲で推移していて、大きく減ったり枯れたりはしていません。
| 年 | 成約件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 2022年 | 89件 | 2,200万円 |
| 2023年 | 85件 | 2,400万円 |
| 2024年 | 68件 | 2,300万円 |
木村相談者
件数自体は安定してるんですね。
山川不動産の専門家
はい。「取引が枯れている」わけではなく、「件数はあるが物件の性格が幅広い街」という理解が正確です。それに比べて、記事化できるだけのデータが確保できていない周辺の町村もある中で、松本市は件数の面では十分に語れる街です。
木村相談者
件数があるからこそ、逆に「物件によって全然違う」というのが見えてくるんですね。
山川不動産の専門家
そういうことです。件数の少なさで断定を避けている街とは違い、松本市は「データはあるが、街の中の物件の幅が広いために単年の断定を避けている」街だと考えてください。次は、松本市がどのくらいの相場水準の街なのか、県内・全国と比べてみましょう。
近隣・県内との比較
山川不動産の専門家
松本市の中古マンションの価格帯を長野県内で見ると、記事化できるだけのデータがある4市町村の中で4位です。全国では464市区町村中173位という位置づけになります。
木村相談者
全国では真ん中よりやや上、くらいの感じですかね。
山川不動産の専門家
そうですね、464市区町村中173位なので、上位およそ4割弱に入る位置づけです。全国の中古マンション中央値の平均はおよそ2,287万円なので、松本市の2,300万円はほぼ同水準です。
木村相談者
県内だとどうなんですか?
山川不動産の専門家
県内で見ると、1位は軽井沢町で中央値4,350万円、これは別荘需要も含む特殊な市場なので参考程度に見ておくといいと思います。2位は上田市で2,550万円、3位は長野市で2,400万円、松本市はその次の4位で2,300万円です。
木村相談者
松本市が県内では最後なんですね。
山川不動産の専門家
そうです。ただ、記事化できるだけのデータがある4市町村の中での話で、これは「相場が低い」というより「価格帯の順位」の話です。実際、松本市の水準は全国平均とほぼ同じで、県内でも軽井沢町のような特殊な市場を除けば、上田市・長野市とそこまで大きな差はありません。
| 県内順位 | 市町村 | 中央値 |
|---|---|---|
| 1位 | 軽井沢町 | 4,350万円 |
| 2位 | 上田市 | 2,550万円 |
| 3位 | 長野市 | 2,400万円 |
| 4位 | 松本市 | 2,300万円 |
木村相談者
表で見ると分かりやすいです。松本市は全国だと上位寄り、県内では4市町村中の最後、という感じなんですね。
木村相談者
位置づけは分かりました。うちの実際の部屋だと、どう考えればいいんでしょう。
山川不動産の専門家
そこは相場の数字だけでは決められない話になります。次は、この相場水準をどう受け止めて、売却のタイミングを考えるかという話をしましょう。
「売り時」をどう考えるか
山川不動産の専門家
ここまでの数字をまとめると、松本市の中古マンションは、単年での明確な上昇/下降トレンドを語れるほど価格が揃っている街ではない、というのが正直なところです。ただ、直近3年の相場水準(2,300万円)、全国173位・全国平均とほぼ同水準という位置づけ、8年間で466件という安定した取引件数は、事実として押さえておける材料です。
木村相談者
これだけ見て、今売った方がいいとかって言えるものなんですか?
山川不動産の専門家
それは言えません、というのが正直な答えです。松本市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは、市況の数字だけで「今が売り時」と決めるのは無理があります。ご自宅の立地(駅からの距離)、専有面積、築年数、それに住み替えや資金計画といった個別の事情のほうが、この街では影響が大きいです。
木村相談者
個別の事情って、具体的にはどういうことを考えればいいんですか?
山川不動産の専門家
いくつか例を挙げますね。住宅ローンが残っている場合は、残債と査定額の見込みを比べて、売却後に手元にいくら残るかを先に確認しておくことが大切です。相続で取得した部屋であれば、相続税の申告期限や、空き家のまま持ち続けると管理費・修繕積立金の負担が続くことも判断材料になります。住み替えが目的なら、次の住まいの購入・引き渡しのタイミングと、今の部屋の売却タイミングをどう合わせるかも重要です。それから、松本市のように駅からの距離や築年数が物件ごとに大きく異なるエリアでは、同じ「2,300万円」という相場水準でも、実際の物件によって数百万円単位で評価が変わることも珍しくありません。
木村相談者
相場の数字だけだと、自分の部屋がどうなのかは分からないってことですね。
山川不動産の専門家
その通りです。相場は「街全体の傾向」を示すもので、「あなたの部屋がいくらで売れるか」を直接答えるものではありません。市況のデータは判断材料の一つとして持っておいて、最終的な判断はご自身の状況に照らして決めていただくのがいいと思います。
木村相談者
なるほど。じゃあ実際に自分の部屋がいくらになるのか知りたい時は、どうすればいいですか?
山川不動産の専門家
そこは相場を調べるのとは別の一歩になるので、査定の流れを整理しますね。
相場を調べたら次にやること
山川不動産の専門家
ここまでの相場感を踏まえて、実際の査定額を知りたくなったら、次のようなステップで進めるのが一般的です。
- 1相場水準を把握する — ここまで見てきた2,300万円という相場水準を、まず自分の中の目安として持っておきます。
- 2不動産一括査定サービスに申し込む — 記事末尾で紹介する複数の査定サービスから、気になるものを選んで申し込みます。査定は義務ではないので、気になった時点で試すくらいで問題ありません。
- 3複数社の査定額を比較する — 一社だけでなく複数社の査定額を見比べることで、相場からの乖離や、査定額の根拠を確認しやすくなります。
- 4タイミングは個別事情に合わせて決める — 査定額と市況を踏まえつつ、住み替えや資金計画など、ご自身のスケジュールに合わせて売却時期を決めます。
木村相談者
分かりました。査定を受けるのは義務じゃなくて、まず知る手段って感じなんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。最後に、この記事で使ったデータの出どころをまとめておきます。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 長野県松本市 |
| 対象種別 | 中古マンション(区分所有・共同住宅) |
| データ期間 | 2017年〜2024年(直近相場は2022〜2024年の3年間集計) |
| データ件数 | 直近3年で242件(8年間累計466件) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報 |
木村相談者
ありがとうございます。件数があっても断定できない理由がよく分かりました。
山川不動産の専門家
こちらこそ、実際に売却を検討される際は、今日お話しした相場水準を目安にしつつ、査定サービスで実勢価格も確認してみてください。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか気になったことを聞いてもいいですか?
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村相談者
松本市の中古マンションは、上がってるんですか下がってるんですか?
山川不動産の専門家
8年間のデータを見る限り、一貫して上がっている、あるいは下がっているとは言えません。年ごとの振れ幅が大きく、直近3年をまとめた相場水準としては2,300万円前後、というのが今言える範囲です。
木村相談者
なんで松本市はこんなに数字が振れるんですか?
山川不動産の専門家
件数自体は8年間で466件あり、少なくありません。ただ松本市は駅周辺の築浅コンパクトなマンションから、郊外の築年数が経ったファミリー向けマンションまで、成約する物件の性格に幅があります。そのため件数が十分あっても、年によってどんな物件が多く成約したかで中央値が動きやすく、単年の増減をトレンドとして断定できません。
木村相談者
築年数ごとの相場は出せないんですか?
山川不動産の専門家
今回使っているデータの単位では、築年数帯ごとに分けて安定した数字を示せるだけの母数が確保できていません。無理に帯を分けると、かえって実態とずれた数字になってしまうため、この記事では市全体の中央値でお伝えする方針にしています。
木村相談者
個別のマンション名や、町丁目単位での相場は分からないんですか?
山川不動産の専門家
この記事のもとになっている国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib)の取引価格データは、市区町村単位で公表されているもので、特定のマンション名や町丁目までは分かりません。個別の建物名で相場を調べたい場合は、不動産ポータルサイトの物件情報も合わせて参照するのがおすすめです。この記事では、国が公表する成約データにもとづく市区町村単位の相場水準を、正確にお伝えすることを大事にしています。
木村相談者
査定って本当に無料なんですか?
山川不動産の専門家
記事末尾で紹介する一括査定サービスは、利用者側の費用負担なく利用できるのが一般的です。ただし各サービスの詳細な利用条件は、申し込み前にそれぞれの公式サイトで確認してください。
査定額を確認する
木村相談者
ありがとうございました。相場観を持った上で、査定も試してみます。
山川不動産の専門家
はい、それが一番良い進め方だと思います。