木村
木村相談者
鎌倉の一戸建てに住んでるんですけど、最近「鎌倉は人気だから高く売れる」ってよく聞くんです。実際どうなんですか。
山川
山川不動産の専門家
結論から言うと、数字の上では鎌倉市の中古戸建ては明確に値上がりしてきた街です。国土交通省の不動産情報ライブラリに集計されている実際の取引データで見ると、2017年から2024年にかけて中央値が約33%上昇しています。ただ「だから今すぐ売るべき」という話ではないので、順番に見ていきましょう。
木村
木村相談者
33%はけっこう大きいですね。何を基準にした数字なんですか。
山川
山川不動産の専門家
実際に成約した中古戸建て(宅地の土地と建物)の取引価格を年ごとに集計した中央値です。噂やイメージではなく、国交省が公表している実際の取引データだけを使っています。まずはその推移をグラフで見てもらうのが早いと思います。

鎌倉市の中古戸建て価格、8年でどう動いたか

鎌倉市 中古戸建て 中央値の推移(万円)
鎌倉市 中古戸建て 中央値の推移(万円)
木村
木村相談者
グラフを見ると、右肩上がりって感じですね。途中で下がってる年もありますけど。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。2017年は中央値3,800万円でしたが、2018年に4,200万円まで上がり、2019年・2020年はいったん4,000万円前後まで落ち着いています。そこから2021年に4,500万円、2022年と2023年は4,800万円で足踏みし、2024年に5,050万円まで伸びました。1年前の2023年と比べると+5.2%の上昇です。
木村
木村相談者
一直線じゃなくて、上がったり足踏みしたりしながら結果的に上がってきた、という感じなんですね。
山川
山川不動産の専門家
まさにそうです。年ごとの実際の数字を並べておきますね。
年中央値25%タイル75%タイル取引件数
2017年3,800万円2,750万円4,700万円212件
2018年4,200万円3,200万円5,200万円189件
2019年4,000万円3,200万円4,600万円162件
2020年3,900万円3,075万円4,800万円176件
2021年4,500万円3,425万円5,900万円190件
2022年4,800万円3,600万円6,225万円176件
2023年4,800万円3,625万円6,500万円182件
2024年5,050万円4,000万円6,775万円174件
木村
木村相談者
25%タイルとか75%タイルって何ですか。難しそうです。
山川
山川不動産の専門家
難しく考えなくて大丈夫です。その年に取引された物件を安い順に並べたとき、下から4分の1あたりの価格が25%タイル、下から4分の3あたりが75%タイルです。2024年で言うと、安めの物件でも4,000万円、高めの物件だと6,775万円くらいまで幅があった、ということです。同じ鎌倉市内でも立地や広さで価格の幅はかなり広いと考えておいてください。
山川
山川不動産の専門家
数字の動きは分かってもらえたと思うので、次は取引件数の話をしますね。価格だけでなく「どれくらいの数が売買されているか」も、街の状況を知るうえで大事な材料です。

取引件数はどう推移しているか

木村
木村相談者
価格の話に夢中になってましたけど、そもそも鎌倉で戸建てって年間どれくらい売買されてるんですか。
山川
山川不動産の専門家
2024年は174件でした。2017年は212件だったので、件数自体はやや減っています。ただ年によって162件から212件の範囲で推移しており、極端に少ない年があるわけではありません。安定して一定数の取引がある市と言えます。
木村
木村相談者
件数が少ない年に極端な値が出たりしないんですか。
山川
山川不動産の専門家
そこは実際に確認しています。鎌倉市の場合、年間の取引件数が160件を下回る年がなく、価格のばらつきも一定の範囲に収まっているため、単年の中央値の動きをそのまま傾向として読み取れると判断しています。取引が薄い市区町村だと年によって値が大きく暴れることがあるのですが、鎌倉市はそのリスクが低いということですね。
木村
木村相談者
なるほど、だからさっきのグラフをそのまま信じていいってことなんですね。将来的な人口はどうなんでしょう。鎌倉って観光地のイメージもあるので、住む人は減ってそうな気もします。

将来人口について、正直にお伝えします

山川
山川不動産の専門家
実はここは正直にお話ししないといけないところです。将来推計人口のデータは、このサイトではまだ収集・掲載できていません。国交省や自治体の推計人口データを今後追加していく予定ですが、現時点では鎌倉市に限らず全市区町村でこの項目は空欄になっています。
木村
木村相談者
え、そうなんですね。てっきり載ってるものだと思ってました。
山川
山川不動産の専門家
分からないことを分かるふりで書くのは避けたいので、正直にお伝えしています。人口の増減は住宅需要を考えるうえで確かに材料の一つにはなりますが、価格と人口を単純に結びつけるのも実は危ういんです。金利や再開発、エリアの人気度など他の要因も大きく影響するので、人口だけで「上がる」「下がる」と決めつけるのは正確ではありません。今回は価格と取引件数という、確認できているデータに絞ってお伝えしますね。
山川
山川不動産の専門家
データの話が続いたので、ここからは「じゃあ売り時なのかどうか」という、木村さんが一番知りたい部分に入りますね。

鎌倉市の中古戸建て、売り時をどう考えるか

木村
木村相談者
そうです、それが聞きたかったんです。結局、今売ったほうがいいんですか。
山川
山川不動産の専門家
そこは私からは断定できません。鎌倉市の中古戸建ては、8年で+32.9%、直近1年でも+5.2%と価格が上昇してきた事実があります。それに加えて、県内の順位で見ても鎌倉市は目立った位置にいます。
木村
木村相談者
順位ってどういうことですか。
山川
山川不動産の専門家
神奈川県内で価格水準が「ok」区分(取引データがしっかり揃っていて傾向を語れる)の市区町村のうち、鎌倉市の2024年中央値5,050万円は県内50市区町村中6位です。全国では691市区町村中41位。さらに、8年間の上昇率で見ると県内32市区町村中1位、全国179市区町村中17位でした。全国平均(約4,001万円)と比べても約1.26倍の水準です。
木村
木村相談者
県内で上昇率1位はすごいですね。じゃあ売ったほうがいいってことじゃないんですか。
山川
山川不動産の専門家
気持ちは分かるのですが、そこで断定しないのがこのサイトの立場です。価格が上がっているのは事実ですが、売るかどうかは木村さんの個別の事情次第です。住み替えの計画があるのか、まだ住み続けたいのか、資金的な事情はどうか、といったことのほうが重要な判断材料になります。データはあくまで「今の相場観」を知るための材料であって、背中を押すためのものではありません。
木村
木村相談者
分かりました。じゃあ、もし売ることを考えるとしたら、次に何をすればいいんですか。

相場を調べたら、次にやること

山川
山川不動産の専門家
相場観をつかんだら、次は実際の査定額を確認する段階です。ここでも一つだけ注意してほしいことがあります。
  1. 1相場を確認する — ここまで見てきたような公的データで、自分の街のおおよその相場感をつかむ
  2. 2一括査定を試す — 複数の不動産会社にまとめて査定を依頼し、金額の幅を確認する
  3. 3査定額を比較する — 会社ごとの査定額や対応を比べ、依頼するかどうかをゆっくり判断する
  4. 4売却時期を決める — 個別の事情(住み替え・資金計画など)と相場観を合わせて、自分のタイミングで決める
木村
木村相談者
査定は義務じゃないなら、気軽に試してみてもいいかもしれないですね。ちなみに、鎌倉市の基本的なデータって他にもまとまってたりしますか。

鎌倉市の中古戸建て、基本データまとめ

山川
山川不動産の専門家
はい、ここまでの内容を表にまとめておきますね。
項目内容
対象市区町村鎌倉市(神奈川県)
対象種別中古戸建て(宅地・土地と建物)
2024年中央値5,050万円
8年間の変化率(2017→2024年)+32.9%
直近1年の変化率(2023→2024年)+5.2%
2024年の取引件数174件
県内順位(価格水準)6位/50
全国順位(価格水準)41位/691
県内順位(8年上昇率)1位/32
全国順位(8年上昇率)17位/179
データ出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)
木村
木村相談者
こうやって表になってると分かりやすいです。近くの市とかと比べたらどうなんですか。

近隣の市区町村と比べてみると

鎌倉市と近隣市区町村の中古戸建て中央値比較(万円)
鎌倉市と近隣市区町村の中古戸建て中央値比較(万円)
山川
山川不動産の専門家
近隣のいくつかの市と並べてみましょう。鎌倉市以外は取引件数がやや少なめで相場の目安として算出されている市も含まれるので、その点は前提として見てください。
市区町村2024年時点の目安価格8年変化率
鎌倉市5,050万円+32.9%
藤沢市4,600万円+15.0%
逗子市4,000万円(参考値)算出できるデータなし
横須賀市2,600万円(参考値)算出できるデータなし
葉山町4,600万円(参考値)算出できるデータなし
木村
木村相談者
鎌倉市がいちばん高いんですね。藤沢市もけっこう近い感じですか。
山川
山川不動産の専門家
藤沢市も8年で+15.0%上昇していて、鎌倉市と同じく値上がり傾向にある街です。ただ上昇率で比べると鎌倉市の+32.9%のほうが大きく、県内の上昇率順位でも鎌倉市が1位、藤沢市はそれより下位という結果になっています。逗子市・横須賀市・葉山町は取引件数が少なめで、価格の方向性(上がっているか下がっているか)まで断定できるデータが今のところ揃っていないため、目安の価格のみの掲載にとどめています。
木村
木村相談者
横須賀市はだいぶ価格が違うんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。同じ神奈川県内、同じ三浦半島エリアでも、駅からの距離やエリアの人気度によって水準は大きく変わります。近隣だから同じ相場、というわけではないので、あくまで自分の市区町村のデータを基準に考えるのがおすすめです。横須賀市の中古戸建て記事も合わせて見てみると、周辺エリア全体の相場感がつかみやすいと思います。
木村
木村相談者
最後にいくつか聞きたいことがあるんですけど、いいですか。

よくある質問

木村
木村相談者
そもそもこの価格って、売り出し価格じゃなくて実際に売れた価格なんですよね。
山川
山川不動産の専門家
はい、その通りです。国交省の不動産情報ライブラリに登録されている実際の成約データを使っています。不動産ポータルサイトに出ている「売り出し価格」とは違い、実際に取引が成立した価格なので、より実態に近い数字だと考えています。
木村
木村相談者
うちの家の築年数だと、この中央値と比べてどう考えればいいですか。
山川
山川不動産の専門家
今回のデータは築年数別には分けていない、市全体の中央値です。築年数によって価格が変わるのは間違いありませんが、鎌倉市の中古戸建てはまだ築年数帯別の集計データが揃っていないため、正確な裏付けのある数字だけをお見せするという方針上、無理に築年数別の目安は出していません。まずは市全体の相場感をつかんでもらって、実際の査定で自分の物件の条件を詳しく見てもらうのがおすすめです。
木村
木村相談者
今後、人口のデータも見られるようになるんですか。
山川
山川不動産の専門家
はい、将来推計人口のデータは今後追加していく予定です。追加され次第、この記事にも反映します。今の時点では、正直に「まだ載せられません」とお伝えするのが誠実だと考えています。
木村
木村相談者
10年後にいくらになるか、みたいな予測はしてもらえないんですか。
山川
山川不動産の専門家
あえてしていません。将来の価格を予測する情報サイトもありますが、それはあくまでモデルによる推計であって、実際にその価格で売れると約束するものではありません。このサイトでは過去の実際の取引データだけをお見せする方針にしています。未来を当てにいくより、事実に基づいた今の相場観を正確に伝えるほうが、木村さんの判断の役に立つと考えているからです。
山川
山川不動産の専門家
だいたいお伝えしたいことは以上です。最後にもう一度だけ確認しておきたいのは、今回の内容は売り時を断定するものではないということです。

まとめ、そして次の一歩

木村
木村相談者
鎌倉市の中古戸建ては8年で3割以上値上がりしていて、県内でも上昇率がトップクラス。でも、それだけで売るかどうかを決めなくていい、ということですね。
山川
山川不動産の専門家
その理解で大丈夫です。相場が分かったところで、気になる方は実際の査定額を一度確認してみるのも一つの方法です。
木村
木村相談者
ありがとうございます。急かされる感じがなくて、逆に相談しやすかったです。
山川
山川不動産の専門家
それが一番大事なところです。数字はあくまで判断材料の一つ。最終的にどうするかは、木村さんの生活や事情に合わせて決めてください。