木村
木村相談者
山川さん、浜松市中央区にマンションを持ってるんですけど、そろそろ売ろうかどうか迷ってて。不動産サイトをいくつか見たら、あるサイトは「この2年で15%上がってます」って書いてあるし、別のサイトだと㎡単価がどうとか出てきて、結局今どうなのかよく分からなくて……。
山川
山川不動産の専門家
それ、中央区に限らずよくあるお悩みです。サイトによって「何を、どの期間で」集計しているかが違うので、印象がバラバラに見えるんです。今日は国交省が公開している実際の成約価格を、2017年から2024年まで8年分並べて、感覚ではなく数字で今の位置をつかんでいきましょう。
木村
木村相談者
えっ、感覚じゃなくて数字で見られるんですね。それは助かります。
山川
山川不動産の専門家
ええ、不動産情報ライブラリという国交省のデータベースです。中央区で実際に取引された中古マンションの中央値(真ん中の価格)を、年ごとに並べてみます。

浜松市中央区の中古マンション価格はどう動いてきたか

浜松市中央区の中古マンション中央値の推移(2017年〜2024年)
浜松市中央区の中古マンション中央値の推移(2017年〜2024年)
山川
山川不動産の専門家
この8年間の価格推移です。中央値は、高い物件と安い物件を並べたときの真ん中の価格で、平均より実勢に近い指標です。
中古マンション中央値取引件数
2017年1,300万円217件
2018年1,200万円198件
2019年1,400万円164件
2020年1,300万円210件
2021年1,400万円295件
2022年1,400万円281件
2023年1,400万円280件
2024年1,500万円310件
木村
木村相談者
2017年の1,300万円から2024年の1,500万円まで、単純に計算すると15%くらい上がってる感じですね。さっき見たサイトの「15%上がった」ってこれのことなのかな。
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この数字だけで「上昇トレンドにある」と言い切ることはできません。年ごとの動きを見ると、2017年1,300万円→2018年1,200万円のように下がった年もあれば、2019年1,400万円→2020年1,300万円と上下しています。2022年〜2024年は1,400万円・1,400万円・1,500万円とほぼ同水準が続いていて、大きく跳ねているわけでもありません。8年間の始点と終点だけを比べれば+15%ですが、途中の振れ方まで見ると「一直線に上がってきた」とは言えないんです。なぜここまで年ごとにブレるのか、次のセクションで理由を見ていきましょう。

この数字は「実際に売れた金額」です

木村
木村相談者
ちなみにこの価格って、売り出しの希望価格じゃなくて、本当に売れた金額なんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが大事なところです。この記事の数字はすべて「成約価格」、つまり実際に取引が成立した金額です。国交省が取引当事者に調査した公的データを使っています。
木村
木村相談者
一括査定サイトで見る「相場」とは違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
サイトによって違います。㎡単価を独自の方法で加工して70㎡換算の価格を出しているところもあれば、間取り別の平均価格や、ざっくりした「前年比」だけを見せているところもあります。中央区のデータでいうと、成約件数の年別推移や、その数字がどれくらい信頼できるかまで踏み込んでいるサイトは見当たりませんでした。この記事の数字は、独自加工をせず、成約価格の中央値をそのまま8年分並べています。
木村
木村相談者
推定でも加工後の指数でもなくて、区全体の実際に売れた結果の数字なんですね。それなら信頼できます。
山川
山川不動産の専門家
ええ。ただし中央値だけを見ていても、実態の半分しか分かりません。次は価格の幅と、この数字がどれくらい信頼できるかを見てみましょう。

価格の幅とデータの信頼度

木村
木村相談者
2024年の中央値1,500万っていうのは、みんなその金額で売れてるってことですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、そこは誤解しやすいところです。中央値はあくまで真ん中で、実際には幅があります。2024年のデータでは、価格帯の下から4分の1にあたる金額(p25)が762.5万円、上から4分の1(p75)が2,500万円です。中央値1,500万円をはさんで、この間に多くの取引が収まっています。
木村
木村相談者
762万から2,500万って、3倍以上の開きがありますね。
山川
山川不動産の専門家
マンションは築年数・専有面積・駅からの距離・管理状態で価格が大きく変わる商品なので、幅が出やすいんです。中央区はJR浜松駅周辺の再開発エリアのように比較的新しい物件もあれば、駅から離れた住宅地には築年数の古い小規模な物件も残っていて、規模も築年もさまざまな物件が同じ区の中で取引されています。ここでもう一つ確認しておきたいのが、2024年という単年の数字がどれくらい信頼できるかという点です。2022年から2024年の3年分をプールすると、取引件数は871件、中央値は1,400万円になります。
木村
木村相談者
871件ってかなり多いですね。年間でも300件近くあるし、これだけあれば安定してるんじゃないですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが中央区らしいところなんです。年間217〜310件と、件数自体は少なくありません。ただ、2024年単年の相対信頼区間の幅は26.7%で、取引データが十分とみなす基準(25%以下)をわずかに上回っています。これは「取引が少ないから分からない」というより、物件ごとの価格差そのものが大きいために、件数がそこそこあっても単年のブレが基準をわずかに超えてしまっている、というのが実態です。
木村
木村相談者
件数は多いのに、それでも断定できないんですか?
山川
山川不動産の専門家
ええ、そこが「取引が少ないから分からない」とは理由が違うところです。中央区は再開発エリアの新しめの物件から郊外の小規模な物件まで、さまざまな条件の物件が同時に取引されていて、その組み合わせが年ごとに変わることで中央値そのものが動きやすくなっています。2022年〜2024年が1,400万円・1,400万円・1,500万円とほぼ横ばいに見えるのは事実ですが、単年の数字だけで「上昇トレンド」と言い切るのは基準に対してわずかに足りない状態です。なので、この記事では直近3年をプールした1,400万円を現時点の相場水準として扱い、単年の上げ下げをトレンドとしては断定していません。次のセクションで、将来人口についても触れておきます。

浜松市中央区の将来人口の見通しについて

木村
木村相談者
人口が増えてるから価格も上がってるっていう話をよく聞くんですが、中央区はどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、浜松市中央区の将来推計人口はこのデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。データが揃い次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
そうなんですね。人口ってそんなに大事な材料なんですか?
山川
山川不動産の専門家
需要と供給を考えるうえでの材料の一つにはなります。ただ、人口が増えている街だからといって即座に価格が上がるわけではなく、金利や再開発、駅からの距離など他の要因も絡みます。人口の動きだけで将来の価格を決めつけるのは、実は難易度が高い話なんです。相場の水準がつかめたところで、次は中央区が全国や県内と比べてどうなのかを見てみましょう。

全国・県内のなかで浜松市中央区はどのくらいの水準か

周辺エリアの中古マンション中央値の比較(直近3年)
周辺エリアの中古マンション中央値の比較(直近3年)
山川
山川不動産の専門家
次に、中央区の価格が周りと比べてどのくらいの水準なのかを見ましょう。相場は「その区だけ」では判断しにくく、近隣や全国と比べて初めて意味を持ちます
比較軸浜松市中央区の位置
静岡県内の中古マンション中央値8位/12市区町村(中位よりやや下)
全国の中古マンション中央値365位/464市区町村(下位寄り)
全国平均(取引データが十分な区分の中央値の単純平均)との比較全国平均 約2,884.9万円に対して約0.49倍の水準
木村
木村相談者
県内8位/12、全国だと365位/464……。下のほうなんですね。
山川
山川不動産の専門家
県内では中位よりやや下、全国では下位寄りの水準です。突出して高いエリアではないというのが正確なところです。近隣の市区とも並べてみましょう。
市区町村中古マンション中央値データの扱い
駿東郡長泉町3,000万円(直近3年)参考値(取引が少ないため)
静岡市葵区2,200万円(直近3年)参考値(物件ごとの価格の幅が大きいため)
静岡市駿河区2,100万円(直近3年)参考値(物件ごとの価格の幅が大きいため)
浜松市中央区1,400万円(直近3年)参考値(物件ごとの価格の幅が大きいため)
沼津市1,300万円(直近3年)参考値(物件ごとの価格の幅が大きいため)
浜松市浜名区250万円(直近3年)参考値(取引が少ないため)
木村
木村相談者
こうして見ると、同じ浜松市内でも中央区と浜名区でかなり差があるんですね。中央区は真ん中よりちょっと下くらい。
山川
山川不動産の専門家
ええ、この6市区の中では中央区は長泉町・葵区・駿河区に次いで4番目の水準です。浜名区は同じ浜松市内でも件数が年間19〜39件程度と少なく、「取引が少ないため」参考値としています。中央区・葵区・駿河区・沼津市の4市区は取引件数自体はそこそこあるものの、物件ごとの価格差の大きさから参考値としている、という違いがあります。より広いエリアの相場は静岡県の売り時判定記事一覧でも比較できます。
木村
木村相談者
水準がやや下位というだけじゃなくて、方向を断定しにくい理由も市区によって違うんですね。

浜松市中央区の中古マンションは「売り時」なのか、どう考えるか

木村
木村相談者
水準はやや下位で、8年で15%相当上がったように見えるけど方向は断定できない……。これって、うちはどう考えたらいいんでしょう。
山川
山川不動産の専門家
中央区のマンションで、考える材料を並べるとこうなります。
浜松市中央区のマンション・売り時を考える3つの材料
  1. 1単年のトレンドは断定できない — 2022年1,400万円、2023年1,400万円、2024年1,500万円とほぼ横ばいで推移しているが、8年間を通すと2017年1,300万円→2018年1,200万円のような下落も含めて振れており、直近3年(2022〜2024年)をまとめた中央値は1,400万円。相対信頼区間幅も26.7%と基準をわずかに超えるため、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していない。
  2. 2マンションは個別性が大きい — 2024年の価格帯は762.5万〜2,500万円と幅が広く、築年数・専有面積・駅からの距離・管理状態で数百万円単位で変わる。相場よりも自分の部屋そのものの査定額が決め手になる。
  3. 3将来人口のデータは現時点で未収集 — このサイトでは根拠のない数字を出すより扱わない方針のため、中央区の将来人口には触れていない。データが揃い次第この記事を更新する。
木村
木村相談者
「8年で上がったから今すぐ」でも「方向が分からないから様子見」でもなくて、まず自分の部屋がどのあたりの位置か知るのが先、ってことですね。
山川
山川不動産の専門家
「8年で上がったから今すぐ」でも「方向が分からないから様子見」でもありません。ご自身の事情と、自分の部屋の実際の査定額。この2つが揃って初めて、納得のいく判断ができます。ちなみに、中央区で戸建てを持っている方向けには浜松市中央区の中古戸建ての売り時記事も用意しています。戸建ての方は8年で横ばい・直近1年は下落気味という、マンションとは少し違う値動きになっているので、同じ区でも種別ごとに見るのがおすすめです。
木村
木村相談者
そう言われると気が楽です。煽られると逆に迷っちゃうので。
山川
山川不動産の専門家
大切なのは、正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断することです。そのためには、中央値の話から一歩進んで、自分の部屋の査定額を把握しておくのがおすすめです。

相場が分かったら、次にやること

木村
木村相談者
じゃあ、実際にうちがいくらで売れそうか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
  1. 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・専有面積・築年数・階数など)を入力する
  2. 2各社から提示される査定額を比べて、相場観(直近3年の中央値1,400万円前後)と照らし合わせる
  3. 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。

この記事のデータについて

項目内容
対象エリア静岡県浜松市中央区
対象種別中古マンション
データ期間2017年〜2024年(成約価格ベース)
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)
集計方法年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール
データの十分性参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きいため、単年の方向は断定していません)
2024年取引件数310件(3年プールでは871件)
木村
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は数字で整理できてスッキリしました。
山川
山川不動産の専門家
中央区の相場は県内・全国ともにやや下位で、単年の方向は断定できないという状況です。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。最後によくある質問もまとめておきますね。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川
山川不動産の専門家
どうぞ。中央区のマンション売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自加工した指数ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村
木村相談者
浜松市中央区のマンション相場はいくらくらいですか?
山川
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は1,400万円です。2024年単年では1,500万円ですが、価格帯は762.5万円〜2,500万円まで幅があり、物件ごとの差が大きいエリアです。
木村
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
中央区は単年の相対信頼区間幅が26.7%と基準(25%以下)をわずかに上回っているため、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2017年1,300万円から2024年1,500万円で単純計算では15%相当の変化ですが、2017年→2018年に1,300万円→1,200万円と下がった年もあった8年間なので、始点と終点だけを見て方向を決めつけないようにしています。
木村
木村相談者
他の不動産系のサイトだと、中央区の相場がもっと違う金額で出てくることがあるんですが、なぜですか?
山川
山川不動産の専門家
サイトによって何を集計しているかが違うからです。㎡単価を独自の方法で加工して70㎡換算の価格を出しているところもあれば、間取り別の平均価格や定性的なエリア紹介だけのところもあります。本記事は国交省の成約価格をそのまま中央値で集計したものなので、「実際にいくらで売れたか」に最も近い数字だと考えてください。
木村
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川
山川不動産の専門家
現時点で中央区の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
査定は無料ですか?
山川
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。