木村相談者
山川さん、伊東にマンションを持ってるんですけど、そろそろ売ろうか迷ってるんです。伊豆の別荘やリゾートマンションって、相場がよく分からなくて。ネットで調べても、サイトによって「700万円くらい」とか「上昇トレンド」とか言ってることがバラバラで、どれを信じていいか分からなくて。
山川不動産の専門家
それは伊東市のマンションを調べていると、よく起きることです。伊東市は伊豆半島有数の温泉リゾート地で、リゾートマンションから住居用まで物件の幅が広いエリアなんです。まずはサイトの推定価格ではなく、国が公表している実際に売買が成立した成約価格を一緒に見ていきましょう。
木村相談者
成約価格って、売り出し価格とは違うんですか?
山川不動産の専門家
はい、違います。不動産ポータルサイトの多くは「今売り出し中の価格」や、独自の計算式で出した推定値を載せています。一方で今日見るのは、国土交通省の不動産情報ライブラリ(XIT001)という公的データベースに登録された、実際に取引が成立した価格です。売り出し価格より、実勢に近い数字だと考えてください。
伊東市の中古マンション価格はどう動いてきたか

山川不動産の専門家
これが2021年から2024年までの、伊東市の中古マンション成約価格の年別中央値です。中央値は、価格を安い順に並べたときのちょうど真ん中の金額のことです。
| 年 | 中古マンション中央値 | 取引件数 |
|---|---|---|
| 2021年 | 650万円 | 26件 |
| 2022年 | 780万円 | 47件 |
| 2023年 | 580万円 | 39件 |
| 2024年 | 600万円 | 39件 |
木村相談者
2022年に780万円まで上がって、2023年に580万円まで下がって、2024年はまた少し戻って600万円。上がってるのか下がってるのか、正直よく分からないです。
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では「上昇」「下降」といったトレンドの断定をしていません。理由は次のセクションで具体的な数字とあわせてご説明します。ちなみに2017年から2020年までは、国のデータベース上で伊東市の中古マンション成約記録が確認できず、集計対象外としています。
なぜ単年の数字だけで判断できないのか

木村相談者
さっきの表を見ると、件数自体も年によって結構違いますね。
山川不動産の専門家
そこがポイントです。伊東市の中古マンションは、年間の成約件数が26件から47件と、もともとそれほど多くありません。件数が少ないと、その年にたまたま高額な別荘タイプの物件が何件か成約しただけで中央値が押し上げられたり、逆に手頃な物件が多かった年は中央値が下がったりと、実際の相場変化とは関係なく数字が振れやすくなります。
木村相談者
2022年の780万円は、たまたま高めの物件が多かった年だった可能性があるってことですか?
山川不動産の専門家
可能性としてはあります。統計的な言い方をすると、2024年単年のデータでは相対的な信頼区間の幅が75%にもなります。これは、取引が十分にある区分の目安(25%以下)を大きく超える数字です。件数が少ないぶん、単年の中央値そのものの信頼性が低いということです。
木村相談者
じゃあ、結局今の相場はいくらくらいと考えればいいんですか?
山川不動産の専門家
単年ではなく、直近3年分をまとめて考えるのが伊東市には合っています。次のセクションで、その水準を具体的に見てみましょう。
伊東市の相場感(直近3年の水準)
山川不動産の専門家
2022年から2024年までの3年間をまとめると、合計125件の成約があり、その中央値は650万円です。この650万円が、この記事で伊東市の相場水準として使う数字です。
| 集計 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 2022〜2024年プール | 125件 | 650万円 |
| うち2024年単年 | 39件 | 600万円 |
木村相談者
650万円って、幅で言うとどのくらいばらつくものなんですか?
山川不動産の専門家
2022年から2024年の各年で見ると、価格帯の下から4分の1(p25)は375万円〜470万円、上から4分の1(p75)は950万円〜1,200万円のあいだで動いています。つまり伊東市の中古マンションは、安いものでおよそ400万円前後、高いものだと1,000万円を超えるものまであり、物件のタイプによってかなり価格差がある市場だと言えます。
木村相談者
温泉大浴場付きのリゾートマンションと、普通の住居用マンションが混ざっているような感じですかね。
山川不動産の専門家
そういう見方もできると思います。だからこそ、伊東市全体の中央値650万円はあくまで市全体のざっくりした目安であって、あなたの部屋そのものの価格は、専有面積・階数・眺望・管理状態・リゾート施設の有無などで大きく変わります。相場観をつかんだうえで、最終的には個別の査定額を見るのが確実です。
売り時をどう考えるか
木村相談者
それで結局、伊東市のマンションは今が売り時なんでしょうか?
山川不動産の専門家
そこは、この記事だけでは断定できません。理由を整理しますね。
木村相談者
「上がってるから急いで売れ」でも「下がってるから待て」でもなく、そもそも方向を決められるだけのデータがないってことなんですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。伊東市全体の相場は水準としては全国的に低めのグループで、方向は単年データだけでは判断できない、この2つを分けて考えるのが誠実な向き合い方だと思っています。実際に売るかどうかは、価格の話とは別に、住み替えのタイミングや管理の負担など、ご自身の事情で決めるのが一番です。
木村相談者
変に煽られなくて、逆に安心しました。
山川不動産の専門家
正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断していただくのが一番です。そのためには、中央値の話から一歩進んで、自分の部屋の査定額を把握しておくのがおすすめです。次に、その流れを見てみましょう。
相場が分かったら、次にやること
木村相談者
相場のイメージがついたので、実際にうちの部屋がいくらくらいになるのか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
- 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・専有面積・築年数・階数・リゾート施設の有無など)を入力する
- 2各社から提示される査定額を比べて、相場観(3年プールの中央値650万円前後)と照らし合わせる
- 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。
この記事のデータについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 静岡県伊東市 |
| 対象種別 | 中古マンション |
| データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース。2017〜2020年は成約記録なし) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報) |
| 集計方法 | 年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール |
| データの十分性 | 参考値として掲載(取引件数が少ないため、単年の方向は断定していません) |
| 2024年取引件数 | 39件(3年プールでは125件) |
| 将来人口の見通し | この記事の対象データにはまだ収集できていません(分かり次第更新します) |
木村相談者
それなら安心して調べられそうです。「分からないことは分からない」まではっきりしたので、逆にすっきりしました。
山川不動産の専門家
続いて、伊東市の水準を近隣の市と比べてみましょう。同じ伊豆エリアでも、立地によって相場がかなり違うのが分かると思います。
近隣・同県の市区町村との比較
山川不動産の専門家
伊東市の中古マンション中央値650万円(3年プール)は、全国464市区町村中458位、静岡県内12市町中では11位という水準です。全国の「取引が十分な区分」の市区町村の単純平均(約2,885万円)と比べると、およそ23%程度の水準になります。
| 市区町村 | 中古マンション中央値(直近3年プール) | 2024年取引件数 |
|---|---|---|
| 熱海市 | 1,300万円 | 276件 |
| 沼津市 | 1,300万円 | 99件 |
| 三島市 | 1,900万円 | 41件 |
| 伊東市(この記事) | 650万円 | 39件 |
木村相談者
伊東市だけ、他の3つよりだいぶ低いんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。熱海市・沼津市・三島市はいずれも東京方面への交通アクセスが良く、通勤圏としての需要も一定あるエリアです。一方、伊東市は伊豆半島の南寄りに位置し、リゾート・別荘需要の色合いが強いぶん、通年の居住需要を背景にした熱海市などと比べると水準が低めに出ていると考えられます。ちなみに伊東市は中古戸建ての相場情報も別にまとめているので、あわせて見てみると市全体の傾向がつかみやすいと思います。
木村相談者
熱海市も件数の割に方向を断定していないんですね。
山川不動産の専門家
熱海市は逆に件数は276件と多いのに、物件ごとの価格差が大きいために単年の方向を断定していません。伊東市は件数そのものが少ないために断定していない、という違いがあります。同じ「方向を決めていない」でも、理由が異なるということです。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川不動産の専門家
どうぞ。伊東市のマンション売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自の推定値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村相談者
伊東市の中古マンション相場はいくらくらいですか?
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は650万円です。2024年単年では600万円ですが、価格帯はおおむね375万円〜1,200万円まで幅があります。
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
伊東市は年間の取引件数が26〜47件と少なく、単年の相対信頼区間の幅が75%と大きいため、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2022年780万円→2023年580万円→2024年600万円という動きも、件数の少なさによる振れの可能性があります。
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川不動産の専門家
現時点で伊東市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
査定は無料ですか?
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。
木村相談者
伊東市は近くの熱海市や沼津市と比べて何が違うんですか?
山川不動産の専門家
中央値で見ると、熱海市が1,300万円、沼津市が1,300万円、三島市が1,900万円、伊東市が650万円(いずれも直近3年プール)です。伊東市は4市の中で中央値が最も低い一方、取引件数も39件と最も少なく、他の3市に比べて市場そのものがやや小規模です。