木村相談者
すみません、和歌山市で戸建てに住んでるんですけど、そろそろ売却も考えていて。今のこのあたりの相場ってどんな感じなんでしょうか。
山川不動産の専門家
こんにちは、山川です。和歌山市の中古戸建て(土地付き)ですね。国交省の不動産情報ライブラリに集計されている実際の取引データをもとに、一緒に見ていきましょう。
木村相談者
お願いします。テレビとかネットだと「今が売り時」みたいな見出しをよく見るので、正直どこまで信じていいのか分からなくて。
山川不動産の専門家
そのお気持ち、よく分かります。サイトによって相場の見せ方や数字の出所が違うので、まずは「どのデータを見ているか」をはっきりさせてお話ししますね。
和歌山市の中古戸建て 価格の推移(2017年〜2024年)

木村相談者
このグラフの帯みたいなの、けっこう広いですね。
山川不動産の専門家
そこがこの街の戸建て市場の特徴です。2024年の実績では、価格の中央値は800万円ですが、実際に取引された物件の25%タイルは337.5万円、75%タイルは2,100万円と、同じ「戸建て」でもかなり幅があります。
木村相談者
え、337万円と2,100万円じゃ全然違いますよね。同じ市の中でそんなに差があるものなんですか。
山川不動産の専門家
はい。「宅地(土地と建物)」という区分には、古い平屋から築浅の大きな住宅まで幅広い物件が含まれます。立地や築年数、土地の広さによって価格帯が大きく分かれるので、市全体の1つの数字だけでは実態をつかみにくいんです。
木村相談者
なるほど。じゃあ年ごとの中央値だけ見て「上がった」「下がった」って判断しちゃうのは危ないってことですか。
山川不動産の専門家
その通りです、それが一番お伝えしたいポイントです。個々の物件の価格は、駅からの距離や土地の広さ、建物の築年数、接道の状況など、いくつもの条件の掛け合わせで決まります。市全体の中央値は、そうした条件が違う物件をまとめてならした「目安」でしかない、という前提で見ていただくのがちょうどいいと思います。表で年ごとの中央値を見てみましょう。
| 年 | 中央値 | 価格帯(25%〜75%タイル) | 取引件数 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 1,600万円 | 550万円〜2,500万円 | 329件 |
| 2018年 | 1,700万円 | 527.5万円〜2,600万円 | 304件 |
| 2019年 | 1,600万円 | 500万円〜2,600万円 | 304件 |
| 2020年 | 1,700万円 | 525万円〜2,600万円 | 323件 |
| 2021年 | 1,550万円 | 550万円〜2,675万円 | 338件 |
| 2022年 | 1,300万円 | 400万円〜2,475万円 | 294件 |
| 2023年 | 895万円 | 335万円〜2,500万円 | 274件 |
| 2024年 | 800万円 | 337.5万円〜2,100万円 | 296件 |
山川不動産の専門家
こうして並べると、2021年までは1,500万円台〜1,700万円台で推移していて、2022年以降は中央値が下がって見えます。ただ、価格帯の広さ(分散)自体は毎年ほぼ変わっていません。取引される物件の内訳(築年数や広さの組み合わせ)が年によって変わっているだけの可能性もあり、この数字の動きだけで「下落トレンドが続く」と言い切るのは適切ではありません。
木村相談者
内訳の違いって、具体的にはどういうことですか。
山川不動産の専門家
たとえば、その年に建て替え目的で購入される老朽化した空き家が多く取引されれば土地値中心の安い価格が増えますし、逆に駅に近い築浅の住宅がまとまって取引されれば中央値は押し上げられます。同じ「和歌山市の戸建て」でも、年によって売れているものの顔ぶれが変わるため、単年の中央値の増減だけを追うと実態を見誤りやすいんです。
木村相談者
じゃあ、結局「今いくらくらいで売れそう」っていうのはどう見ればいいんでしょう。
山川不動産の専門家
直近3年、つまり2022年から2024年の取引をまとめると、中央値は980万円です。この3年間だけで864件の取引データが集まっているので、単年よりは安定した目安になります。ご自宅がこの価格帯の中でどのあたりに位置しそうかは、立地や広さ、築年数によって変わってきます。
木村相談者
取引件数も見といたほうがいいってさっき言ってましたね。
山川不動産の専門家
そうですね、次はそこを見てみましょう。
年間の取引件数はどう変わってきたか

木村相談者
件数もけっこう波がありますね。
山川不動産の専門家
2017年の329件から2023年の274件まで、年によって多少の増減はありますが、270件台〜330件台のレンジには収まっています。極端に取引が枯れている年はなく、直近の2024年も296件と、過去8年の中では標準的な水準です。
木村相談者
件数が急に減ってるとかじゃなければ、そこまで焦る必要はなさそうですね。
山川不動産の専門家
件数の面では落ち着いています。ただ、繰り返しになりますが価格の幅は大きいので、件数の安定=価格の安定、とは言えない点は覚えておいてください。あと補足しておくと、このデータは不動産ポータルサイトに載っている「売り出し中」の物件数ではなく、国交省が実際に成約した取引をもとに集計したものです。売り出し件数とは性質が違う点は知っておいていただくとよいと思います。
木村相談者
なるほど、成約ベースなんですね。それは安心感があります。ちなみによそのまちと比べるとどうなんですか、和歌山市の戸建てって。
山川不動産の専門家
いい質問ですね、次はそこを見てみましょう。
全国・県内で見るとどのくらいの水準か
山川不動産の専門家
中古戸建ての記事化対象になっている全国691市区町村の中で、和歌山市の中央値980万円は604位です。上位ほど価格が高い順位になるので、これより価格水準が低い市区町村は87ほどで、全国の中では低めの部類に入ります。対象市区町村の中央値を単純平均すると約2,590万円になり、それと比べても4割に届かない水準です。
木村相談者
そうなんですね、意外と低いんですね。都市部と比べたら当然そうなるのかな。
山川不動産の専門家
都市部の戸建ては土地の価格自体が高いので、そこと比べると水準が違って見えるのは自然なことです。全国平均には地価の高い大都市圏の市区町村も含まれるので、そこと単純比較して「安すぎる」と捉える必要はありません。県内で見ると、現時点でデータが十分にそろって比較できるのは和歌山市と橋本市の2市です。
| 市区町村 | 中古戸建て中央値(直近3年) | 県内順位 |
|---|---|---|
| 和歌山市 | 980万円 | 1位 / 2市中 |
| 橋本市 | 595万円 | 2位 / 2市中 |
木村相談者
橋本市より和歌山市のほうが高いんですね。県庁所在地だから、というのも理由になりますか。
山川不動産の専門家
そうですね、順位でいうと県内では和歌山市が1位です。県庁所在地で人口や商業施設が集まっていることは、一般的には利便性の高さにつながりやすい要素のひとつではあります。ただ、それが価格差の唯一の理由と決めつけることはできず、あくまで複数ある要因のひとつとして捉えていただくのがよいと思います。2市だけの比較なので、これも「和歌山市が県内で一番高い」というより「今データが揃っている中では」という前提つきで見てもらえればと思います。データが十分にそろっていない市町村は、この記事のような形でまだ紹介できていません。
木村相談者
他の不動産サイトでも和歌山市の相場は見たことあるんですけど、数字がバラバラでどれを信じたらいいか分からなかったんですよね。
山川不動産の専門家
それも無理はないと思います、次はそこを整理しておきましょう。
なぜサイトによって相場の数字が違って見えるのか
山川不動産の専門家
不動産の相場情報サイトには、大きく分けて2種類あります。ひとつは、実際に成約した取引を集計するタイプ。もうひとつは、独自のロジックやAIモデルで「このくらいだろう」と推定するタイプです。この記事の数字はすべて前者、国交省の不動産情報ライブラリに登録された実際の取引データそのものです。
木村相談者
推定タイプのサイトだと、どう違ってくるんですか。
山川不動産の専門家
推定モデルは築年数や面積、駅距離などの条件をそろえた「標準的な物件」を想定して価格を算出するので、実際の取引の幅(ばらつき)は見えにくくなります。将来の価格を予測するAIモデルを使っているサイトもありますが、それは過去の傾向をもとにした一つのシナリオであって、実際にその価格で取引される保証ではありません。どちらが正しい・間違っているという話ではなく、何を根拠にした数字なのかを知った上で参考にすることが大切です。
木村相談者
この記事は、そこがはっきりしてるから安心して見られるってことですね。
山川不動産の専門家
そう受け取っていただけたら嬉しいです。取引件数や価格帯の幅まで含めて開示しているので、数字の裏側まで確認できます。たとえば「2024年の中央値800万円」という数字ひとつをとっても、この記事では元になった取引が296件あることや、実際の価格帯が337.5万円〜2,100万円まで広がっていることまで一緒に見られます。数字だけを切り出して見せているサイトだと、その裏側の件数や幅までは分からないことが多いです。ちなみに、この記事で扱っているのは土地と建物がセットで取引された「戸建て」の事例だけです。土地だけの取引や、中古マンションの取引は含めていません。取引の種類によって値動きの傾向が違うことがあるので、あえて分けて集計しています。
木村相談者
なるほど、混ぜて平均を出されるより、そのほうが分かりやすいですね。
山川不動産の専門家
分かりました、じゃあ最後に、一番聞きたかった「売り時」の考え方についてお話ししますね。
「売り時」をどう考えるか
山川不動産の専門家
まず事実として、2022年以降は年ごとの中央値が下がって見える一方で、価格帯自体(いくらからいくらまで取引されているか)は大きく変わっていません。これは「相場全体が下落している」と断定できる材料ではなく、年による取引物件の違いも影響している可能性がある、というのが正直なところです。
木村相談者
じゃあ「今すぐ売ったほうがいい」とか「もう少し待ったほうがいい」とか、そういうアドバイスはもらえないんですか。
山川不動産の専門家
そこは私からは言えません、というより言うべきではないと思っています。データが示しているのは「価格帯の目安」と「取引の活発さ」までです。実際に売るかどうかは、住み替えのタイミングやご家族の事情、資金計画など、木村さんご自身の状況によって答えが変わってくるものです。
木村相談者
なるほど、まずは目安を知るだけでもいいんですね。それなら気軽に聞けそうです。
山川不動産の専門家
はい、その使い方で十分です。目安が分かったところで、実際に査定を受ける場合の流れも簡単にお伝えしておきますね。
相場を調べたら次にやること
- 1相場を把握する — このページのようなデータで、ご自宅がある地域のおおよその価格帯をつかみます。
- 2一括査定サービスに申し込む — 複数の不動産会社から査定額を比較できるサービスを使うと、1社だけに相談するより価格の目安がつかみやすくなります。
- 3複数社の査定額を比較する — 提示された金額と根拠(周辺の取引事例など)を見比べます。
- 4売るかどうかを判断する — 査定額が出た時点で、売却するかどうかを改めて考えれば十分です。
木村相談者
査定を受けたら、そのまま売らないといけないわけじゃないんですね。
山川不動産の専門家
もちろん違います。査定はあくまで「今の目安を知る」ための情報収集です。金額を見てから、やっぱり今回は見送る、という判断も自然なことです。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 和歌山県和歌山市 |
| 対象物件種別 | 中古戸建て(宅地・土地と建物) |
| データの対象期間 | 2017年〜2024年 |
| 直近3年集計期間 | 2022年〜2024年 |
| 直近3年中央値 | 980万円(取引864件) |
| 2024年の年間取引件数 | 296件 |
| 出典 | 国交省 不動産情報ライブラリ 不動産取引価格情報(XIT001) |
木村相談者
最後に、ちょっと気になってたことを聞いてもいいですか。
山川不動産の専門家
もちろんです、よくある質問も一緒に見ておきましょう。
よくある質問
木村相談者
和歌山市の中古戸建ては、これから値上がりする可能性ってあるんですか。
山川不動産の専門家
今の取引データだけでは、将来の値上がり・値下がりを予測することはできません。分かるのは過去の取引実績と、直近の価格帯だけです。将来の予測が必要な場合は、この記事のデータに加えて、複数の不動産会社の意見も参考にすることをおすすめします。
木村相談者
査定額って、この記事の中央値の980万円に近い金額になるんですか。
山川不動産の専門家
近くなるとは限りません。中央値はあくまで市全体の目安で、実際の査定額は立地や築年数、土地の形状、建物の状態など個別の条件で大きく変わります。目安として980万円という数字は覚えておいて、実際の金額は査定で確認するのがおすすめです。
木村相談者
取引件数が少ない年があるのも気になったんですけど、大丈夫なんでしょうか。
山川不動産の専門家
和歌山市の場合、年間270件台〜330件台で推移していて、極端に少ない年はありません。今回相場の方向を断定しなかったのは件数の少なさではなく、同じ「戸建て」でも物件ごとの価格差が大きいことが理由です。
木村相談者
この記事の数字と、他の不動産サイトの数字が違ったらどっちを信じればいいですか。
山川不動産の専門家
どちらかが間違っているというより、算出方法が違うと考えてください。この記事は国交省の実際の取引データそのものです。推定ロジックを使ったサイトの数字と幅があっても不自然ではありません。迷ったときは、実際に複数社から査定を受けて、根拠と一緒に金額を比較するのが一番確実です。
木村相談者
「戸建て」の記事と「土地」の記事は別なんですか。うちは古い家なので、更地にして売る可能性もあるんですけど。
山川不動産の専門家
はい、この記事は建物付きで取引された事例だけを集計しています。更地(土地のみ)で取引された事例は含まれていません。建物を解体して土地として売る可能性がある場合は、この記事の数字を「建物ありのまま売った場合の目安」として見ていただき、実際の判断は査定の際に不動産会社に土地としての価値もあわせて確認してもらうのがおすすめです。
木村相談者
よく分かりました、ありがとうございます。まずは査定を受けて目安を確認してみようと思います。
山川不動産の専門家
それが一番よい進め方だと思います。下記のサービスから、複数社の査定額を比較してみてください。査定はいつでも途中でやめられますし、申し込んだからといって売却の義務が発生するものではありません。