木村
木村相談者
山川さん、此花区で戸建てに住んでるんですけど、そろそろ売ろうか迷っていて。このあたりの中古戸建てって、今どれくらいの値段で取引されてるんですか?
山川
山川不動産の専門家
こんにちは。此花区の中古戸建ての相場を、国交省の不動産情報ライブラリが公開している実際の成約データを使って一緒に確認していきましょう。売り出し中の希望価格ではなく、実際に売主と買主が合意して取引が成立した金額をもとにした集計です。
木村
木村相談者
実際に売れた値段ってことですね。どれくらいのデータがあるんですか?
山川
山川不動産の専門家
此花区の中古戸建て(宅地(土地と建物)の取引のうち、住宅・共同住宅用途のもの)は、2017年から2024年までの8年間、年によって26件から58件の取引データが継続して積み上がっています。まずは、今の相場水準からお伝えしますね。

此花区の中古戸建て、今の相場感

大阪市此花区 中古戸建て 年別価格中央値の推移
大阪市此花区 中古戸建て 年別価格中央値の推移
山川
山川不動産の専門家
2022年から2024年までの直近3年間、此花区で実際に取引された中古戸建て139件をまとめると、価格の中央値は2,200万円です。これが今の相場水準の目安になります。
木村
木村相談者
あれ、2024年の1年だけだと表にも2,200万円って出てますよね。たまたま同じ数字なだけですか?
山川
山川不動産の専門家
良いところに気づきましたね。たまたまです。此花区は年間の取引件数が26件から58件とそれなりにある区なんですが、同じ年の中でも安い物件と高い物件の価格差がとても大きいという特徴があります。件数の少なさよりも、この価格のばらつきの大きさが理由で、1年分だけを見るとかなり数字が振れやすいんです。だから直近3年をまとめて相場水準として見るようにしています。
木村
木村相談者
件数はそこそこあるのに、なんでそんなに価格差が出るんですか?
山川
山川不動産の専門家
此花区は臨海部の工場・倉庫が多いエリアと、住宅地としてまとまっているエリアが混在していて、土地の広さや建物の構造・築年数の幅がもともと大きい地域なんです。次は、実際の年ごとの数字を見ながらそのばらつき具合を確認してみましょう。

年ごとの動きと、そのばらつき

山川
山川不動産の専門家
此花区の中古戸建ての、2017年から2024年までの年別中央値と価格帯はこちらです。
中央値価格帯の目安(p25〜p75)取引件数
2017年2,350万円1,100万円〜3,175万円46件
2018年1,700万円653万円〜2,650万円26件
2019年2,700万円1,500万円〜3,375万円58件
2020年2,900万円980万円〜3,400万円31件
2021年2,400万円950万円〜3,500万円29件
2022年2,500万円900万円〜3,400万円47件
2023年2,100万円1,005万円〜3,500万円47件
2024年2,200万円1,300万円〜3,700万円45件
木村
木村相談者
こう見ると、2020年の2,900万円から2023年の2,100万円まで下がって、2024年にまた2,200万円に戻ってますね。これって下落してから持ち直したってことですか?
山川
山川不動産の専門家
そう言い切れないのが、此花区のデータの特徴なんです。表の「価格帯の目安」を見てもらうと分かる通り、どの年も下位25%と上位25%の差が2,000万円前後あって、同じ年の中の価格差がとても大きいですよね。しかも各年26件から58件の取引の中に、規模も築年数もばらばらな物件が混ざっているので、中央値が年によって上下しやすい状態なんです。上昇傾向とも下降傾向とも、この振れ方だけでは断定できません
木村
木村相談者
数字は分かったんですけど、この「信頼できるかどうか」ってどう判断すればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこは次にきちんと説明しますね。

この中央値、どれくらい信頼できる数字なのか

木村
木村相談者
中央値って言われても、それがどれくらい確かな数字なのか、正直ピンと来ないんですけど。
山川
山川不動産の専門家
いい質問です。この記事では、単年の数字がどれくらいブレやすいかを示す指標(相対信頼区間幅)も確認したうえで公開しています。此花区の2024年単年はこの指標が95.5%でした。この記事でトレンドを断定できる基準としているのは25%以下なので、95.5%は基準を大きく超えていて、「2024年の2,200万円」を単年のまま上昇・下降の根拠として使うのは適切ではない水準ということになります。
木村
木村相談者
基準の4倍近いってことですね。じゃあ、2024年の数字はまったく信用できないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いえ、そうではありません。2,200万円という数字自体はうそではなく実際の取引の中央値です。ただ「今年は前年よりこう動いた」という方向性の話をするには不確かすぎる、ということです。だからこそ、2022〜2024年の3年分をプールした2,200万円を、方向を語らない「相場の目安」として使うのがこの記事の考え方です。
木村
木村相談者
なるほど、数字自体は本物だけど、1年単位の増減トークには使わない方がいいってことですね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。相場感はつかめたと思うので、次は此花区の水準を大阪市内の他の区や全国と比べてみましょう。

大阪市内の近隣区・全国と比べると

大阪市 中古戸建て価格の近隣区比較
大阪市 中古戸建て価格の近隣区比較
山川
山川不動産の専門家
此花区の2,200万円という水準を、隣接する区と並べてみます。
中古戸建て価格の目安
西区(参考値)4,050万円
都島区(参考値)3,500万円
福島区(参考値)3,350万円
西淀川区(参考値)2,800万円
港区(参考値)2,500万円
此花区(本記事)2,200万円
木村
木村相談者
此花区、この中だと一番低いんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。西区の4,050万円と比べると半分近い水準で、隣接する港区(2,500万円)と比べても此花区の方が低めです。ただし、表に挙げた区はすべて此花区と同じように「物件ごとの価格の幅が大きい、または取引が少ない」ことを理由に参考値扱いになっている区なので、金額の高い・低いだけを厳密な優劣として受け取らず、あくまで大阪市内でのおおまかな位置づけとして見てください。
木村
木村相談者
全国とか大阪府の中だとどのくらいの位置なんですか?
山川
山川不動産の専門家
価格の水準を比較できる全国691市区町村の中で、此花区は354位です。大阪府内58市区町村の中では30位で、どちらもほぼ真ん中の順位になります。この691市区町村の中古戸建て価格を単純平均すると約2,590万円、大阪府内58市区町村の平均は約2,570万円なので、此花区の2,200万円は全国平均のおよそ85%、大阪府平均のおよそ86%という水準です。
木村
木村相談者
区ごとの比較は分かったんですけど、大阪市全体でひとくくりにするとどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
大阪市内で中古戸建てのデータが確認できる22区の中央値を単純平均すると、約3,130万円です。此花区の2,200万円は、この大阪市全体の平均と比べるとおよそ70%の水準になります。この平均に含まれる区にも此花区と同じく参考値扱いの区が多いので、こちらも大阪市内での大まかな位置づけとして見てください。
木村
木村相談者
全国的にも府内的にも大阪市内的にも、平均よりちょっと控えめってことですね。
山川
山川不動産の専門家
そう言えます。極端に高いエリアでも極端に安いエリアでもなく、大阪市内では相対的に手が届きやすい価格帯にあると考えられます。他の市区町村ともっと広く比べたい場合は、大阪府の売り時判定記事一覧もあわせてご覧ください。相場の位置づけが分かったところで、次はこれをどう「売り時」の判断に使うかを考えてみましょう。

売り時をどう考えるか

木村
木村相談者
結局、うちは今売った方がいいんでしょうか?
山川
山川不動産の専門家
そこは私からは「今が売り時です」とは言えません。ここまで見てきたように、此花区の中古戸建ては2022〜2024年の相場水準が2,200万円で、大阪市内では低めから中位、全国・府内順位でもほぼ真ん中に位置しています。ただし年ごとのブレが大きいデータなので、この数字だけを根拠に「上がっているから今のうち」「下がっているから待った方がいい」と判断するのは適切ではありません
木村
木村相談者
数字だけで焦って決めない方がいいってことですね。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。相場はあくまで判断材料の一つで、いつ売るかを最終的に決めるのはご自身の状況次第です。
木村
木村相談者
相場観はつかめました。実際に自分の家がいくらになるか気になってきたので、査定を受けてみようかな。
山川
山川不動産の専門家
それでは、実際に査定額を確認する流れを見ておきましょう。

相場を調べたら次にやること

  1. 1相場を把握する — このページの2,200万円という直近3年の相場水準と、年ごとの価格帯を確認しておきます。
  2. 2一括査定を申し込む — 記事末尾のリンクから、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。
  3. 3複数社の査定額を比較する — 会社によって査定額に差が出ることがあるため、1社だけでなく複数社を比較します。
  4. 4売るかどうかを判断する — 査定額と相場水準を踏まえ、売却するかどうか、いつ売るかをご自身の事情に合わせて判断します。
木村
木村相談者
焦らず、まず査定額を見てから考えればいいんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうです。最後に、此花区の中古戸建てデータの基本情報をまとめておきますね。

基本情報まとめ

項目内容
対象エリア大阪府大阪市此花区
物件種別中古戸建て(宅地(土地と建物)、住宅・共同住宅用途)
直近の相場水準2,200万円(2022〜2024年・取引139件の中央値)
データ対象期間2017年〜2024年
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001) 不動産取引価格情報
2024年単年の相対信頼区間幅95.5%(基準25%を超えるため単年トレンドは非提示)
大阪府内順位58市区町村中30位
全国順位691市区町村中354位
木村
木村相談者
ありがとうございます、すごく参考になりました。
山川
山川不動産の専門家
どういたしまして。最後によくある質問もまとめておくので、気になるところがあれば見てみてください。

よくある質問

木村
木村相談者
此花区の中古戸建てって、結局いくらくらいなんですか?
山川
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年間、取引139件をまとめた中央値は2,200万円です(出典: 国交省 不動産情報ライブラリ XIT001)。年によって1,700万円〜2,900万円と幅があるので、一つの目安として捉えてください。
木村
木村相談者
今後、価格は上がるんですか? それとも下がるんですか?
山川
山川不動産の専門家
此花区は物件ごとの価格の幅がとても大きく、2024年単年の信頼区間幅も95.5%と基準の25%を大きく超えているため、上昇・下降のどちらかを断定できるデータではありません。複数年の相場水準を参考にすることをおすすめします。
木村
木村相談者
うちは築年数がけっこう経ってるんですけど、築年数別の相場みたいなのは分からないんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、此花区の中古戸建ては築年数の帯ごとに分けて出せるほど各帯のデータがまとまっていないため、今回は築年数別の相場はお出ししていません。根拠が薄い数字を無理に出すより、出さない方が誠実だと考えています。ここで示した2,200万円という中央値は、築年数を問わず此花区全体の取引をならした数字として参考にしてください。
木村
木村相談者
将来の人口が減るかどうかも、価格に関係あるって聞いたことがあるんですけど、此花区はどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
将来推計人口も需給を考える材料の一つになり得ますが、此花区についてはこの記事の時点でその推計データを確認できていません。確認できていない数字を持ち出して判断材料にするのは誠実でないので、今回は過去の取引価格の実績データに絞って紹介しています。データが揃い次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
一括査定って絶対受けないといけないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、義務ではありません。相場を把握したうえで、査定を受けるかどうか、実際に売却するかどうかはご自身の状況に合わせて判断していただくものです。
木村
木村相談者
他の不動産系のサイトだと、此花区の相場がもっと違う金額で出てくることがあるんですが、なぜですか?
山川
山川不動産の専門家
サイトによって何を集計しているかが違うからです。売り出し中の物件価格を独自のロジックで加工した推定値を載せているところや、間取り帯ごとの平均値を出しているところ、直近1年だけの平均取引価格の前年比増減を出しているところなど、集計方法はさまざまです。本記事は国交省の成約価格をそのまま中央値で集計し、価格のばらつきが大きい年は方向性を断定しない方針で作っているので、「実際にいくらで売れたか」に近い数字として見てもらいつつ、単年の増減率だけを鵜呑みにしないことをおすすめします。

査定の依頼先を選ぶ

山川
山川不動産の専門家
相場観をつかんだら、実際の査定額を確認してみましょう。複数の一括査定サービスを載せておくので、比較してみてください(いずれもアフィリエイト広告です)。
木村
木村相談者
いくつか比べてみて、実際の査定額を見てから考えてみます。ありがとうございました。
山川
山川不動産の専門家
どういたしまして。相場を知ったうえで、ご自身のタイミングでゆっくり判断していただければと思います。