木村相談者
山川さん、瀬戸市のマンション、そろそろ売ろうかどうか迷っていて。いくつか不動産サイトを見てみたんですけど、あるサイトでは「9年で10%くらい上がってる」って書いてあって、別のサイトでは「直近3年は5%くらい下がってる」って書いてあるんです。どっちを信じたらいいのか分からなくなってしまって。
山川不動産の専門家
それは瀬戸市の中古マンションを調べていると、よくある話です。実は瀬戸市は年によって取引される物件の幅が大きく、単年の数字だけでは方向を判断しにくいエリアのひとつなんです。サイトによって言っていることが違って見えるのは、瀬戸市が嘘をついているのではなく、見ている期間や物件の違いで数字が振れやすいからです。まずは国交省の公的データで、実際の成約価格がどう動いてきたか一緒に見ていきましょう。
木村相談者
幅が大きいって、具体的にはどういうことですか?
山川不動産の専門家
国交省の不動産情報ライブラリという公的データベースに、実際に成約した中古マンションの記録があります。瀬戸市の2017年から2024年までの年別中央値を並べると、その特徴がよく分かります。
瀬戸市の中古マンション価格はどう動いてきたか
山川不動産の専門家
これが2017年から2024年までの年別中央値です。中央値は、価格を安い順に並べたときのちょうど真ん中の金額のことです。
| 年 | 中古マンション中央値 | 取引件数 |
|---|---|---|
| 2017年 | 1,200万円 | 28件 |
| 2018年 | 900万円 | 32件 |
| 2019年 | 1,250万円 | 30件 |
| 2020年 | 1,200万円 | 33件 |
| 2021年 | 1,100万円 | 77件 |
| 2022年 | 1,200万円 | 85件 |
| 2023年 | 1,300万円 | 57件 |
| 2024年 | 1,100万円 | 69件 |
木村相談者
2022年に1,200万円、2023年は1,300万円まで上がって、2024年でまた1,100万円に下がって……。たしかにこれだけ見ると、上がってるのか下がってるのか、正直よく分かりませんね。
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では「上昇」「下降」といったトレンドの断定をしていません。瀬戸市は2021年以降、年間の取引件数自体は57〜85件とそこまで極端に少ないわけではないのですが、物件ごとの価格の幅がかなり大きいため、単年の中央値が年によって振れやすいという特徴があります。表を見ると、2018年の900万円が8年間でいちばん低く、2023年の1,300万円がいちばん高くなっていて、その差は単年ベースで4割以上あります。次のセクションで、その幅を具体的な数字でお見せします。
なぜ単年の数字だけで判断できないのか
木村相談者
幅が大きいというのは、実際どのくらいなんですか?
山川不動産の専門家
2024年のデータで見てみましょう。中央値は1,100万円ですが、価格帯の下から4分の1にあたる金額(p25)は650万円、上から4分の1(p75)は1,500万円です。同じ2024年の瀬戸市の中でも、これだけの開きがあります。
木村相談者
650万円と1,500万円だと、2倍以上違いますね。
山川不動産の専門家
そうなんです。2024年単年の相対信頼区間の幅は45.5%にもなります。取引が十分な区分(トレンドを語れる基準)は25%以下なので、瀬戸市の単年データはその基準を大きく上回っています。件数自体が飛び抜けて少ないわけではなく、築年数や広さ、立地など物件ごとの個別差が価格に強く出やすいことが、この幅の主な理由です。
木村相談者
じゃあ、この1,100万円っていう数字自体はどのくらい信用していいんですか?
山川不動産の専門家
数字自体は実際の成約データそのもので、捏造や推定ではありません。ただ「2024年は1,100万円だから、来年もこのくらい」と単年だけで判断するのは危ういということです。そこで2022年から2024年の3年分をプールした中央値も見てみましょう。3年分をまとめると取引件数211件、中央値1,200万円になります。単年よりも振れが小さく、瀬戸市の直近の相場水準としてはこちらの1,200万円のほうが実態に近いと考えられます。
木村相談者
単年の1,100万円と3年プールの1,200万円は、そんなに離れてないんですね。
山川不動産の専門家
はい、大きくは変わりません。ただ2022年の1,200万円、2023年の1,300万円、2024年の1,100万円のように単年だけを見ると年によって上下するのは変わらない事実です。この記事でも、瀬戸市の代表的な相場水準としては3年プールの1,200万円を使い、単年の上下だけで「上がった」「下がった」と言い切ることは避けています。物件ごとの価格の幅が大きいため、単年では方向を断定せず直近3年の相場水準として表示する、という扱いです。
木村相談者
最初に見たサイトが「上がってる」「下がってる」でバラバラだったのも、これで納得できました。
山川不動産の専門家
そういうことです。この数字はすべて実際に成約した金額であることも補足しておきます。広告に出ている「売り出し価格」は売主の希望額なので、実際の成約より高めに出やすい傾向がありますが、この記事の数字はすべて成約ベースです。相場観がつかめたところで、次は他の市や全国と比べて瀬戸市がどのくらいの水準なのかを見てみましょう。
全国・県内のなかで瀬戸市はどのくらいの水準か
山川不動産の専門家
瀬戸市の水準を、県内の他市や全国と比べてみましょう。相場は単独では意味を持ちにくく、他と比べて初めて位置づけが分かります。
| 比較軸 | 瀬戸市の位置 |
|---|---|
| 愛知県内の中古マンション中央値 | 38位/43市区町村 |
| 全国の中古マンション中央値 | 406位/464市区町村 |
| 全国(取引が十分な区分の単純平均)との比較 | 平均 約2,885万円に対して4割強の水準 |
| 愛知県内(取引が十分な区分の単純平均)との比較 | 平均 約2,268万円に対して5割強の水準 |
木村相談者
全国平均の4割強、愛知県内平均でも5割強ってことは、全国的にも県内的にもかなり低めの水準なんですね。
山川不動産の専門家
水準としては全国的にも県内的にも低めのグループに入ります。ただし比較対象の平均は、どちらも「トレンドを語れる取引が十分な区分」に限った平均なので、瀬戸市(参考値扱い)を単純に同列で見すぎない方がよいです。あくまで目安として捉えてください。瀬戸市の近くの名古屋近郊エリアの市区と並べてみましょう。
| 市区 | 中古マンション中央値 | 取引件数 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 長久手市 | 3,000万円 | 93件(2024年) | 取引が十分な区分 |
| 名古屋市名東区 | 2,800万円 | 326件(2024年) | 取引が十分な区分 |
| 名古屋市守山区 | 1,800万円 | 194件(2024年) | 取引が十分な区分 |
| 春日井市 | 1,700万円 | 539件(直近3年プール) | 参考値 |
| 瀬戸市 | 1,200万円 | 211件(直近3年プール) | 参考値 |
| 尾張旭市 | 1,200万円 | 241件(直近3年プール) | 参考値 |
木村相談者
あれ、長久手市へのリンクは無いんですね。
山川不動産の専門家
長久手市は「取引が十分な区分」でデータ自体はしっかりしているのですが、記事の準備がまだ整っていないため、今はリンクを付けずに数字だけ紹介しています。瀬戸市は県央エリアの中では、水準としては下のほうに位置しています。
木村相談者
瀬戸市は名古屋のすぐ近くのわりに、名東区や守山区よりだいぶ低いんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。名東区や守山区は取引が十分な区分で、単年のトレンドをはっきり語れるエリアです。一方で瀬戸市・春日井市・尾張旭市は、いずれも単年だけでは方向を断定できない参考値扱いです。同じ「参考値」でも、春日井市は3年プール539件、尾張旭市は241件と、瀬戸市の211件に近い規模感で、名古屋近郊エリア全体として物件ごとの価格差が出やすい傾向があると言えます。
木村相談者
水準の話とトレンドの話は、別々に考えたほうがいいんですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。数字の意味を正確に分けて見るのが、判断を誤らないコツです。ここまでの事実を踏まえて、瀬戸市でマンションを売ろうか考えるときの材料を整理してみましょう。
瀬戸市のマンションは「売り時」なのか、どう考えるか
木村相談者
水準は低めのグループ、方向は分からない……。これって、待ったほうがいいのか、動いたほうがいいのか、正直よく分からなくなってきました。
山川不動産の専門家
瀬戸市のマンションで、考える材料を並べるとこうなります。
瀬戸市のマンション・売り時を考える3つの材料
- 1単年トレンドは断定できない — 2023年に1,300万円まで上がった年もあれば、2024年に1,100万円まで下がった年もあり、上昇・下降のどちらとも言い切れない。3年プール(2022〜2024年)の中央値は1,200万円で、単年よりは安定している。
- 2物件ごとの価格差が大きい — 2024年の価格帯はp25=650万円〜p75=1,500万円と2倍以上の幅がある。瀬戸市では相場よりも自分の物件そのものの査定額が決め手になりやすい。
- 3将来人口のデータは現時点で未収集 — このサイトでは根拠のない数字を出すより扱わない方針のため、瀬戸市の将来人口には触れていません。データが揃い次第この記事を更新します。
木村相談者
「上がった年もあるから待て」でも「下がった年もあるから急げ」でもなく、そもそも方向を決められるデータがないってことなんですね。
山川不動産の専門家
正確に言うとそうなります。瀬戸市全体の相場は水準としては低めで方向は不明、あなたのお部屋がいくらかは別の話、この2つを分けて考えるのが誠実な向き合い方です。実際に動くかどうかは、価格以外のご自身の事情で決めるのが一番です。
木村相談者
変に煽られなくて、逆に安心しました。
山川不動産の専門家
正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断していただくのが一番です。そのためには、中央値の話から一歩進んで、自分の部屋の査定額を把握しておくのがおすすめです。
相場が分かったら、次にやること
木村相談者
相場の実態が分かったので、実際にうちのマンションがいくらくらいになるのか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
- 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・専有面積・築年数など)を入力する
- 2各社から提示される査定額を比べて、相場観(3年プールの中央値1,200万円前後)と照らし合わせる
- 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。
この記事のデータについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 愛知県瀬戸市 |
| 対象種別 | 中古マンション |
| データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報) |
| 集計方法 | 年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール |
| データの十分性 | 参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きいため、単年の方向は断定していません) |
| 2024年取引件数 | 69件(3年プールでは211件) |
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は「分からないことは分からない」まではっきりしたので、逆にすっきりしました。
山川不動産の専門家
瀬戸市の相場は水準としては全国的に低めのグループで、単年の方向は断定できないという状況です。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川不動産の専門家
どうぞ。瀬戸市のマンション売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自の推定値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村相談者
瀬戸市のマンション相場はいくらくらいですか?
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は1,200万円です。2024年単年では1,100万円ですが、価格帯は650万円〜1,500万円まで幅があります。
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
瀬戸市は単年の相対信頼区間幅が45.5%と大きく、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2023年に1,300万円まで上がった年がある一方、2024年は1,100万円と、年によって上下しています。
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川不動産の専門家
現時点で瀬戸市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
査定は無料ですか?
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。
木村相談者
「参考値」ってどういう意味ですか?
山川不動産の専門家
取引データが十分にそろっていて、単年の価格変動を方向まで含めて語れる市区町村を、このサイトでは「取引が十分な区分」として扱っています。瀬戸市のように物件ごとの価格の幅が大きく、単年では方向を断定できない市区町村は「参考値」として扱い、代わりに複数年をプールした中央値で相場水準をお伝えしています。どちらの区分でも、数字自体は実際の成約データである点は変わりません。
木村相談者
瀬戸市は近くの長久手市・名東区・守山区・春日井市・尾張旭市と比べて何が違うんですか?
山川不動産の専門家
中央値だけ見ると、長久手市が3,000万円、名東区が2,800万円、守山区が1,800万円、春日井市が1,700万円、瀬戸市が1,200万円、尾張旭市が1,200万円です。違うのは取引データの位置づけです。長久手市・名東区・守山区は取引が十分な区分で単年トレンドを語れますが、瀬戸市・春日井市・尾張旭市はいずれも物件ごとの価格差が大きく、参考値として扱っています。瀬戸市は3年プールで211件と、この中では比較的データがまとまった参考値です。