越前市の中古戸建て、今の相場は?

木村
木村相談者
すみません、越前市で戸建てに住んでるんですけど、売ろうかどうか迷ってて。今ってどれくらいの値段で売れるものなんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
ご相談ありがとうございます。まず結論からお伝えすると、国交省の不動産取引価格情報(reinfolib)を見ると、越前市の中古戸建ての直近3年間(2022〜2024年)の取引を合わせた中央値は1,500万円です。この3年間で104件の取引データをもとに算出しています。
木村
木村相談者
1,500万円ですか。ざっくりの目安としてはそれくらいと考えていいんですかね。
山川
山川不動産の専門家
はい、まずは目安として捉えてください。ひとつ補足すると、この1,500万円は実際に売買が成立した成約価格の中央値です。不動産ポータルサイトで見かける「売り出し価格の相場」とは性質が違うので、その点は区別して見ていただくのがおすすめです。
木村
木村相談者
売り出し価格と成約価格って違うものなんですか。
山川
山川不動産の専門家
売り出し価格は「この値段で売りたい」という希望額なので、実際にその金額で売れるとは限りません。reinfolib のデータは国交省が不動産の取引当事者に行ったアンケートをもとにした、実際に成立した取引の価格なので、より実勢に近い数字と言えます。越前市の場合、実は「年によって取引件数がそれほど多くない」という特徴があるので、まずは年別の推移を一緒に見てみましょう。
越前市 中古戸建て 年別中央値の推移(2017〜2024年)
越前市 中古戸建て 年別中央値の推移(2017〜2024年)

年ごとの動きを見てみると

山川
山川不動産の専門家
こちらが2017年から2024年までの、年ごとの中央値と取引件数です。
中央値取引件数価格帯(25%〜75%)
2017年1,050万円34件552.5万円〜1,875万円
2018年1,600万円41件420万円〜2,000万円
2019年1,000万円34件395万円〜1,975万円
2020年1,500万円42件400万円〜1,900万円
2021年1,800万円38件585万円〜2,200万円
2022年1,700万円31件455万円〜1,950万円
2023年1,450万円38件477.5万円〜2,250万円
2024年1,200万円35件335万円〜2,350万円
木村
木村相談者
年によってけっこう動きますね。2021年は1,800万円なのに2024年は1,200万円って、下がってきてるってことですか。
山川
山川不動産の専門家
そう単純には言えないんです。越前市の中古戸建ては年間の取引件数が31件〜42件にとどまっていて、都市部のように年間数百件の取引があるわけではありません。件数が少ないと、その年にたまたま高めの物件・安めの物件のどちらが多く取引されたかで中央値が大きく動きやすくなります。価格帯の欄を見ても、25%〜75%のレンジが400万円台から2,000万円超まで広く、1件ごとの差が中央値に与える影響が大きいことが分かります。
木村
木村相談者
なるほど、件数がそんなに多くないから、1件1件の違いで数字が振れやすいんですね。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。ですので越前市の中古戸建てについては、単年の増減だけを見て「上がっている」「下がっている」と方向を断定するのは適切ではありません。そのため冒頭でお伝えした1,500万円という数字も、単年ではなく直近3年(2022〜2024年)をまとめた中央値としてお出ししています。
山川
山川不動産の専門家
相場のばらつきについては分かっていただけたと思うので、次は取引件数の話をもう少し詳しくしましょう。

取引件数はどれくらいある?

木村
木村相談者
さっきの表にも件数が出てましたけど、越前市ってそもそもどれくらい戸建てが売買されてるんですか。
山川
山川不動産の専門家
2024年の年間取引件数は35件でした。2017年以降で見ても年間31件〜42件の間で推移していて、極端に増減しているわけではありません。ただ、人口の多い都市部に比べると絶対数はそれほど多くないので、1件ごとの個別条件(土地の広さ・駅からの距離・築年数など)が中央値に与える影響は相対的に大きくなります。
木村
木村相談者
だから同じ「中古戸建て」でも年によって中央値がブレるんですね。
山川
山川不動産の専門家
そういうことです。件数がゼロに近いわけではないので「データが足りなくて何も言えない」わけではありませんが、価格の方向性(上昇・下降)を断定するには不向きな件数、というのが越前市の中古戸建て市場の特徴です。
木村
木村相談者
件数の話は分かりました。じゃあ越前市の1,500万円って、周りの市とか全国で見るとどうなんですか。

福井県内・全国で見るとどうなる?

山川
山川不動産の専門家
いい質問です。同じ福井県内でデータのある市と比べてみましょう。
福井県内 中古戸建て 中央値の比較(鯖江市・福井市・越前市・坂井市)
福井県内 中古戸建て 中央値の比較(鯖江市・福井市・越前市・坂井市)
市区町村中古戸建て中央値
鯖江市の中古戸建て相場1,700万円
福井市の中古戸建て相場1,600万円
越前市1,500万円
坂井市の中古戸建て相場1,000万円
山川
山川不動産の専門家
越前市の1,500万円は、県内でデータのある4市の中では3番目の水準です。県庁所在地の福井市よりは100万円ほど低く、坂井市よりは500万円ほど高い、真ん中あたりの位置づけになります。
木村
木村相談者
ちょうど中間くらいなんですね。
山川
山川不動産の専門家
はい。全国で見ると、越前市の中古戸建てはデータが十分にある691市区町村中498位です。全国の中古戸建て中央値の平均は約2,590万円なので、全国平均と比べると越前市の1,500万円はおよそ4割ほど低い水準にあります。「福井県内では中間だが、全国的には控えめな水準」というのが越前市の位置づけになります。
木村
木村相談者
地方都市だとそういうものなんですかね。
山川
山川不動産の専門家
土地の価格水準や都市部からの距離、面積の取りやすさなど地域ごとの事情が影響するので、一概には言えません。あくまで「越前市はこのくらいの位置にある」という現在地の確認として捉えてください。
木村
木村相談者
ちなみに、越前市の相場ってネットで検索すると他のサイトでも数字が出てくるんですが、こちらの1,500万円とは違うものなんでしょうか。

他の不動産サイトの数字とどう違う?

山川
山川不動産の専門家
そこは大事なポイントなので説明させてください。不動産系のサイトによって「何を集計しているか」がそもそも違います。たとえばあるサイトでは、越前市の中古一戸建ての直近1年(2025年)の相場を1,000万円(前年比63%、対象32件)、2024年については1,600万円(前年比107%、対象34件)と示していますが、これは国交省のデータをもとにそのサイトが独自の方法で算出した数字で、サイト自身も「掲載情報の最新性・正確性・完全性、実際の売却価格を保証するものではない」と注記しています。
木村
木村相談者
独自の方法だと、こちらの1,500万円とはズレることもあるんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。同じ国交省のデータを元にしていても、集計期間の区切り方(暦年か直近1年かなど)や、平均を使うか中央値を使うかによって数字は変わります。この記事の数字は、reinfolib に記録された実際の成約価格から、直近3年分をまとめて中央値で算出したものだとご理解ください。
木村
木村相談者
一括査定サイトで「今が売り時」って断定してるのも見たことがあるんですが、あれはどういう根拠なんですか。
山川
山川不動産の専門家
別の一括査定サイトでは、直近半年の平均売却価格が2,061万円、その前の半年が1,371万円で、690万円上がったことと、取引件数が19件から14件に減ったことを根拠に「今が売り時です」と断定的に案内しているところもあります。ただ、これまで見てきた通り越前市は年間の取引件数が31件〜42件ほどで、それを半年ごとに区切ると1期あたり十数件しか残りません。件数がここまで少ないと、たまたま高額な物件が数件含まれるだけで平均が大きく動くので、この記事では、価格が上がっているか下がっているかにかかわらず、「今が売り時」と断定することはしません
木村
木村相談者
へえ、AIで将来の価格まで予測してるサイトもありますよね。
山川
山川不動産の専門家
それはAI(機械学習)を使って、過去の取引データや公示地価、将来の人口推計をもとに、10年後の価格を「良いシナリオ」「普通のシナリオ」「悪いシナリオ」の3パターンで予測しているサイトですね。越前市についても、そのサイトでは現在の価格を1,904万円(10年前比+16.1%、前年比▲0.7%)とした上で、将来の人口推計(2020年を100とした場合、2050年時点の指数73.6)を根拠に「人口が減少するのであれば価格が下落しやすい」というかたちで、人口減少と価格下落を直接結びつける説明をしています。このサイトは町丁目ごとの坪単価ランキングや、駅からの徒歩距離・築年数別の坪単価まで独自に推計して公開しており、そこまで細かい粒度の情報量では、この記事は太刀打ちできません。
木村
木村相談者
そんなに細かい情報を出してるサイトがあるのに、こちらではなぜ出さないんですか。
山川
山川不動産の専門家
越前市の中古戸建ては年間の取引件数が31件〜42件しかなく、これを町丁目や駅ごとにさらに細分化すると、1つの区分あたりの件数が数件、場合によっては1件だけになってしまいます。1件だけのデータを「その町の相場」として出すのは、たまたまその1件がどんな物件だったかで数字が決まってしまうということです。この記事では、実際の成約データに基づいて自信を持って言える粒度(市全体・年別)までしか数字を出さない、という方針を取っています。細かい粒度の情報が欲しい場合はそうしたAI予測サイトも参考になりますが、最終的には個別の物件条件を踏まえた査定で確認するのが確実です。
木村
木村相談者
人口が減ると値段が下がる、って結びつけて考えていいものなんですか。
山川
山川不動産の専門家
この記事ではその考え方は取りません。将来の価格は金利動向や再開発、個別物件の状態など不確定な要素が多く、人口と価格を単純に直結させるのは飛躍があると考えています。それに、越前市についてはこの記事のデータベースに将来推計人口のデータがまだ収集できていないため、そもそも人口の話題自体を扱っていません。データが無い項目を無理に埋めることはしない、という方針です。
木村
木村相談者
予測を出すサイトと出さないサイトがあるのは、そういう方針の違いなんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうです。この記事は国交省の成約データをそのまま中央値で集計する事実ベースの立場を取っています。将来予測や町丁目単位の細かい相場が欲しい方には他サイトのAI予測も参考になると思いますが、「今、実際いくらで売れているか」を落ち着いて知りたい場合は、こちらの成約価格ベースの数字を見ていただくのが近道です。

越前市の「売り時」をどう考える

木村
木村相談者
ここまで聞いて、越前市の相場感は分かりました。で、結局今って売り時なんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、私の立場で「今が売り時です」と断定することはできません。ここまで見てきたように、越前市の中古戸建ては年間の取引件数がそれほど多くなく、年によって中央値の振れ幅も大きいため、はっきりした上昇・下降のトレンドを読み取れる状況ではないんです。
木村
木村相談者
じゃあ何を基準に考えればいいんですか。
山川
山川不動産の専門家
材料としては、①直近3年の相場水準が1,500万円前後であること、②県内では中間の水準にあること、③年間の取引件数は31〜42件で大きく減ってはいないこと、の3つをお伝えできます。その上で、実際に売るかどうかは価格以外のご自身の事情で決めるのが一番だと思います。
木村
木村相談者
数字は分かったので、あとは自分の状況と相談して考えてみます。
山川
山川不動産の専門家
それが一番大事だと思います。もし実際に「うちの場合はいくらになるのか」が気になったら、次は個別の査定を受けてみる、という流れになります。

相場を調べたら次にやること

山川
山川不動産の専門家
相場の目安をつかんだら、次のステップとしてはこんな流れが一般的です。
  1. 1相場を把握する — ここまでお伝えした越前市の中古戸建て相場(直近3年で1,500万円前後)を頭に入れておく
  2. 2複数社の査定を比較する — 一括査定サービスなどを使って、複数の不動産会社から査定額を出してもらう
  3. 3査定額と自分の事情を照らし合わせる — 査定額を見た上で、実際に売るかどうか、いつ売るかを判断する

基本情報まとめ

項目内容
対象市区町村福井県越前市
物件種別中古戸建て(宅地・建物)
データ期間2017年〜2024年(reinfolib 不動産取引価格情報)
直近3年の中央値1,500万円(2022〜2024年、104件)
2024年の年間取引件数35件
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報
木村
木村相談者
ちなみに越前市の近くだと、他の市はどんな感じなんですか。

福井県内の他の市と比較する

山川
山川不動産の専門家
先ほどの比較表の通りです。福井市の中古戸建て相場は1,600万円、鯖江市の中古戸建て相場は1,700万円、坂井市の中古戸建て相場は1,000万円です。越前市を含めたこの4市を比べると、越前市はちょうど真ん中あたりの水準にあります。
木村
木村相談者
近くの市と比べられるのはありがたいです。参考にしてみます。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか確認させてください。越前市の中古戸建ての相場はいくらですか?
山川
山川不動産の専門家
直近3年(2022〜2024年)の取引を合わせた中央値は1,500万円です。104件のデータから算出しています。ただし年によって中央値の振れ幅が大きいため、目安としてご覧ください。
木村
木村相談者
価格は上がっているんですか、それとも下がっているんですか?
山川
山川不動産の専門家
断定はできません。年ごとの中央値は1,000万円〜1,800万円の間で動いており、これは年間の取引件数がそれほど多くないため、1件ごとの違いが中央値に与える影響が大きいことによるものです。単年の増減だけで方向性を語るのは避けています。
木村
木村相談者
越前市は福井県内で高いんですか、安いんですか?
山川
山川不動産の専門家
県内でデータのある4市(福井市・鯖江市・越前市・坂井市)の中では越前市の1,500万円は3番目の水準です。一方で全国平均(約2,590万円)と比べると、越前市はそれよりおよそ4割低い水準にあります。
木村
木村相談者
取引件数は少ないんですか?
山川
山川不動産の専門家
2024年は35件で、2017年以降も年間31件〜42件で推移しており、都市部に比べると多くはありません。件数が少ないと1件ごとの価格差が中央値に与える影響が大きくなるため、単年の数字だけで判断せず幅を持って見る必要があります。
木村
木村相談者
査定は必ず受けないといけませんか?
山川
山川不動産の専門家
必要はありません。相場を知った上で売る・売らないを判断する材料の一つとして、任意で利用いただくものです。
木村
木村相談者
他の不動産サイトと数字が違うことがあるのはなぜですか?
山川
山川不動産の専門家
サイトによって「何を集計しているか」が異なるためです。国交省のデータをもとに独自の方法で算出しているサイトもあれば、AIによる将来10年の価格予測を前面に出しているサイトもあります。この記事は国交省の成約価格をそのまま中央値で集計しており、将来の価格予測は行っていません。
木村
木村相談者
だいたいイメージがつかめました。ありがとうございます。
山川
山川不動産の専門家
相場の目安と、越前市が県内でどのあたりの水準にあるかをご理解いただけたなら良かったです。実際にご自宅の査定額が気になったら、一括査定サービスで複数社の査定を比較してみてください。査定はあくまで任意のステップで、申し込みが必須というわけではありません。