木村相談者
山川さん、うちは大里郡寄居町の一戸建てなんですけど、そろそろ売ろうかどうしようか迷っていて。秩父鉄道や東武東上線が通ってる町ですけど、戸建ての相場って実際どうなってるんでしょうか。
山川不動産の専門家
気になりますよね。寄居町も国土交通省が公開している実際に成約した価格のデータがあるので、感覚ではなく数字で現在地を見ていきましょう。ただ先に一つだけお伝えしておきたいことがあります。
木村相談者
なんですか?
山川不動産の専門家
寄居町の戸建ては、「はっきり上がっている・下がっている」と言い切れないタイプのデータです。年によって価格の振れ幅がかなり大きいんです。理由も含めて、順番に見ていきますね。
寄居町の中古戸建て、実際の成約価格はいくらか

山川不動産の専門家
これは不動産情報ライブラリという国交省のデータベースから、寄居町で実際に成約した中古戸建て(宅地の土地と建物、住宅系のみ)の中央値(真ん中の価格)を年ごとに並べたものです。
| 年 | 中古戸建て中央値 | 取引件数 |
|---|---|---|
| 2017年 | 455万円 | 30件 |
| 2018年 | 290万円 | 34件 |
| 2019年 | 315万円 | 28件 |
| 2020年 | 320万円 | 35件 |
| 2021年 | 400万円 | 31件 |
| 2022年 | 480万円 | 39件 |
| 2023年 | 310万円 | 55件 |
| 2024年 | 300万円 | 53件 |
木村相談者
2022年は480万円なのに2024年は300万円と、けっこう上下してますね。これって上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
そこが今日いちばんお伝えしたいところです。寄居町の戸建ては、この動きだけで方向を断定しないほうが正確なんです。年ごとの上下を見ても分かるとおり、単年の数字は特定の物件の影響を受けやすいんです。
戸建ては「はっきりした方向」を出しにくい
山川不動産の専門家
寄居町の戸建ては「明確に上がっている/下がっている」とは言い切れません。取引件数が少ないからではなく、戸建てという商品そのものが個別性の大きいからです。
木村相談者
件数は毎年30〜55件くらいあるから、極端に少なくはないですよね?
山川不動産の専門家
そうなんです。むしろ件数は一定の水準があります。2024年も53件あり、直近の単年(2024年)の相対信頼区間の幅は73.3%で、「取引が薄い・ブレやすい」とされる目安の25%を大きく超えています。件数が極端に少ないのではなく、物件ごとの価格の幅がとても大きいため、その年にたまたまどんな物件が多く売れたかで中央値が上下にブレやすいんです。
木村相談者
なるほど、「350万くらいが真ん中で、あとは物件次第」くらいの受け止めでいいんですね。
山川不動産の専門家
その温度感が正確です。方向を無理に読むより、自分の家がその幅のどのあたりかを知るほうが、ずっと役に立ちます。その「幅」を、次に具体的に見てみましょう。
「真ん中」だけでなく「幅」で見る
木村相談者
その「幅」って、具体的にはどのくらいあるんですか?
山川不動産の専門家
数字で見てみましょう。寄居町の中古戸建てを安い順に並べたときの下から4分の1・真ん中・上から4分の1の価格を、直近3年で出すとこうなります。
| 年 | 安いほう(下位25%) | 真ん中(中央値) | 高いほう(上位25%) |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 265万円 | 480万円 | 1,250万円 |
| 2023年 | 200万円 | 310万円 | 840万円 |
| 2024年 | 160万円 | 300万円 | 600万円 |
木村相談者
安いほうは200万円前後、高いほうは1,000万円超えることもあるんですね。
山川不動産の専門家
そうなんです。真ん中は300万円〜480万円前後でも、実際の成約は160万円台から1,250万円台まで広く分布しています。少しさかのぼると2021年は下位25%が120万円に対し上位25%は1,175万円で、約10倍の開きが出た年もありました。土地が狭くて古い物件もあれば、駅に近く土地面積の広い物件もある。「寄居町の戸建て相場=350万」と一律には言えないのが実態です。
木村相談者
じゃあ「相場いくら」より「自分の家がいくらか」で考えたほうがいいってことですね。
山川不動産の専門家
まさにそこです。相場(真ん中)は出発点として押さえつつ、最後は自分の家がこの幅のどこに入るかを実際の査定で確かめる。寄居町の戸建てでは特にこれが大事になります。
この数字は「実際に売れた金額」です
木村相談者
ちなみにこの350万っていうのは、売り出しの希望価格じゃなくて本当に売れた金額なんですか?
山川不動産の専門家
そこが大事なところです。この記事の数字はすべて「成約価格」、つまり実際に取引が成立した金額です。国交省が取引当事者に調査した公的データを使っています。相場サイトの中には不動産ポータルの売り出し中の掲載価格をそのまま並べているものや、「実際の売却価格を保証するものではありません」と自ら注記した独自算出の推定値を示しているものもありますが、それとは性質が違う数字です。
木村相談者
掲載価格と成約価格って、そんなに違うんですか?
山川不動産の専門家
一部の相場サイトは自社の推計値について「実際の売却価格について保証するものではない」と明記していて、年ごとの数字も当サイトが使っている国交省の中央値とは少しずれることがあります。また、駅単位の相場サイトの中には「5年後は今より38.54%下がる」といった将来予測を示しているものもありますが、これは過去数年の傾向を機械的に延ばしただけの試算です。当サイトは実際の成約価格を淡々と示す立場をとっていて、将来の価格を予測したり断定したりはしません。
木村相談者
断定されると焦っちゃいますけど、事実だけ淡々と見せてもらえるほうが安心します。
山川不動産の専門家
そのとおりです。「本当にいくらで売れたか」の実勢から出発するのが、いちばん失敗しにくい考え方です。
全国・県内のなかで寄居町はどのくらいの水準か

山川不動産の専門家
寄居町の戸建て価格が周りと比べてどのくらいの水準か、見てみましょう。相場は「その町だけ」では判断しにくく、近隣や全国と比べて初めて意味を持ちます。
| 比較軸 | 寄居町の位置 |
|---|---|
| 埼玉県内の中古戸建て中央値 | 54位/54市区町村 |
| 全国の中古戸建て中央値 | 681位/691市区町村 |
| 全国平均(取引が十分な区分の中央値の単純平均)との比較 | 全国平均 約4,000万円に対して約8.7%の水準 |
木村相談者
県内でも最も控えめな水準、全国だと681位。かなり低めなんですね。
山川不動産の専門家
そこは正直にお伝えします。全国平均の約4,000万円は取引が十分な179市区町村だけで単純平均したもので、都市部の高水準な区が多く含まれます。寄居町の直近3年の相場(350万円前後)はその平均の約8.7%にとどまる水準です。近隣の市町とも並べてみましょう。
| 市区町村 | 中古戸建て中央値 | 8年上昇率 |
|---|---|---|
| 深谷市の中古戸建て | 1,950万円 | 参考値(物件の価格の幅が大きい) |
| 熊谷市の中古戸建て | 1,600万円 | 参考値(物件の価格の幅が大きい) |
| 本庄市の中古戸建て | 1,400万円 | 参考値(物件の価格の幅が大きい) |
| 小川町の中古戸建て | 730万円 | 参考値(取引が少なめ) |
| 寄居町 | 350万円(直近3年) | 断定せず(物件の価格の幅が大きい) |
木村相談者
深谷市や熊谷市と比べると、4〜5倍以上違うんですね。
山川不動産の専門家
そうですね。深谷市・熊谷市・本庄市は寄居町よりも人口規模が大きく、市街地の広さも違うので、そのぶん水準が高めという位置づけです。並べた市町のうち小川町は取引が少なめであることが理由で参考値、それ以外は寄居町と同じく物件ごとの価格の幅が大きいことが理由で参考値としています。上昇率はどこも断定せず、参考値にとどめてください。
木村相談者
全部同じ基準で比べられるのはありがたいです。
寄居町の中古戸建ては「売り時」なのか、どう考えるか
木村相談者
相場は県内でも全国でも高いほうではなくて、方向も断定できない。……これって、うちはどう考えたらいいんでしょう。
山川不動産の専門家
寄居町の戸建てで、考える材料を並べるとこうなります。
寄居町の戸建て・売り時を考える3つの材料
- 1方向は断定できない — 直近3年の成約中央値は350万円前後。ただし単年の相対CI幅が73.3%と大きく、上がっている・下がっているとは言えない。
- 2価格の幅がとても大きい — 2022年は下位25%が265万円、上位25%が1,250万円。2021年には下位25%120万円に対し上位25%が1,175万円になった年もあった。
- 3戸建ては個別性が大きい — 土地の広さ・形・立地・築年数で価格が大きく変わる。相場よりも自分の家そのものの査定額が決め手になる。
木村相談者
「相場が低いから急げ」でも「断定できないから様子見」でもなくて、自分の家がその幅のどこにいるかを知るのが先、ってことですね。
山川不動産の専門家
「下がっているから今すぐ」でも「断定できないから待て」でもありません。ご自身の事情と、自分の家の実際の査定額。この2つが揃って初めて、納得のいく判断ができます。
木村相談者
実際に査定を受けるとして、すぐ売れるものなんですか?
山川不動産の専門家
戸建ての売却は、売り出しから買い手が決まるまで数か月かかるのが一般的です。寄居町のように1件ごとの個別性が大きいエリアは、条件に合う買い手を探すのに時間がかかることもあります。だからこそ、相場観がつかめた今のうちに情報を揃えておく意味があります。
相場が分かったら、次にやること
木村相談者
じゃあ、実際にうちの家がいくらで売れそうか知りたくなってきました。
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
- 1相場の位置を把握する — ここまで見てきた寄居町の中央値・価格の幅・県内や全国との比較を頭に入れておく。
- 2複数社の一括査定を申し込む — 一括査定サービスを使うと、複数の不動産会社から同時に見積もりを取れる。相場観と実際の査定額を照らし合わせる。
- 3査定額と相場を見比べる — 提示された査定額が、この記事で見た350万円前後という相場観からどれくらい離れているかを確認する。
- 4売る・売らないをゆっくり決める — 査定を受けたからといって売却の義務はない。資金計画や住み替え先が決まってから判断しても遅くない。
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。
この記事のデータについて
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 埼玉県大里郡寄居町 |
| 対象種別 | 中古戸建て(宅地(土地と建物)・住宅系のみ) |
| データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報) |
| 集計方法 | 年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール |
| データの十分性 | 参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きく、単年の相対信頼区間幅73.3%、25%超のため方向は断定せず) |
| 2024年取引件数 | 53件 |
| 将来人口データ | 現時点で未収集(データ整備後に追記予定) |
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は数字で整理できてスッキリしました。
山川不動産の専門家
寄居町の戸建て相場は県内・全国の中では控えめな水準にあるのは確かなので、気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。より広いエリアの相場は埼玉県の売り時判定記事一覧でも比較できます。最後によくある質問もまとめておきますね。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川不動産の専門家
どうぞ。寄居町の戸建て売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自算出の推定値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村相談者
寄居町の戸建ては上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
単年の数字だけでは方向を断定していません。物件ごとの価格の幅が大きいため、直近3年(2022〜2024年)でならした350万円前後を相場観としてお伝えしています。
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川不動産の専門家
現時点で寄居町の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
中央値と平均は何が違うんですか?
山川不動産の専門家
平均は極端に高い物件に引っ張られやすいのに対し、中央値は真ん中の実感に近い指標です。この記事では中央値を使っています。
木村相談者
査定は無料ですか?
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。