木村
木村相談者
うちは宮城郡利府町で戸建てに住んでるんですけど、そろそろ売ろうか迷ってて。この辺りの中古戸建てって、今どのくらいで売れてるものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいところに気づきましたね。国交省の不動産情報ライブラリ(reinfolib)に登録されている、利府町の実際の成約データで見ていきましょう。2022年から2024年の3年間に成約した中古戸建て・宅地(合計82件)の中央値は2,900万円です。
木村
木村相談者
2,900万円か。思ったより高い気もするし、安い気もするし…実感が湧かないです。

利府町の中古戸建て、年ごとの価格はどう動いているか

宮城郡利府町 中古戸建て 年別中央値の推移
宮城郡利府町 中古戸建て 年別中央値の推移
山川
山川不動産の専門家
2017年から2024年までの年別中央値を並べてみると、こうなります。
成約件数中央値下位25%上位25%
2017年28件2,750万円1,975万円3,125万円
2018年51件2,700万円2,100万円3,350万円
2019年27件2,700万円1,750万円3,700万円
2020年47件3,300万円2,450万円4,450万円
2021年40件3,100万円2,450万円4,800万円
2022年21件3,000万円2,500万円3,800万円
2023年28件2,550万円1,700万円3,425万円
2024年33件2,900万円2,000万円4,900万円
木村
木村相談者
うーん、2,700万円→3,300万円→2,550万円→2,900万円って、上がったり下がったりですね。これって結局、上がってるんですか?下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが一番大事なポイントです。利府町の中古戸建ては、上昇・下降のどちらとも言い切れない動き方をしています。2020年・2021年に高めの年がありますが、2022年以降は3,000万円→2,550万円→2,900万円と揺れていて、一方向のトレンドとして扱うにはデータが心もとない状態です。国交省のデータでも、この規模の年間件数だと年ごとの振れ幅を「上昇傾向」「下降傾向」と断定するのは無理があると判断しています。
木村
木村相談者
じゃあ「今が売り時」みたいなことは、はっきり言えないってことですね。
山川
山川不動産の専門家
はい、言い切れません。だからこそ利府町のようなケースでは、直近1年だけでなく2022〜2024年の3年間をまとめた82件のデータで、大まかな相場水準(2,900万円)を見るようにしています。1年だけの数字に振られすぎないための工夫です。それに加えて、同じ年でも物件ごとの価格の幅がかなり広いんですよ。2024年の1年間(33件)だけを見ても、下位25%は2,000万円、上位25%は4,900万円と、2倍以上の差があります。土地の広さや建物の状態で大きく変わる街ということですね。
木村
木村相談者
そんなに幅があるんですね。じゃあ「利府町の相場は2,900万円」って言われても、うちの家がそのくらいで売れるとは限らないってことですか。
山川
山川不動産の専門家
その通りです。2,900万円というのは「目安」であって「保証された金額」ではありません。実際にいくらで売れるかは、最終的には査定を受けて確認する必要があります。

年間の成約件数はどのくらいあるのか

宮城郡利府町 中古戸建て 年別の成約件数
宮城郡利府町 中古戸建て 年別の成約件数
木村
木村相談者
価格の話の前提として、そもそも利府町でどのくらい戸建てが売れてるのかも知りたいです。
山川
山川不動産の専門家
年別の成約件数がこちらです。2018年は51件で多いのに、2022年は21件しかない、というように年によってかなり違います。
木村
木村相談者
年によってかなり違うんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです、この「年による件数のばらつき」も価格が読みにくい理由の一つです。件数が多い年は幅広い物件が混ざりやすく、件数が少ない年はたまたま高額な物件・割安な物件のどちらかに引っ張られやすくなります。2024年は33件でしたが、これは仙台市の区(数百件規模)と比べると少なめの水準です。
木村
木村相談者
「少なめ」って、具体的にはどれくらい影響するものなんですか?なんとなく分かるようで、よく分からないです。
山川
山川不動産の専門家
いい質問です。統計的に少し噛み砕くと、2024年の33件だけを使って「本当の中央値はどこにあるか」を推定すると、その推定の振れ幅は中央値に対して75.9%相当にもなります。つまり2,900万円という数字は「この33件から一番もっともらしいと言える値」ではあるものの、件数がこの規模だと、もう少し多くの成約が集まっていれば違う中央値が出ていた可能性も十分にある、ということです。
木村
木村相談者
75.9%ってかなり大きい振れ幅ですね。件数がもっとあれば、この振れ幅は狭くなるんですか?
山川
山川不動産の専門家
そうです。件数が増えるほど、推定の振れ幅(信頼できる範囲)は狭くなります。実際、あとで比べる仙台市青葉区のように年間で数百件規模の取引がある区では、単年でも中央値をある程度信頼して見られるので、8年間の変化率を「+7.7%」というように断定的に示せます。利府町は年20〜51件という規模なので、単年の振れ幅が大きく出てしまい、1年だけの数字では方向を決め切れないんです。だからこそ2022〜2024年の82件をまとめたプールデータで見るようにしています。件数を積み上げることで、この振れ幅を実用的な範囲まで抑える工夫ですね。
木村
木村相談者
なるほど。件数が少ないからこそ、1年ずつの上下に一喜一憂しない方がいいってことですね。
山川
山川不動産の専門家
ちょうどそういう考え方です。次に、利府町がどんな街で、近隣の市町と比べてどうなのかを見てみましょう。

利府町はどんな街で、近隣の市町とどう違うのか

山川
山川不動産の専門家
利府町は宮城郡に属し、仙台市の泉区・宮城野区や塩竈市に隣接するエリアです。JR東北本線・利府線が通っていて、仙台市中心部への通勤圏として住宅地が広がってきた街ですね。町内には東北新幹線の新幹線総合車両センター(車両基地)や、宮城球場(グランディ・21)もあります。
木村
木村相談者
新幹線の車両基地と球場以外だと、利府町ってどういう街なんですか?他の街との違いがまだよく分からないです。
山川
山川不動産の専門家
利府町は仙台市に隣接していながら、合併せずに「町」として単独の自治体を維持している点がまず特徴的です。塩竈市・多賀城市・富谷市も同じように仙台のベッドタウン的な位置づけですが、利府町は町の中に新幹線の車両基地や球場のような大型施設を抱えつつ、その周辺には比較的落ち着いた住宅地が広がっている、という組み合わせが独特ですね。
木村
木村相談者
通勤圏としてはどうなんですか?塩竈市とかと比べて。
山川
山川不動産の専門家
いずれも仙台市中心部への通勤圏という位置づけは共通しています。利府町の場合はJR東北本線・利府線の駅を中心に戸建て住宅地の開発が進んできた経緯があり、仙台市の泉区・宮城野区に近いこともあって、仙台方面で働く世帯の住み替え先として選ばれてきた街です。塩竈市は港町としての歴史的な市街地の色合いが強く、多賀城市・富谷市はそれぞれ独自の宅地開発の経緯を持っているので、同じ「仙台のベッドタウン」でも街の成り立ちは少しずつ違います。この違いが、後で見る価格の位置づけにもある程度反映されていると考えられます。
木村
木村相談者
仙台のベッドタウンってイメージがありますけど、近くの市と比べて戸建ての価格はどうなんですか?
山川
山川不動産の専門家
宮城県内・全国での位置づけを見てみましょう。利府町の中古戸建て中央値2,900万円は、宮城県内19市町村中6位全国691市区町村中235位です。近隣の市町と並べるとこうなります。
市町中古戸建て 中央値8年間の変化
塩竈市2,100万円参考値(データ限定的なため)
宮城郡利府町2,900万円参考値(データ限定的なため)
多賀城市3,300万円参考値(データ限定的なため)
富谷市3,300万円参考値(データ限定的なため)
仙台市青葉区2,800万円+7.7%
木村
木村相談者
利府町、塩竈市より高くて、多賀城市富谷市より少し安いくらいなんですね。仙台市青葉区とほぼ同じくらいか。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。仙台市青葉区は取引件数が十分にあるので8年間で+7.7%という上昇傾向を言えるデータですが、利府町・塩竈市多賀城市富谷市はいずれも件数の関係で、8年間の変化を「上昇」「下降」と断定できる段階には至っていません。周辺の街と比べても、利府町だけが特別に読みにくいわけではないということですね。

売り時をどう考えるか

木村
木村相談者
ここまで聞いて、結局うちは今売った方がいいのか、まだ待った方がいいのか、正直まだ分からないです。
山川
山川不動産の専門家
それは自然な感想です。利府町の中古戸建てのデータからはっきり言えるのは、価格が一方向に上がり続けているとも下がり続けているとも言えない、ということだけです。売るタイミングを決めるのは、住み替え先の状況や資金計画、家族の予定といった個別の事情の方が大きく影響します。
山川
山川不動産の専門家
相場のイメージがついたところで、次は実際にいくらで売れそうかを確認する流れを見てみましょう。

相場を調べたら次にやること

木村
木村相談者
相場の見方は分かってきました。次は何をすればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
相場はあくまで目安なので、実際の金額は査定を受けて確認するのが確実です。一般的にはこういう流れになります。
  1. 1相場の把握 — ここまで見てきたような国交省データの相場観をつかむ
  2. 2一括査定の依頼 — 複数の不動産会社に査定を依頼し、金額と根拠を比較する
  3. 3査定額の比較検討 — 提示された金額と根拠(周辺の成約実績・物件の個別事情)を確認する
  4. 4売却するかどうかの判断 — 査定結果を踏まえて、売るかどうか・いつ売るかを決める
木村
木村相談者
義務じゃないなら気軽に頼めますね。とりあえず今の相場感は分かったので、査定も検討してみます。

基本情報まとめ

項目内容
対象エリア宮城県宮城郡利府町
対象種別中古戸建て・宅地(住宅系)
対象データ期間2017年〜2024年
直近3年プールの成約件数82件(2022〜2024年)
直近3年プールの中央値2,900万円
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(reinfolib) XIT001 不動産取引価格情報

近隣・同県の市区町村と比べてみる

木村
木村相談者
利府町以外の街の相場も見てみたいんですが。
山川
山川不動産の専門家
近隣なら塩竈市の中古戸建て相場多賀城市の中古戸建て相場富谷市の中古戸建て相場、少し範囲を広げて仙台市青葉区の中古戸建て相場も、同じ形式で見られます。近隣どうしで比べると、その街だけの特殊な動きなのか、宮城県全体に共通する傾向なのかが分かりやすくなりますよ。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか気になったことを聞いてもいいですか。
山川
山川不動産の専門家
もちろんです。
木村
木村相談者
2,900万円っていう数字、うちの家にそのまま当てはめていいんですか?
山川
山川不動産の専門家
いえ、2,900万円は利府町全体の中央値であって、個別の家の価格ではありません。土地の広さ・建物の築年数・間取りなどで大きく変わるので、あくまで街全体の目安として捉えてください。
木村
木村相談者
なんで「上昇」とか「下降」って言い切ってくれないんですか?
山川
山川不動産の専門家
利府町は年間の成約件数が20〜50件程度で、大きな市区に比べると少なめです。年によって偶然高額な物件・割安な物件が混ざりやすいので、無理に「上昇傾向」「下降傾向」と決めつけると実態と違う可能性があります。言い切らないのは、データに忠実であろうとしているからです。
木村
木村相談者
査定を頼んだら、必ず売らないといけないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けることと売却を決めることは別です。金額を確認してから、売るかどうかをじっくり考えてもらって構いません。
木村
木村相談者
他のサイトだと、築年数別や面積別の相場、町丁目ごとの高い・安いエリアランキングみたいなものも見かけるんですけど、このサイトでは出てこないんですか?
山川
山川不動産の専門家
このサイトでは、国交省の不動産情報ライブラリが公開している市区町村単位の集計データだけを使っています。利府町の中古戸建てについては、築年数帯ごとに安定して語れるだけの分類データが今のところ揃っていないんです。根拠のない築年数別・面積別の相場や、町丁目単位の細かいランキングを見た目だけ作ることはせず、市区町村全体の中央値やばらつきとして正直に示す方針にしています。データが揃った段階で、この記事は同じURLのまま更新します。
木村
木村相談者
なるほど、無理に細かく見せているわけじゃないんですね。じゃあ自分の家がある地区や築年数が知りたい場合はどうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
そこはこのサイトの集計データだけでは分からない範囲なので、実際に査定を依頼して、地区や築年数を踏まえた金額を確認するのが確実です。相場のページで大まかな市区町村単位の位置づけをつかんで、細かい個別の条件は査定で補う、という使い方をおすすめします。
山川
山川不動産の専門家
相場感がつかめたら、まずは実際の査定額を確認してみるのがおすすめです。査定は義務ではないので、気軽な気持ちで大丈夫ですよ。