木村
木村相談者
山川さん、防府市の実家をそろそろ売ろうかどうか迷っていて、いくつか不動産サイトを見てみたんです。そうしたら、あるサイトは「2024年の相場は1,300万円」、別のサイトはAI予測で「2,080万円」、また別のサイトは「築10年・70平米なら1,588万円」って、見るサイトによって数字が全然違って、正直どれを信じたらいいのか分からなくなってしまいました。
山川
山川不動産の専門家
それはよくあるお悩みです。サイトによって、実際の成約データを使っているものと、AIによる推計モデルを使っているものが混ざっているので、前提が違えば数字も変わってきます。今日は国交省の不動産情報ライブラリという公的データベースの実際の成約価格だけを使って、防府市の中古戸建て(土地付き)が実際にどう動いてきたか、一緒に確認していきましょう。
木村
木村相談者
成約価格っていうのは、実際に売れた金額ってことですよね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。広告に出ている「売り出し価格」は売主の希望額なので、実際に成約する価格より高めに出やすい傾向があります。この記事の数字はすべて、国土交通省の不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)に登録された実際の成約データです。まずは2017年から2024年までの年別中央値を見てみましょう。

防府市の中古戸建て価格はどう動いてきたか

防府市の中古戸建て中央値の推移(2017年〜2024年)
防府市の中古戸建て中央値の推移(2017年〜2024年)
山川
山川不動産の専門家
これが2017年から2024年までの、防府市の中古戸建て(土地付き)の年別中央値です。中央値は、価格を安い順に並べたときのちょうど真ん中の金額のことです。
中古戸建て中央値取引件数
2017年1,700万円96件
2018年1,900万円95件
2019年1,600万円83件
2020年1,800万円90件
2021年1,200万円99件
2022年1,300万円77件
2023年1,200万円92件
2024年1,600万円89件
木村
木村相談者
2020年は1,800万円だったのに、2021年に1,200万円まで下がって、2024年でまた1,600万円に戻ってる……。これって上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では「上昇」「下降」といったトレンドの断定をしていません。防府市は年間の取引件数自体は77〜99件と、そこまで極端に少ないわけではないのですが、物件ごとの価格の幅がかなり大きいため、単年の中央値が年によって振れやすいという特徴があります。次のセクションで、その幅を具体的な数字でお見せします。

なぜ単年の数字だけで判断できないのか

木村
木村相談者
幅が大きいというのは、実際どのくらいなんですか?
山川
山川不動産の専門家
2024年のデータで見てみましょう。中央値は1,600万円ですが、価格帯の下から4分の1にあたる金額(p25)は500万円、上から4分の1(p75)は2,600万円です。同じ2024年の防府市の中でも、これだけの開きがあります。
木村
木村相談者
500万円と2,600万円だと、5倍以上違いますね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。2024年単年の相対信頼区間の幅は52.5%にもなります。取引が十分な区分(トレンドを語れる基準)は25%以下なので、防府市の単年データはその基準を大きく超えています。件数自体が飛び抜けて少ないわけではなく、土地の広さや建物の状態、駅からの距離など物件ごとの個別差が価格に強く出やすいことが、この幅の主な理由です。
木村
木村相談者
「件数が少ないから幅が大きい」ってわけでもないんですか?
山川
山川不動産の専門家
そこが防府市の特徴です。年別の取引件数をもう一度見てみると、2017年から2024年までずっと77件から99件の範囲で推移していて、極端に少ない年はありません。つまり件数不足が理由ではなく、同じ年の中で物件ごとの価格差そのものが大きいということです。土地の広さが数十坪単位で違ったり、築年数が新しい物件と数十年前の物件が同じ年に混在したりすると、中央値の上下だけでは実態をつかみにくくなります。
木村
木村相談者
冒頭で見たサイトごとに数字が違ったのも、このあたりが関係してるんでしょうか。
山川
山川不動産の専門家
十分にあり得ます。同じ防府市でも、対象にする物件の条件(築年数・面積・エリア)や集計期間が変われば、出てくる中央値も変わります。数字自体は実際の成約データそのもので、捏造や推定ではありません。ただ「2024年は1,600万円だから」と単年だけで判断するのは危ういということです。そこで2022年から2024年の3年分をプールした中央値も見てみましょう。3年分をまとめると取引件数258件、中央値1,300万円になります。単年よりも振れが小さく、防府市の直近の相場水準としてはこちらの1,300万円のほうが実態に近いと考えられます。
木村
木村相談者
単年の1,600万円と3年プールの1,300万円、結構違いますね。
山川
山川不動産の専門家
はい、2024年単年はやや高めに出た年だったとも言えます。2021年の1,200万円、2022年の1,300万円、2023年の1,200万円のように単年だけを見ると年によって上下するのは変わらない事実です。この記事でも、防府市の代表的な相場水準としては3年プールの1,300万円を使い、単年の上下だけで「上がった」「下がった」と言い切ることは避けています。物件ごとの価格の幅が大きいため、単年では方向を断定せず直近3年の相場水準として表示する、という扱いです。
木村
木村相談者
「分からないことは分からない」とはっきり言ってもらえると、逆に信用できます。
山川
山川不動産の専門家
そこは大事にしているところです。相場観がつかめたところで、次は他の市や全国と比べて防府市がどのくらいの水準なのかを見てみましょう。

全国・県内のなかで防府市はどのくらいの水準か

山口県内エリア・中古戸建て中央値の比較
山口県内エリア・中古戸建て中央値の比較
山川
山川不動産の専門家
防府市の水準を、県内の他市や全国と比べてみましょう。相場は単独では意味を持ちにくく、他と比べて初めて位置づけが分かります。
比較軸防府市の位置
山口県内の中古戸建て中央値3位/8市
全国の中古戸建て中央値538位/691市区町村
全国(取引が十分な区分の単純平均)との比較平均 約4,000万円に対して3割強の水準
木村
木村相談者
県内では3位なのに、全国だと538位で下の方なんですね。ちょっと意外です。
山川
山川不動産の専門家
県内順位と全国順位は、分けて見る必要があります。防府市は山口県内では中堅より上の水準ですが、全国で見ると下位に近いグループに入ります。ただし比較対象の全国平均は「トレンドを語れる取引が十分な区分」の平均なので、防府市(参考値扱い)を単純に同列で見すぎない方がよいです。あくまで目安として捉えてください。防府市の近くの山口県内の市と並べてみましょう。
中古戸建て中央値直近の取引件数位置づけ
下松市2,000万円67件(2024年)参考値
山口市1,500万円128件(2024年)参考値
防府市1,300万円258件(直近3年プール)参考値
周南市1,300万円102件(2024年)参考値
下関市1,100万円200件(2024年)参考値
宇部市890万円107件(2024年)参考値
木村
木村相談者
山口市や下関市、宇部市と比べても、防府市はそこまで大きく変わらない水準なんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。実は山口県内で中古戸建ての取引データが「トレンドを語れる区分」に達している市は、現時点で1つもありません。表の6市はいずれも、単年だけでは方向を断定できない参考値扱いです。下松市は67件、周南市は102件と、防府市の3年プール258件(単年では89件)に近い規模の取引データがあり、山口県内は全体として物件ごとの価格差が出やすい地域だと言えます。
木村
木村相談者
水準の話とトレンドの話、それに県内と全国の話も、それぞれ分けて考えたほうがいいんですね。
山川
山川不動産の専門家
そのとおりです。数字の意味を正確に分けて見るのが、判断を誤らないコツです。ここまでの事実を踏まえて、防府市で戸建てを売ろうか考えるときの材料を整理してみましょう。

防府市の戸建ては「売り時」なのか、どう考えるか

木村
木村相談者
県内では中堅、全国では低め、方向は分からない……。これって、待ったほうがいいのか、動いたほうがいいのか、正直よく分からなくなってきました。
山川
山川不動産の専門家
防府市の戸建てで、考える材料を並べるとこうなります。
防府市の戸建て・売り時を考える3つの材料
  1. 1単年トレンドは断定できない — 2020年に1,800万円だった年もあれば、2021年に1,200万円まで下がった年もあり、上昇・下降のどちらとも言い切れない。3年プール(2022〜2024年)の中央値は1,300万円で、単年よりは安定している。
  2. 2物件ごとの価格差が大きい — 2024年の価格帯はp25=500万円〜p75=2,600万円と5倍以上の幅がある。防府市では相場よりも自分の物件そのものの査定額が決め手になりやすい。
  3. 3将来人口のデータは現時点で未収集 — このサイトでは根拠のない数字を出すより扱わない方針のため、防府市の将来人口には触れていません。データが揃い次第この記事を更新します。
木村
木村相談者
「上がった年もあるから待て」でも「下がった年もあるから急げ」でもなく、そもそも方向を決められるデータがないってことなんですね。
山川
山川不動産の専門家
正確に言うとそうなります。防府市全体の相場は県内では中堅、全国では低めで方向は不明、あなたの家がいくらかは別の話、この2つを分けて考えるのが誠実な向き合い方です。実際に動くかどうかは、価格以外のご自身の事情で決めるのが一番です。
木村
木村相談者
変に煽られなくて、逆に安心しました。
山川
山川不動産の専門家
正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断していただくのが一番です。そのためには、中央値の話から一歩進んで、自分の家の査定額を把握しておくのがおすすめです。

相場が分かったら、次にやること

木村
木村相談者
相場の実態が分かったので、実際にうちの家がいくらくらいになるのか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
  1. 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・土地と建物の広さ・築年数など)を入力する
  2. 2各社から提示される査定額を比べて、相場観(3年プールの中央値1,300万円前後)と照らし合わせる
  3. 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。

この記事のデータについて

項目内容
対象エリア山口県防府市
対象種別中古戸建て(土地付き)
データ期間2017年〜2024年(成約価格ベース)
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)
集計方法年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール
データの十分性参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きいため、単年の方向は断定していません)
2024年取引件数89件(3年プールでは258件)
木村
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は「分からないことは分からない」まではっきりしたので、逆にすっきりしました。
山川
山川不動産の専門家
防府市の相場は県内では中堅上位、全国的にはやや低めのグループで、単年の方向は断定できないという状況です。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川
山川不動産の専門家
どうぞ。防府市の戸建て売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自の推定値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村
木村相談者
防府市の戸建て相場はいくらくらいですか?
山川
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は1,300万円です。2024年単年では1,600万円ですが、価格帯は500万円〜2,600万円まで幅があります。
木村
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
防府市は単年の相対信頼区間幅が52.5%と大きく、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2020年に1,800万円だった年がある一方、2021年は1,200万円と、年によって上下しています。
木村
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川
山川不動産の専門家
現時点で防府市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
査定は無料ですか?
山川
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。
木村
木村相談者
防府市は近くの山口市・下関市・宇部市と比べて何が違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
中央値だけ見ると、下松市が2,000万円、山口市が1,500万円、防府市が1,300万円、周南市が1,300万円、下関市が1,100万円、宇部市が890万円です。違うのは、6市すべてが単年では方向を断定できない参考値扱いという点です。山口県内には現時点でトレンドを語れる区分に達している市がなく、防府市は3年プールで258件と、この中でも比較的データがまとまった参考値です。