木村
木村相談者
山川さん、西条市の一戸建てをそろそろ売ろうか迷っていて。いくつかサイトを見たんですけど、あるサイトは「今が売り時です」ってはっきり書いてあって、別のサイトはAIが10年後の価格まで予測していて、正直どれを信じればいいのか分からなくなってしまって。
山川
山川不動産の専門家
それは無理もないです。不動産の相場情報には、大きく分けて3種類の数字が混ざっています。1つ目は今売り出し中の物件の「希望価格」、2つ目はAIなどが将来の値動きまで推計した「予測値」、そして3つ目が実際に買い手が付いて成約した金額です。前の2つは売主の希望や予測モデルの前提次第で数字が動きますが、成約価格はすでに起きた事実そのものです。この記事では国土交通省の不動産情報ライブラリに記録された、実際に成約した価格だけを使って、西条市の中古戸建て(土地付き)の実態をお見せします。まずは生データから見てみましょう。
木村
木村相談者
実際に売れた金額ってことですね。それなら信じられそうです。

西条市の中古戸建て価格はどう動いてきたか

西条市の中古戸建て中央値の推移(2017年〜2024年)
西条市の中古戸建て中央値の推移(2017年〜2024年)
山川
山川不動産の専門家
これが2017年から2024年までの、西条市の中古戸建て(土地付き)の年別中央値です。中央値というのは、その年の成約価格を安い順に並べたときにちょうど真ん中に来る金額のことです。
中央値取引件数価格帯(p25〜p75)
2017年1,000万円55件395万円〜1,900万円
2018年600万円43件310万円〜1,450万円
2019年1,000万円48件487.5万円〜2,525万円
2020年725万円52件265万円〜1,350万円
2021年1,100万円56件387.5万円〜1,825万円
2022年800万円39件410万円〜1,400万円
2023年700万円53件300万円〜1,700万円
2024年570万円59件300万円〜1,300万円
木村
木村相談者
これ、けっこう上下してますよね。2017年は1,000万円なのに2018年は600万円まで下がって、2019年でまた1,000万円に戻って……。西条市の一戸建ては結局、上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では「上昇」「下降」といったトレンドの断定をしていません。西条市の年間取引件数は39件〜59件で、実は少なくありません。それでも方向を断定していないのには理由があります。次のセクションで、具体的な数字とあわせて説明します。

なぜ件数が少なくないのに方向を断定しないのか

木村
木村相談者
件数が少ないなら分かるんですけど、毎年40件以上あるのに断定できないって、どういうことなんですか?
山川
山川不動産の専門家
良い質問です。2024年のデータをもう一度見てみましょう。取引件数は59件、中央値は570万円ですが、価格帯の下から4分の1にあたる金額(p25)は300万円、上から4分の1(p75)は1,300万円です。同じ西条市の中古戸建てでも、成約価格が300万円台から1,300万円台まで大きく広がっています。
木村
木村相談者
同じ市内でそんなに差が出るものなんですか?
山川
山川不動産の専門家
はい。土地の広さや建物の築年数、最寄り駅からの距離、建物の傷み具合によって、成約価格は大きく変わります。この物件ごとの価格のばらつきの大きさを数値にしたものが、相対信頼区間幅という指標です。西条市の2024年単年の相対信頼区間幅は84.2%で、このサイトで「トレンドを語れる」と判断する基準(25%以下)を大きく上回っています。
木村
木村相談者
件数は59件もあるのに、それでも基準を大きく超えちゃうんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうなんです。取引件数が少ないから断定できないのではなく、件数は十分にあっても物件ごとの価格差が大きいために単年の数字が振れやすい、というのが西条市の特徴です。年別の中央値が1,000万円→600万円→1,000万円→725万円→1,100万円と大きく上下しているのも、市況そのものが激しく動いたというより、その年にたまたま成約した物件の土地面積や築年数の組み合わせが変わったことの影響が大きいと考えられます。
木村
木村相談者
さっき言ってた「AIの予測値」とかとは、そもそも作り方が違うってことなんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうです。AIによる将来予測は、過去の傾向を学習モデルに当てはめて「10年後はこのくらいになりそうだ」と算出する、いわば仮説で、10年後・20年後の坪単価まで具体的な数字を出しているサイトもあります。前提の置き方次第で数字は変わりますし、その通りになる保証もありません。一方、この記事の年別中央値はすでに起きた取引の集計であって、予測ではありません。西条市の場合、その集計結果自体が「単年ではばらつきが大きい」ことを示しているので、それをそのままお伝えするのがこの記事の役割です。
木村
木村相談者
サイトによっては、直近半年くらいの短い期間だけ見て「今が売り時」って断定してるものもあった気がします。あれってどう見ればいいんですか?
山川
山川不動産の専門家
半年分のデータだと、そもそも取引件数自体が20件前後まで減ります。西条市のように物件ごとの価格差が大きいエリアでは、その少ない件数のなかで金額の大きい物件がたまたま何件か重なるだけで、平均や中央値が大きく動きます。短い期間の数字の上下だけで「売り時」と言い切るのは、統計的にはかなり危うい判断です。この記事が8年分の年別データと3年分のプールデータの両方を示しているのは、そうした短期の振れに惑わされないようにするためです。
木村
木村相談者
じゃあ、この570万円っていう数字自体が信用できないってことですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、そこは誤解しないでいただきたいところです。570万円という数字自体は、実際の成約データそのもので、推定や捏造ではありません。ただ「2024年は570万円だったから、来年もそのくらい」と単年だけで判断するのは危ういということです。そこで2022年から2024年の3年分をプールした中央値も見てみましょう。3年分をまとめると取引件数151件、中央値700万円になります。単年よりも母数が大きい分、振れが小さくなった数字です。
木村
木村相談者
3年でまとめると700万円、2024年単年だと570万円で、単年の方が低めに出てるんですね。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。2022年が800万円、2023年が700万円、2024年が570万円と、直近3年だけ見ると少しずつ下がっているように見えますが、その前の2020年から2021年にかけては725万円から1,100万円へと逆に大きく上がっています。8年分を通して見ると、一方向に動いているというより上下を繰り返している、というのが正確な言い方です。この記事では、西条市の代表的な相場水準として3年プールの700万円を主に使い、単年の上下だけで方向を言い切ることは避けています。相場観がつかめたところで、次はこの数字が全国や県内でどのくらいの位置にあるのかを見てみましょう。

全国・県内のなかで西条市はどのくらいの水準か

愛媛県内・中古戸建て中央値の比較
愛媛県内・中古戸建て中央値の比較
山川
山川不動産の専門家
相場は単独で見ていても位置づけが分かりにくいので、他の市町や全国と比べてみましょう。
比較軸西条市の位置
愛媛県内の中古戸建て中央値5位/6市
全国の中古戸建て中央値644位/691市区町村
全国(トレンドを語れる区分の単純平均)との比較平均 約4,001万円に対しておよそ17%(2割弱)の水準
木村
木村相談者
全国平均の2割弱ってことは、かなり低めなんですね。
山川
山川不動産の専門家
水準としては全国的に見て低めのグループに入ります。ただし比較対象の全国平均は「単年でもトレンドを語れる区分」の市区町村の平均なので、西条市(参考値扱い)を単純に同列で比べすぎない方がよいです。愛媛県内で中古戸建てを記事にできるのは西条市を含めて6市町あり、並べてみましょう。
市町中古戸建て中央値位置づけ
伊予郡松前町2,100万円参考値
松山市1,700万円単年でもトレンドを語れる区分
東温市1,700万円参考値
新居浜市800万円参考値
西条市700万円参考値
今治市550万円参考値
木村
木村相談者
西条市は下から2番目くらいなんですね。県庁所在地の松山市はやっぱり高いんですね。
山川
山川不動産の専門家
ええ。松山市は年間の取引件数が多く物件のばらつきも比較的小さいため、単年の数字でも方向を語れる区分になっています。西条市はそれと違い、件数はそれなりにあるものの、物件ごとの価格差が大きいために参考値という扱いです。同じ愛媛県内でも、数字の安定度が違う点は分けて見ておくのが誠実だと考えています。
木村
木村相談者
水準が低いことと、方向が分からないことは別の話なんですね。少しずつ整理できてきました。
山川
山川不動産の専門家
数字の意味を正確に分けて見るのが、判断を誤らないコツです。ここまでの事実を踏まえて、西条市で戸建てを売ろうか考えるときの材料を整理してみましょう。

西条市の戸建ては「売り時」なのか、どう考えるか

木村
木村相談者
水準は低め、方向は分からない……。これって待ったほうがいいのか、動いたほうがいいのか、正直よく分からなくなってきました。
山川
山川不動産の専門家
西条市の戸建てで、考える材料を並べるとこうなります。
西条市の戸建て・売り時を考える3つの材料
  1. 1単年の方向は断定できない — 2017年〜2024年の8年間で、中央値は1,000万円→600万円→1,000万円→725万円→1,100万円→800万円→700万円→570万円と、大きく上下を繰り返しており、一直線の上昇でも下降でもない。3年プールの中央値は700万円で、これが西条市の直近の相場水準に近い。
  2. 2物件ごとの価格差が特に大きい — 2024年の価格帯は300万円〜1,300万円と幅が広い。西条市では市全体の相場よりも自分の物件そのものの査定額が決め手になりやすい。
  3. 3将来人口のデータは現時点で未収集 — このサイトでは根拠のない数字を出すより扱わない方針のため、西条市の将来人口には触れていません。データが揃い次第この記事を更新します。
木村
木村相談者
「下がってきたから急げ」でも「戻る年もあるから待て」でもなく、そもそも一方向には言い切れないデータってことなんですね。
山川
山川不動産の専門家
正確に言うとそうなります。西条市全体の相場は水準としては低めで方向は不明、あなたの家がいくらかは別の話、この2つを分けて考えるのが誠実な向き合い方です。実際に動くかどうかは、価格以外のご自身の事情で決めるのが一番です。
木村
木村相談者
変に煽られなくて、逆に安心しました。
山川
山川不動産の専門家
正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断していただくのが一番です。そのためには、中央値の話から一歩進んで、自分の家の査定額を把握しておくのがおすすめです。

相場が分かったら、次にやること

木村
木村相談者
相場の実態が分かったので、実際にうちの家がいくらくらいになるのか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れはシンプルです。
  1. 1複数の不動産一括査定サービスに、物件情報(所在地・土地と建物の広さ・築年数など)を入力する
  2. 2各社から提示される査定額を比べて、相場観(3年プールの中央値700万円前後)と照らし合わせる
  3. 3気になる会社があれば、訪問査定でより正確な金額を確認する
木村
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。

この記事のデータについて

項目内容
対象エリア愛媛県西条市
対象種別中古戸建て(土地付き)
データ期間2017年〜2024年(成約価格ベース)
出典国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報)
集計方法年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール
データの十分性参考値として掲載(物件ごとの価格の幅が大きいため、単年の方向は断定していません)
2024年取引件数59件(3年プールでは151件)
木村
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は「西条市の相場は水準としてはやや低め、でも方向は分からない」ってはっきりしたので、逆にすっきりしました。
山川
山川不動産の専門家
そうですね。西条市の相場は水準としては全国的にやや低めのグループで、単年の方向は断定できないという状況です。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。もう少し他の市町のデータも見てみたい場合は、愛媛県のページから比較できます。

よくある質問

木村
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川
山川不動産の専門家
どうぞ。西条市の戸建て売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格やAIによる予測値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村
木村相談者
西条市の戸建て相場はいくらくらいですか?
山川
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は700万円です。2024年単年では570万円で、価格帯は300万円〜1,300万円まで幅があります。
木村
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川
山川不動産の専門家
西条市は2024年単年の相対信頼区間幅が84.2%と基準を大きく超えており、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2017年の1,000万円から2024年の570万円まで数字だけ見ると下がっていますが、その間の2021年には1,100万円まで上がる年もあり、一方向のトレンドと言い切るのは不正確です。
木村
木村相談者
件数が少ないから方向が分からないんですか?
山川
山川不動産の専門家
いいえ、そこは西条市の特徴的なところです。年間39件〜59件と取引件数自体は少なくありません。方向を断定していないのは、件数不足ではなく物件ごとの価格の幅が大きいためです。
木村
木村相談者
サイトによっては直近半年だけで「今が売り時」って断定してるのを見たことがあるんですが。
山川
山川不動産の専門家
半年分だと取引件数がさらに少なくなり、西条市のように物件差が大きいエリアではその少ない件数のなかの数件で数字が大きく動きます。短い期間だけを根拠に売り時を断定するのは統計的にリスクがあると考えており、この記事では8年分の年別データと3年分のプールデータの両方を確認したうえで、方向を断定しない立場を取っています。
木村
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川
山川不動産の専門家
現時点で西条市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村
木村相談者
査定は無料ですか?
山川
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。
木村
木村相談者
西条市は近くの今治市や新居浜市と比べて何が違うんですか?
山川
山川不動産の専門家
中央値だけ見ると、新居浜市が800万円、西条市が700万円、今治市が550万円と、愛媛県内でも差があります。松山市は取引件数が多く物件のばらつきも比較的小さいため「単年でもトレンドを語れる区分」ですが、西条市や新居浜市、今治市は件数はそれなりにあるものの物件ごとの価格差が大きく「参考値」の扱いです。同じ愛媛県内でも、数字の安定度が違う点は分けて見ておくのが誠実だと考えています。