木村相談者
山川さん、諫早市にマンションを持ってて、そろそろ売却も考え始めているんです。ネットで調べたら、あるサイトは「9年で23.6%上昇」って書いてあるし、別のサイトは「直近3年で13.38%上昇」って出てくるし、正直どれを信じたらいいのか分からなくなってしまって……。
山川不動産の専門家
それ、諫早市でよくあるお悩みです。サイトによって「売り出し価格を集計しているのか」「AIで推定した金額なのか」「実際に成約した金額なのか」がバラバラなので、数字が違って見えるんです。今日は国交省が公開している実際の成約価格を見て、感覚ではなく数字で今の位置をつかんでいきましょう。
木村相談者
えっ、実際に売れた金額が分かるんですね。それは知りたいです。
山川不動産の専門家
ええ、不動産情報ライブラリという国交省のデータベースです。諫早市で実際に取引された中古マンションの中央値(真ん中の価格)を、2017年から2024年まで並べてみます。ただ先に言っておくと、諫早市は年ごとの取引件数がそれほど多くなく、単年の数字だけでは方向を断定しにくいエリアという特徴があります。まずは実態を数字で見てみましょう。
諫早市の中古マンション価格はどう動いてきたか
山川不動産の専門家
これが2017年から2024年までの年別中央値です。中央値は、価格を安い順に並べたときのちょうど真ん中の金額で、平均よりも実勢に近い指標です。
| 年 | 中古マンション中央値 | 価格帯(25%〜75%) | 取引件数 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 1,750万円 | 1,625万円〜1,950万円 | 6件 |
| 2018年 | 1,300万円 | 1,175万円〜1,550万円 | 4件 |
| 2019年 | 1,300万円 | 1,150万円〜1,700万円 | 7件 |
| 2020年 | 1,200万円 | 795万円〜1,750万円 | 7件 |
| 2021年 | 1,600万円 | 940万円〜1,900万円 | 21件 |
| 2022年 | 1,700万円 | 960万円〜1,900万円 | 17件 |
| 2023年 | 2,100万円 | 1,825万円〜3,000万円 | 14件 |
| 2024年 | 1,350万円 | 1,100万円〜2,400万円 | 24件 |
木村相談者
2017年に1,750万円だったのが2023年には2,100万円まで上がって、2024年にはまた1,350万円……。単純に2017年と2024年だけ比べると下がってるように見えますけど、こういうのって「下落トレンド」って言っていいんですか?
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、この記事では「上昇」「下降」といったトレンドの断定をしていません。理由は表を見ていただくと分かりやすいのですが、2018年はわずか4件、2017年は6件しか取引がありません。1年あたり数件〜二十数件という規模だと、その年にたまたま高額な物件が多く売れたか、安めの物件が多く売れたかだけで中央値が大きく動いてしまいます。次のセクションで、この「件数の少なさ」がどれくらい数字に影響するかを具体的にお見せします。
この数字は「実際に売れた金額」です
木村相談者
ちなみにこの価格って、売り出しの希望価格じゃなくて、本当に売れた金額なんですか?
山川不動産の専門家
そこが大事なところです。この記事の数字はすべて「成約価格」、つまり実際に取引が成立した金額です。国交省が取引当事者に調査した公的データを使っています。
木村相談者
不動産会社のサイトで見る「相場」とは違うんですか?
山川不動産の専門家
サイトによって違います。たとえば専有面積や築年数の条件をそろえて独自ロジックで平均価格を算出し、「3年前と比べて何%上昇」というように変動率を示しているサイトもありますし、個別のマンションごとにAIで推定した金額と「9年前と比べて何%」という上昇率・下落率を一棟ごとに掲載しているサイトもあります。どちらも推定モデルによる計算値であって、実際にいくらで取引が成立したかとは別物です。この記事の数字は、算出方法を独自加工せず、国交省に登録された成約価格の中央値をそのまま使っています。
木村相談者
推定でも独自ロジックでもなくて、実際に売れた結果の数字なんですね。それなら信頼できます。
山川不動産の専門家
ええ。ただし中央値だけを見ていても、その数字がどれくらい信頼できるかまでは分かりません。次は、諫早市の数字がなぜ「参考値」扱いなのかを詳しく見てみましょう。
なぜ諫早市の数字は「参考値」として扱うのか
木村相談者
参考値ってどういうことですか? 1,750万とか2,100万とか、ちゃんと数字は出てるじゃないですか。
山川不動産の専門家
数字自体は実際の成約価格なので嘘ではありません。ただ、その数字1年分だけでどこまで信頼できるかという点で、諫早市は注意が必要なんです。2024年のデータで見てみましょう。取引件数は24件、中央値は1,350万円ですが、価格帯の下から4分の1(p25)は1,100万円、上から4分の1(p75)は2,400万円です。
木村相談者
1,100万から2,400万って、2倍以上の開きがありますね。
山川不動産の専門家
そうなんです。これを統計的に確認する指標として、単年の中央値がどれだけブレうるかを示す相対信頼区間の幅という数字があります。諫早市の2024年単年では96.3%にもなります。このサイトが「単年の数字だけで方向を語ってよい」とみなす基準(25%以下)を大きく超えていて、諫早市はこの基準を大きくクリアできていません。
木村相談者
96.3%って、ほぼ数字が読めないくらいの幅ってことですよね……。
山川不動産の専門家
そのとおりです。原因は、諫早市の年間の取引件数そのものが少ないことです。2018年の4件、2017年の6件のように、一桁台の年もあります。マンションは同じ市内でも駅からの距離・築年数・階数で価格が大きく変わりますが、そもそも母数となる取引件数が少ないと、たまたまその年に売れた物件の顔ぶれ次第で中央値が上下に振れやすくなるんです。佐世保市のように取引件数自体は年30〜50件台とある程度あっても物件差で幅が出るタイプとは、同じ「参考値」でも中身が異なります。諫早市は件数そのものが少ないタイプです。
木村相談者
つまり、この1,350万円っていう数字自体、あまり信用できないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、そこは誤解しないでいただきたい点です。数字自体は実際の成約データそのもので、捏造や推定ではありません。ただ「今年は1,350万円だから、来年も同じくらい」と単年だけで判断するのは危ういということです。そこで2022年から2024年の3年分をプールした中央値も見てみましょう。3年分をまとめると取引件数55件、中央値1,800万円になります。単年(1,350万円)より高めですが、振れの小さい3年プールのほうが諫早市の実態に近い相場水準として扱えます。
木村相談者
単年で1,350万円、3年プールで1,800万円、けっこう差がありますね。
山川不動産の専門家
年によって上下に振れるのが諫早市の特徴だと捉えてください。この記事でも、諫早市の代表的な相場水準としては3年プールの1,800万円を使い、単年の上下だけで「上がった」「下がった」と言い切ることは避けています。相場観がつかめたところで、将来人口についても触れておきたいのですが、実はこちらはまだお伝えできる状態ではありません。
諫早市の将来人口の見通しについて
木村相談者
人口が減ってると価格も下がりやすい、みたいな話をよく聞くんですが、諫早市はどうなんですか?
山川不動産の専門家
正直にお伝えすると、諫早市の将来推計人口はこのデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。データが揃い次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
そうなんですね。人口ってそんなに大事な材料なんですか?
山川不動産の専門家
需要と供給を考えるうえでの材料の一つにはなります。ただ、人口が減っている地域だからといって即座に価格が下がるわけではなく、金利や再開発、駅からの距離など他の要因も絡みます。人口の動きだけで将来の価格を決めつけるのは、実は難易度が高い話なんです。相場水準がつかめたところで、次は諫早市が全国や長崎県内と比べてどうなのかを見てみましょう。
全国・長崎県内のなかで諫早市はどのくらいの水準か
山川不動産の専門家
諫早市の価格が周りと比べてどのくらいの水準なのかを見ましょう。相場は「その市だけ」では判断しにくく、近隣や全国と比べて初めて意味を持ちます。
| 比較軸 | 諫早市の位置 |
|---|---|
| 長崎県内の中古マンション中央値 | 3位/3市区町村(県内では最も落ち着いた水準) |
| 全国の中古マンション中央値 | 270位/464市区町村(中位よりやや下) |
| 上昇率の順位 | 対象外(単年トレンドを断定できる水準のデータではないため) |
| 全国平均(取引が十分な区分の中央値の単純平均・約2,885万円)との比較 | 約0.62倍の水準 |
木村相談者
県内3市区町村中3位ってことは、長崎県の中でも安めなんですね。
山川不動産の専門家
水準としては全国的に見ても中位よりやや下のグループに入ります。ただし比較対象の全国平均は「取引データが十分で単年トレンドを語れる区分」の平均なので、諫早市(参考値扱い)を単純に同列で比べすぎない方がよいです。あくまで目安として捉えてください。長崎県内で同じように相場を掲載できる市とも並べてみましょう。
| 市 | 中古マンション中央値 | 8年上昇率 | 直近1年 |
|---|---|---|---|
| 長崎市 | 2,500万円 | +31.6% | ー |
| 佐世保市 | 1,900万円(直近3年・参考値) | ー | ー |
| 諫早市(本記事) | 1,800万円(直近3年・参考値) | ー | ー |
木村相談者
長崎県内3市のうち、トレンドの数字が出せるのは長崎市だけで、佐世保市と諫早市はどっちも「参考値」なんですね。でも佐世保市と諫早市って、参考値になってる理由は同じなんですか?
山川不動産の専門家
よく気づかれましたね。実は理由が違います。佐世保市は物件ごとの価格の幅が大きいことが理由の参考値扱いで、取引件数自体は年30〜50件台とそれなりにあります。一方で諫早市は、年間の取引件数がおおむね一桁台〜20件台と件数そのものが少ないことが理由の参考値扱いです。同じ「参考値」でも、佐世保市は「件数はあるが物件差が大きい」、諫早市は「そもそも件数が少ない」という違うタイプなんです。
木村相談者
なるほど、同じ「参考値」でも中身が違うんですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。諫早市は取引件数自体が2024年で24件、3年プールでは55件あり、0件の年は無く、データとして扱える最低限の厚みはある状態です。ただ単年で方向を語れるほどの件数ではない、という点は正直にお伝えしておきたいところです。
木村相談者
水準の話と、トレンドが分からないという話は別なんですね。
山川不動産の専門家
そのとおりです。数字の意味を正確に分けて見るのが、判断を誤らないコツです。ここまでの事実を踏まえて、諫早市でマンションを売ろうか考えるときの材料を整理してみましょう。
諫早市のマンションは「売り時」なのか、どう考えるか
木村相談者
水準は落ち着いていて、方向は分からない……。これって、待ったほうがいいのか、動いたほうがいいのか、正直よく分からなくなってきました。他のサイトだと「9年で23.6%上昇してるから」みたいな書き方をしているところもあったんですが。
山川不動産の専門家
諫早市のマンションで、考える材料を並べるとこうなります。
諫早市の中古マンション・売り時を考える3つの材料
- 1直近3年の相場水準は1,800万円、ただし単年の方向は断定できない — 2022〜2024年の3年プール(取引55件)では中央値1,800万円。2017〜2024年は1,200万円〜2,100万円のレンジで上下しており、単年の相対信頼区間の幅(96.3%)が基準を大きく超えているため、はっきりした上昇・下降トレンドとしては扱わない。
- 2年間の取引件数が少なく、市全体の数字より個別の実勢が重要 — 2024年の年間取引は24件、2018年はわずか4件。市全体の中央値より、自分の物件に近い条件の実例や、実際の査定額のほうが参考になりやすい。
- 3将来人口のデータは現時点で未収集 — 根拠のない数字を出すより扱わない方針のため、諫早市の将来人口には触れていません。データが揃い次第この記事を更新します。
木村相談者
「はっきりした傾向がない」ってことは、逆に急いで判断しなくていい、ってことですかね。
山川不動産の専門家
その理解で大丈夫です。市全体の数字が一方向にはっきり動いていない以上、「今すぐ売らないと損」という状況ではありません。市全体の数字がどう動いているかと、あなたのマンションがいくらで売れるかは別の話、この2つを分けて考えるのが正確です。
木村相談者
そう言われると気が楽です。煽られると逆に迷っちゃうので。
山川不動産の専門家
大切なのは、正確な現在地を知ったうえで、ご自身のペースで判断することです。市全体の中央値の話から一歩進んで、自分のマンションの査定額を把握しておくのがおすすめです。
相場が分かったら、次にやること
木村相談者
じゃあ、実際にうちのマンションがいくらで売れそうか知りたくなってきました。どうすればいいですか?
山川不動産の専門家
相場観がつかめた今が、次のステップに進むいいタイミングです。流れを整理しますね。
相場を確認したあとの進め方
- 1相場の位置を把握する — ここまで見てきた3年プールの中央値1,800万円、県内・全国での位置、近隣市との比較を頭に入れておく。
- 2複数社の一括査定を申し込む — 一括査定サービスを使うと、複数の不動産会社から同時に見積もりを取れる。駅からの距離や築年数、階数など、自分の物件の個別条件を踏まえた実額を確認する。諫早市は年間の取引件数が少ない分、個別の査定の意味合いが特に大きい。
- 3査定額と相場を見比べる — 提示された査定額が、この記事で見た3年プールの中央値1,800万円や、価格帯の目安(1,100万円〜2,400万円)からどれくらい離れているかを確認する。
- 4売る・売らないをゆっくり決める — 査定を受けたからといって売却の義務はない。資金計画や住み替え先が決まってから判断しても遅くない。
木村相談者
査定って、頼んだら必ず売らないといけないんですか?
山川不動産の専門家
いいえ、査定を受けても売る義務はありません。今の価値を知るだけでも十分に意味があります。まずは気軽に相場と実額のギャップを確かめてみてください。
この記事のデータについて
木村相談者
最後に、今回のデータの前提をまとめてもらえますか?
山川不動産の専門家
はい、まとめるとこちらです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象エリア | 長崎県諫早市 |
| 対象種別 | 中古マンション(区分所有・共同住宅) |
| データ期間 | 2017年〜2024年(成約価格ベース) |
| 出典 | 国土交通省 不動産情報ライブラリ(XIT001 不動産取引価格情報) |
| 集計方法 | 年別中央値・四分位(p25/p75)、2022〜2024年の3年プール |
| データの十分性 | 参考値として掲載(取引件数が少ないため、単年の方向は断定していません) |
| 2024年取引件数 | 24件(3年プールでは55件) |
| 将来人口データ | 現時点で未収集(データ整備後に追記予定) |
木村相談者
それなら安心して試せますね。今日は「分からないことは分からない」まではっきりしたので、逆にすっきりしました。
山川不動産の専門家
諫早市の相場は直近3年(2022〜2024年)のプール中央値で1,800万円、ただし取引件数が少なく単年の上昇・下降は断定できない状況です。市全体の数字だけを鵜呑みにせず、自分のマンションの実際の査定額と見比べるのがポイントです。売り時が気になったら、まずは実際の査定額を確認してみてください。判断はそのあとでゆっくりで大丈夫です。
木村相談者
ちなみに、長崎市の相場や、諫早市で戸建てだと数字がどう変わるのかも気になります。
山川不動産の専門家
長崎市の中古マンション相場は県内トップの水準でトレンドも語れるエリアなので、比べてみると諫早市の立ち位置がより分かりやすくなります。また、佐世保市の中古マンション相場も同じ「参考値」区分ですが理由が異なるので読み比べてみてください。諫早市の中古戸建て相場も同じ形式でまとめているので、マンションと戸建てで迷っている場合はあわせてご覧ください。最後によくある質問もまとめておきますね。
よくある質問
木村相談者
最後にいくつか、よくある疑問をまとめておきたいです。
山川不動産の専門家
どうぞ。諫早市のマンション売却でよく聞かれる点にお答えします。
木村相談者
この価格データはどこの情報なんですか?
山川不動産の専門家
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格です。広告の売り出し価格や独自の推定値ではなく、成約ベースなので実勢に近い数字です。
木村相談者
諫早市のマンション相場はいくらくらいですか?
山川不動産の専門家
2022年から2024年の3年分をプールした中央値は1,800万円です。2024年単年では1,350万円で、価格帯は1,100万円〜2,400万円まで幅があります。
木村相談者
価格は上がってるんですか、下がってるんですか?
山川不動産の専門家
諫早市は単年の相対信頼区間幅が96.3%と非常に大きく、この記事では上昇・下降どちらの方向も断定していません。2017年の1,750万円から2023年に2,100万円まで上がり、2024年は1,350万円という動きですが、年間の取引件数が4件〜24件と少ないため、これを一方向のトレンドと言い切るのは不正確です。
木村相談者
将来の人口が増えるかどうかも知りたいんですが。
山川不動産の専門家
現時点で諫早市の将来推計人口はこの記事のデータベースにまだ収集できていません。根拠のない数字を出すよりは、扱わないほうが正確だと考えています。分かり次第、この記事を更新して反映します。
木村相談者
他の不動産系のサイトだと、諫早市の相場がもっと違う金額や上昇率で出てくることがあるんですが、なぜですか?
山川不動産の専門家
サイトによって何を集計しているかが違うからです。専有面積や築年数の条件をそろえて独自ロジックで平均価格を算出し「直近3年で13.38%上昇」のように示しているサイトや、個別のマンションごとにAIで推定した金額と「9年前と比べて23.6%上昇」という上昇率を掲載しているサイトもあります。本記事は国交省の成約価格を8年分並べ、単年の信頼度(相対信頼区間幅)まで確認したうえで中央値を集計しているので、推定モデルや条件設定に左右されにくい数字だと考えてください。
木村相談者
佐世保市や長崎市と比べて諫早市はどうですか?
山川不動産の専門家
中央値としては長崎県内3市区町村のうち3位の1,800万円(直近3年プール)です。長崎市(2,500万円・トレンドあり)より落ち着いた水準で、佐世保市(1,900万円・参考値)よりやや低めです。ただし佐世保市の参考値扱いは「物件差が大きい」ことが理由で、諫早市の参考値扱いは「取引件数そのものが少ない」ことが理由と、背景が異なります。
木村相談者
査定は無料ですか?
山川不動産の専門家
一括査定サービスの見積もりは基本的に無料で、売る義務もありません。まずは相場と実額の確認から始めるのがおすすめです。